前回の「マイブーム」で作成した144MHz帯SSBラジオは、アンテナを含む受信環境がいまひとつよろしくないせいか、「なかなか聴くことができない」ので、並行して別のラジオを作ることにしました。
144MHz帯に近く、電波が頻繁に出ていそうなバンドとして、118MHz~136MHzあたりの「エアバンド」を受信するラジオを作ってみることにしました。
18MHzもの幅をフルにカバーするのは大変なので、とりあえず「よく聞こえる周波数」のあたりに的を絞って受信することを考えました。
構成は、ダブルスーパーヘテロダイン。中間周波数455kHzに変換できる局発が得られるなら、シングルスーパーヘテロダインでもよさそうなものですが、うまく作ることができなかったので、ダブルにしました。
第一局発はPLL周波数シンセサイザにより12.5kHzステップで作ります。VCO自体はTA7358の局発部分を用いています。左下の7セグLED4桁は、周波数に対するチャネル番号を表示します。
アンテナから入力した信号は、TA7358に入って、10.7MHzに変換し、セラミックフィルタを経て次のTA7358に入り、ここで10.245の第二局発により455kHzを取り出します。
TA7358には、水晶をくっつけてもちゃんと発振するようです。
455kHzの第二IFは、2SC1815二段で増幅し、!N60(1K60)または1SS108のような、「検波できるダイオード」で検波して、AFを取り出します。それを、LM380で増幅してスピーカーを鳴らすという構成になっています。
一応信号は受信できるものの、屋内でこの周波数帯を受信する場合の特徴として、
「受信する信号レベルの違いが激しい」
ということがあげられます。基地局(?)の信号は強いのですが、移動局(?)の信号は本当に弱く、できれば両方受信したいことを考えるとうまく動作するAGCが必要になります。
AGCは非常に難しいもののようで、「ちゃんとしたもの」を作るのは最初から諦めて、ダイオードによる可変アッテネータ(自称)を構成することにしました。
このような構成の場合、使用するダイオードはPINダイオードを用いるものだそうですが、残念ながら手持ちが無いので、1S1588を使いました。
1S1588の両端に220Ωをぶら下げて、出力側(カソード側)の220ΩはGNDに接続、もう片方の220Ωは0.001uF//47uFを介してGNDに接続。入力側の220Ωと0.001uFの接続点Pに電圧をかけると、1S1588はONになって、信号が通過しますが、電圧をかけないと1S1588はOFFになって、信号が通過できません。
検波段から取り出したAF分(検波用ダイオードの向きは、GNDに対して+の出力を得るようにしてある)を、2SC1815で増幅して極性を反転させ、上記説明のP点に加えると、どうやら一応それなりに動作するようです(そのように聴こえたような気がします)。
2SC1815のコレクタに接続する負荷抵抗を変化させることで「効き」を調整できるような気がします。
完成度はいまひとつといった感じで、もう少し工夫してなんとかしたいと思います。