2008年(米)
監督:グレゴリー・ホブリット
出演:ダイアン・レイン(ジェニファー・マーシュ)
ビリー・バーク(エリック・ポックス刑事)
コリン・ハンクス(グリフィン・ダウド)
ジョセフ・クロス(オーウェン)
<ストーリー>
舞台はオレゴン州ポートランド。ネット犯罪専門のFBI捜査官ジェニファーのもとに捜査依頼が届いたサイト「kill with me」。それはWebサイト上で殺人の映像をライブ中継するというものだった。アクセス者数に応じて殺人機器が作動し、増えれば増えるほど死期を早めてしまうというもの。噂が広まり、好奇心でアクセスする人間が爆発的に増えていく。アクセスする人々に罪悪感を感じさせず、人を殺させていくシリアル・キラーにジェニファー達はなす術も無く、やがてジェニファーやFBI捜査官達にも魔の手が忍び寄る。。。。
<感想>
ただのサスペンスと思って軽い気持で観たら、思いがけないほど現代社会の問題を鋭くついてくる作品でした。インターネットやテレビなど、今は生活に欠かせないものでありながら、その画面に映るものをただの映像としてしかとらえる事のできない視聴者達。映像を配信する側も視聴率をとることしか頭に無い。その映像を公開され、衝撃映像としてネット上でおもしろおかしく配信され続けることで、2重3重に傷ついていく人がいるということを、誰も考えない。人のモラルを強烈なインパクトで問いかけてきて、観た後は映画の内容よりも映画が持つこのテーマについて考えずにはいられませんでした。
ここからはネタバラしありです。未見の方は先に映画をみてくださいませ。
************************************
始めは猫の虐待映像。エスカレートしていく事を警戒してジェニファーがサイトを調べてみたところ、削除してもすぐに別のアドレスに現れる。まるでネットの中をするすると逃げていくようなこのサイトを捕まえる事が出来ない。なす術も無く観ていると次に現れたのは見知らぬ男。すぐに彼が誰かという事は判明するのだけど、ジェニファー達がみている画面の中でアクセス数が増え、被害者は苦しみながら死んでいった。それがまた人の好奇心をおあり爆発的にアクセス数が増えていき、犠牲者の死期がどんどん早まってしまう。こんな恐ろしい設定をよく考えたなと感心してしまうほど、人の心理を利用した或る意味見事な犯罪なのかしら。勿論、絶対許される事ではありませんけど。犯人の魔の手はやがてFBI捜査官達にも及ぶわけだけれど、なぜ、彼らが狙われたのかとか、なぜ、こんな犯罪がおこっているのか、ということが明らかになると、単純にこの犯人だけを悪と決めつける事が出来ない気がしました。
妻を失ったショックから鬱病になり自殺してしまった父親の映像をテレビやネットで衝撃映像として繰り返し流される。繊細な少年の心にどれほどの痛みを与えたことか。そしてそれが彼を恐ろしいシリアルキラーへと変貌させてしまった。捕まれば死刑。それを覚悟の上で始めた恐ろしい連続殺人は、彼の父親の死を辱めたメディアやネット、そして人の好奇心を皮肉った方法で実行されていく。彼のしたことは絶対に許される事ではないけれど、死を覚悟の上で実行していくこの殺人計画は、強烈なインパクトを持って、人々に現代社会の問題を訴えかけていく。それはこの映画を観ていることにさえ罪悪感を感じてしまうほど、伝わってくるものがありました。「いずれ死刑もテレビで放送されるようになる」という言葉にはぞっとするものを感じます。
ラストのジェニファーと犯人の対決は、ジェニファーがとてもかっこ良く描かれていますが、これで万事解決とはとても思えませんでした。これほど強いインパクトを持ってテーマを訴えかけてくる映画は少ないんじゃないかな。
サスペンスのものの娯楽映画としてみても面白いし、観た後考えさせられるものがあり、期待した以上に出来のいい映画だったと思います。
監督:グレゴリー・ホブリット
出演:ダイアン・レイン(ジェニファー・マーシュ)
ビリー・バーク(エリック・ポックス刑事)
コリン・ハンクス(グリフィン・ダウド)
ジョセフ・クロス(オーウェン)
<ストーリー>
