お勉強ノート
1 厄年
厄年ってなに?
厄年について書かれた記事は多いけれど、殆どが厄払いで商売をしているものかその関係者が書いているので、当然どのようにするのか、如何に大切かが強調されている。しかしその起源についてはどうもあやふやだ。後出しじゃんけんのように、後からとってつけたような屁理屈ばかり。
では本当のところはどうなんだろう。
話は、まだ葬儀を寺院が行う前にさかのぼる。
葬式は誰がするかというと、これは習俗だから一家の長、すなわち大家族制度の一家の主が行っていた。一家の主は氏族の長でもあり、実は神主でもあった。当時は神社に神主がいたわけではなく、氏族の長が兼ねていたのです。
後の時代になると、この職を当番のように決めていて、これは当番神主とか一年神主とか呼ばれ、いわゆる「役」だったわけです。
「役」につく適齢期を「役年」と言いました。これはそろそろお前も役につくころだから、身を慎めというくらいの意味です。
ところが例によって、悪のりする連中がいて「役年」を「厄年」に言い換えて、お祓いをしなければ祟るぞ!と言うあの論法で商売の種にしてしまったのです。
もし、「役年」ではなく最初から「厄年」であるなら「前厄」とか「後厄」という概念は上手く説明がつきません。しかし本当は「役年」なのです。役年なら説明がつくというか、当たり前の話です。
「前役」とは、役に就く前に見習いをする期間。習わなければ神主はつとまりません。
「後役」とはこんどは次の役の人に引き継ぎを行う期間です。
悪のり連中は、こんな「前役、後役」まで「前厄、後厄」として商売にしてしまったのです。
と言うわけで、「厄年」とは実は「役年」のことでした。
お「役」は確かに大切で、緊張を強いられるお仕事ですが、どう解釈しても「厄払い」してもらうべき対象ではありません。逆に神事に関わる誇らしい一年なのです。
これを払ったら、それこそ罰当たり?