CourseOut

なんてことのない普通の暮らし。ちょっとしたことでもいいから、たまには〝CourseOut〟したいものです。

向田理髪店

2020年07月14日 | 


「向田理髪店」 奥田英郎。

この人の本は本当に面白い。

北海道のとある町(夕張なのかなぁ)でおこる何でもないような、何でももなくないような話が私の好きな連作短編形式で綴られる。

北海道の田舎町、いや、北海道以外でも過疎化の進む町であれば、もしかしたら似たようなところはあるのかもしれないと思わせる話が続いていく。田舎だからといって決して刺激がないわけではない。身近すぎる、だから余計に刺激的な出来事がここには溢れている。

北海道に越してきてかれこれ8年半。函館近郊でコロナがでればどこそこの誰それと1日あればすぐに分かってしまう。そしてそんな話が日常会話として交わされる。

いいのか悪いのかは分からない。しかし、人口30万人圏でもこのぐらいの話にはすぐになる。

この本では都会の対比としての田舎が描かれる部分が多くある。先ほども書いたがいいのか悪いのかではなく、あくまで対比だ。この本を北海道出身の東京有楽町で仕事をされる方に紹介したことがる。その方は北海道で仕事があれば帰りたいとおっしゃっていた。その方の個人の中での対比があっでのお言葉だろう。

本は本であり、ノンフィクションでなければ当然、現実ではない。 それでも、都会の生活ばかりの方で擬似的対比をされたい方、そして都会も田舎も両方体感している方にぜひ読んでいただきたい。

お薦めの一冊です。
コメント
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