舞台はオレゴン州ポートランド。ネット犯罪専門のFBI捜査官ジェニファーのもとに捜査依頼が届いたサイト「kill with me」。それはWebサイト上で殺人の映像をライブ中継するというものだった。アクセス者数に応じて殺人機器が作動し、増えれば増えるほど死期を早めてしまうというもの。噂が広まり、好奇心でアクセスする人間が爆発的に増えていく。アクセスする人々に罪悪感を感じさせず、人を殺させていくシリアル・キラーにジェニファー達はなす術も無く、やがてジェニファーやFBI捜査官達にも魔の手が忍び寄る。。。。
<感想>
ただのサスペンスと思って軽い気持で観たら、思いがけないほど現代社会の問題を鋭くついてくる作品でした。インターネットやテレビなど、今は生活に欠かせないものでありながら、その画面に映るものをただの映像としてしかとらえる事のできない視聴者達。映像を配信する側も視聴率をとることしか頭に無い。その映像を公開され、衝撃映像としてネット上でおもしろおかしく配信され続けることで、2重3重に傷ついていく人がいるということを、誰も考えない。人のモラルを強烈なインパクトで問いかけてきて、観た後は映画の内容よりも映画が持つこのテーマについて考えずにはいられませんでした。
ここからはネタバラしありです。未見の方は先に映画をみてくださいませ。
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始めは猫の虐待映像。エスカレートしていく事を警戒してジェニファーがサイトを調べてみたところ、削除してもすぐに別のアドレスに現れる。まるでネットの中をするすると逃げていくようなこのサイトを捕まえる事が出来ない。なす術も無く観ていると次に現れたのは見知らぬ男。すぐに彼が誰かという事は判明するのだけど、ジェニファー達がみている画面の中でアクセス数が増え、被害者は苦しみながら死んでいった。それがまた人の好奇心をおあり爆発的にアクセス数が増えていき、犠牲者の死期がどんどん早まってしまう。こんな恐ろしい設定をよく考えたなと感心してしまうほど、人の心理を利用した或る意味見事な犯罪なのかしら。勿論、絶対許される事ではありませんけど。犯人の魔の手はやがてFBI捜査官達にも及ぶわけだけれど、なぜ、彼らが狙われたのかとか、なぜ、こんな犯罪がおこっているのか、ということが明らかになると、単純にこの犯人だけを悪と決めつける事が出来ない気がしました。
妻を失ったショックから鬱病になり自殺してしまった父親の映像をテレビやネットで衝撃映像として繰り返し流される。繊細な少年の心にどれほどの痛みを与えたことか。そしてそれが彼を恐ろしいシリアルキラーへと変貌させてしまった。捕まれば死刑。それを覚悟の上で始めた恐ろしい連続殺人は、彼の父親の死を辱めたメディアやネット、そして人の好奇心を皮肉った方法で実行されていく。彼のしたことは絶対に許される事ではないけれど、死を覚悟の上で実行していくこの殺人計画は、強烈なインパクトを持って、人々に現代社会の問題を訴えかけていく。それはこの映画を観ていることにさえ罪悪感を感じてしまうほど、伝わってくるものがありました。「いずれ死刑もテレビで放送されるようになる」という言葉にはぞっとするものを感じます。
ラストのジェニファーと犯人の対決は、ジェニファーがとてもかっこ良く描かれていますが、これで万事解決とはとても思えませんでした。これほど強いインパクトを持ってテーマを訴えかけてくる映画は少ないんじゃないかな。
サスペンスのものの娯楽映画としてみても面白いし、観た後考えさせられるものがあり、期待した以上に出来のいい映画だったと思います。
おっしゃる通り、娯楽映画としても面白かったし(ハラハラドキドキしっぱなしでした)
見た後(ラストはちょっと物足りなかったんですが)いろいろ考えちゃいました。
良くできた映画だなぁって思います。
レンタルで見たいけど、我が家のDVDプレイヤーの調子が悪く、いま買い換えるならブルーレイを買わないといけないか、とか2011年のことを考えるとテレビもどんなものにするか考えに入れて買わないといけないか…でもテレビは2011年までねばりたいし…とか色々考えて買えていません。ハァこの映画を見るのはいつになることやら…
現実に起こりそうだからリアル感があって、よけいに怖いストーリーですね。
やっぱりメルさんも考えちゃいましたか。私もです。ラストだけ、もうちょっとひねりが欲しかったですね。
私も忘れていたんです。レンタルで見つけて、あー!これ、観たかったのに!と思って、即借りました。
これはオススメなので、DVDが見られるようになったら、是非ご覧あれ!