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ポセイドン・アドベンチャー

2009-05-31 13:23:24 | ★★★★★★★★☆☆
監督 ロナルド・ニーム
キャスト ジーン・ハックマン、アーネスト・ボーグナイン、レッド・バトンズ、キャロル・リンレイ、ロディ・マクドウォール、ステラ・スティーヴンス、シェリー・ウィンタース
1972年 アメリカ
ジャンル:パニック、アクション

【あらすじ】
ニューイヤーズ・イブの夜、米国豪華客船ポセイドン号は、様々な人々の人生を乗せてアテネに向かっていた。しかし、その時海底地震が発生し、数分後船は大津波にのまれて転覆、一瞬のうちに数百名の生命を奪う大惨事となった……!

【感想】
この時代のパニック映画には上質のものが多数存在します。私はまだ生まれていないので詳しいことはわかりませんが、ニューシネマが登場した時代という印象が強いだけにこのような古典的題材の大作映画で名作が多数生み出されたという事実には少し意外感があります。
その中でも代表するであろう名作パニック映画が、ポセイドン・アドベンチャーです。

基本的には転覆して沈没しつつあるポセイドン号から脱出する話ですが、以下の2点が非常に特徴的です。

・みんなを助けようとリスクを犯して行動した人から先に死んでいく理不尽さ。
・神を信じて祈り続けることしかできない人間は即座に死が待っており、「神は助けれくれない」とその存在を否定して自ら道を切り開こうとしない限りは活路を見出せないという痛烈な主張。

つまり単に事件によって人がパニック化するだけの映画ではなく、その裏には世の中の理不尽さ、残忍な面、人の弱さと言ったものがしっかりと描かれています。キリスト教徒の多い国でこのような主張をするのはショッキングな内容だったと思います。
また(具体的には書きませんが)主演のジーン・ハックマンが迎えた結末というのもそれまでの流れから考えると当然の結末だったのかなと思います。

人の死があっさりしていたり、女性が下着の露出を隠さないことに違和感があるという批判があるようですが、極限状態であることを考えればそれが現実なのだと思います。

それからよく「タイタニック」とよく比べられますが、安っぽい人間ドラマがない分、映画としての出来自体は文句なしに本作の方が上でしょう。ただし、時代が求めるものにマッチしていたという点では「タイタニック」もあなどれないと思います。

映像に関してはどうしても古臭さが感じられる面がありますが、パニック映画の大傑作ですので、未見の方はぜひ一度はご覧になられてはと思います。35年以上前のパニック映画というハンデがあるにもかかわらずImdbで高評価を維持しているのは相当なことです。

お薦め度:★★★★★★★★☆☆

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