膝・腰にグルコサミン・コンドロイチンは無効

膝・腰OA，グルコサミン・コンドロイチンの疼痛効果はプラセボと有意差なし
(MTProより転載）

要するにグルコサミンもコンドロイチンも関節痛には全く効かないということが、大規模研究で明らかになったと言うことだ。

ちょっと前に、グルコサミンについては同様の報告があった。

以下参考までに
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1007/1007025.html
ノルウェー・オスロ大学病院のPhilip Wilkens氏らは慢性腰痛ならびに変形性腰椎症（degenerative lumbar osteoarthritis）を有する患者を対象とした二重盲検ランダム化比較試験（RCT）から，グルコサミン経口投与による疼痛関連障害への効果は見られなかったことを7月7日号のJAMA（2010; 304: 45-52）に報告した。

某有名メーカから、アク○ージ云々などの薬が発売され盛んに宣伝されているけれど、効かないものは効かない！

 

詳しい内容は以下の通り（ＭＴProより）

スイス・ベルン大学のSimon Wandel氏らは，変形性膝関節症（膝OA）または変形性腰椎症（腰OA）を対象とした大規模ランダム化比較試験（RCT）のネットワークメタ解析から，コンドロイチン，グルコサミン，コンドロイチン＋グルコサミンを摂取しても関節疼痛は軽減されず，また関節腔狭小化も認められなかったことを，BMJ9月16日オンライン版に報告した。

過去のRCTから効果に疑問

　膝OAや腰OAには，炎症および疼痛緩和を目的に，おもに非ステロイド性抗炎症薬（NSAID）が投与される。しかし，長期投与による副作用の懸念から，近年，抗炎症作用や軟骨修復作用を有するとされるグルコサミン，コンドロイチンの普及は著しい。その一方で，これらの関節痛への有効性を検討した RCTのなかには疑問符がついた報告も見受けられると，Wandel氏らは指摘する。

　そこで，同氏らは，コクランレビュー，Medline，Embase，CINAHLなどのデータベース（試験開始～2010年6月）から，変形性膝関節症または変形性腰椎症100例以上を対象としたコンドロイチン，グルコサミン，コンドロイチン＋グルコサミンの群間比較試験またはプラセボ対照比較試験58報のうち12報を抽出。報告された10の試験・計3,803例を対象にネットワークメタ解析を行い，主要評価項目のグルコサミン，コンドロイチン摂取による関節疼痛の改善および，2次評価項目の関節腔の最小幅の変化を評価した。

　なお，10試験のうち，6試験はグルコサミン（1,500mg）vs. プラセボ試験，3試験がコンドロイチン（1,000mgまたは800mg）vs プラセボ試験，1試験がグルコサミン（1,500mg）vs. コンドロイチン（1,200mg）vs. グルコサミン（1,500mg）＋コンドロイチン（1,200mg）vs. プラセボ試験である。解析対象者の平均年齢は62歳，女性68％，症状持続期間は6か月～10年以上に及んでいた。

プラセボと有意差なし

　0～10cmのvisual analogue scale（VAS）を用いて治療後の膝疼痛の改善効果を評価した結果，ベースラインに比べグルコサミン群は－0.4cm（95%CI －0.7～－0.1 cm），コンドロイチン群で－0.3cm（95%CI －0.7～0.0 cm），グルコサミン＋コンドロイチン群では－0.5cm（95%CI －0.9～0.0 cm）であったが，いずれもプラセボ群との間に有意差は認められなかった。

　また，関節腔の最小幅の変化については，6試験で変化が報告されていたが，解析の結果，ベースラインに比べグルコサミン群は－0.2mm（95%CI －0.3～0.0 mm），コンドロイチン群で－0.1mm（95%CI －0.3～0.1 mm），グルコサミン＋コンドロイチン群では0.0 mm（95%CI －0.2～0.2 mm）であり，いずれもプラセボ群との差は見られなかった。

　コンドロイチン，グルコサミンを投与しても関節疼痛に改善が見られないという今回のネットワークメタ解析の成績から，Wandel氏らは「製剤としてこれらを処方する場合，処方を見合わせ，医療コストを抑えるべきだろう」と指摘している。