CourseOut

なんてことのない普通の暮らし。ちょっとしたことでもいいから、たまには〝CourseOut〟したいものです。

のび太の宇宙小戦争

2022年03月22日 | 映画
ドラえもんが好きだ。昔からだ。ドラえもんのTV放送(当時は夕方6:50から)がはじまり、コロコロコミックで映画の原作となる「のび太の恐竜」が連載されると、夢中になって読んだ。毎月コロコロの発売日が待ち遠しかった。

40を過ぎてから、ドラえもんを集めだした。てんとう虫コミック版だ。映画の原作となる長編もあり、年に数冊買い足した。その中に今回の映画「のび太の宇宙小戦争」があった。

正直「のび太の新恐竜」は期待はずれだった。しかし、今作は漫画で面白いのはわかっている。今まで暗いところは怖いという理由で映画館に行きたがらずDVDが出るまで待っていた娘も

「行きたい」と。

8年ぶりとなる映画。娘は映画館デビュー。家族そろっての映画というのももちろん初めてだ。

むかしブルース・ウィルスの「ダイ・ハード」という映画のパンフレットにこう書いてあった。

「敵が強い話は面白い」

まさにこの言葉どおり。強敵と対峙していくストーリーは本当に面白い。

家に帰ってから漫画を読み返したが映画とは違うシーンがいくつかあった。しかし、原作を全く損なわない。それどころか、脚本、演出が素晴らしいく、原作以外の部分でも心に残るシーンをいくつか生み出している。

香港、ミャンマー、アフガニスタン、そしてウクライナ。武力による民衆への抑圧・制圧・征服が常態化している世界で、終盤のパピ君、いやパピ大統領の演説は、子供だけでなく大人にむけても素晴らしいいメッセージだ。

この映画が娘が初めてみた映画となったことを大げさでなく誇りに思う。そして10年後か15年後にもう一度見てほしいと思う。そしてその時、また何かを感じてほしい。

それだけの作品だ。






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満月の道・長流の畔・野の春

2022年03月13日 | 
「流転の海」シリーズの7・8・9部。

以前にも紹介したが

「このシリーズを読んでいない方は幸せです。なぜなら、これからこの本を読めるからです」

新潮社出版部部長・中瀬ゆかりさんの言葉だ。

読後直後

「幸せを一つ失くしてしまった。なぜなら、この作品を読み終えてしまったからです」

といった気分だった。


思えば浪人時代に同じ高校・予備校に通っていた友人が「ドナウの旅人」を読んでいたことが宮本輝を知ったきっかけだった。

もちろん、TVドラマ「青が散る」、映画「優駿」は知っていた。が、それらが同じ作家の作品としっかり認識することになったのは、大学時代の友人、広美(男)が、大の宮本輝ファンだったことが大きい。

広美から「道頓堀川」の単行本を借り、テニスサークルに所属していたこともあり「青が散る」を読み(この辺りはゲンか青木か齋藤か)、サークルの先輩でありラジオ局の競馬中継を紹介してくれたタイジさん(あだ名)から「優駿」を勧められた。

こうして私は熱烈でも劇的にでもなく、ゆっくりと宮本輝の世界に浸っていった。

この「流転の海」シリーズ。一体いつから読み出したのだろうか。家の書庫に第三部「血脈の火」残っていた。初版で平成11年10月だ。ということは第一部を手に取ったのはおそらく20代中盤ごろであろう。

それから約四半世紀。主人公である松坂熊吾に子供が生まれた年齢を少し超えた年になっている。

このブログを書きながら途中、最終巻の解説を読んだ。解説を寄せている方は、新作が発売されるたびに1巻から読み直しおり、結果1巻を一番読んでいるとのこであった。

ふと、気づいた。私は転居の際、本はブックオフなどに売ってきた。引っ越しの時に大変だからだ。しかし、このシリーズは「血脈の火」以降は家に残っている。この第三部を購入したのは千葉県の柏市に住んでいるころ。それから当ブログを始めた函館、札幌、とこの本を買ってから8回引っ越した。それでも手元にあるということは再び読もうと思ってずっと持ってきていたということだ。諸事情で急いて処分した実家に置いてあったであろう第一・二部はもう一度買えば良い。

そう。

「このシリーズを読み終えた方は幸せです。 なぜなら、もう一度この作品を読めるからです」

なのだ。 いつかもう一度、松坂家族に会いに行こう。

そう遠くないうちに。

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