父の日記 昭和17年

昭和17年の日記 
ようやく召集解除 神武屯を発ち東京へ向う

昭和17年10月18日

2005-10-18 | 昭和 (父の日記 昭和17年) 
18日 (日) 晴れ

七時起床、八時下関発、別府行、九時門司発、日豊線
急行。十一時四十分別府着、平野さんに聞いた日名子
旅館に行ってみたが休日が続いたため満員。立派
な旅館だが残念乍ら駄目、此処で世話して貰って米屋
旅館に行く。日名子旅館よりは少し落ちるがそれでもかな
りよい家だ。中食后、地獄送りをやる。バスが満員で
長く待たされて、地獄なんてつまらぬものでがっかりする。
三時間許りかゝる。宿へ帰って疲れる。夕食后風呂番
の爺さんが来ていゝ所へ案内すると言ふ。日露戦争に
出たと言ふ爺さんで軍人さんには特にサービスしてやると言ふ
のだ。別府には面白い所があるとは聞いてゐたが始め
て突然では分らないだらふと思ってゐた。いゝ所で此の
爺さんにおしへて貰ふ。爺さんの案内で近くの龍泉
閣と言ふ料理屋、一泊五十余円、中村中尉もすっかり
気に入って一泊する。調度も実に立派な、静かで落ち着い
て気分がいゝ。

別府行 一泊

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