アンナのパパが依然として海外出張中なので、天然ガス問題の取材が出来ないのだけど、この件を彼女に少し聞いてみた。彼女はウクライナのテレビ局、にお勤めしている。
天然ガス問題で怒るプーチン?面白い画像、RIA Novosti からhttp://en.rian.ru/russia/20051231/42809726.html
彼女の意見は、「天然ガス問題でロシアとアメリカを巻き込んで、親露派と親米派の両陣営の利権争いを、政争の道具にしている。」とのことだった。「この問題は、国の経済の問題をウクライナ、ロシア間で政治的に協議することが本筋のはず。」、と言う。そして、その政治について、
「この国の政治家たちは、政治をわかっていないのよ。社会の根幹をなす、経済を考えるのが官僚であり政治家でしょう。本来は国の経済問題は政治の重要な役割の一つであるはず。どちらの側もウクライナの経済、国民のことを考えているわけではないのよ。彼らが経済問題を政治的に考えるとは、自分たちの利権をどう肥やすかということ。」と、て厳しいアンナ。
「大統領、盟友だったティモシェンコ前首相、そして大統領選挙を争ったヤヌコビッチとの相関図はどういうことなの?」
「そもそも、ロスウクルエネルゴ社の株主に、マフィアが関与しているというニュースが流れたけど、誰がマフィアというのか、わたしたち皆知ってる。2004年にこの会社が設立された時に、ティモシェンコは外されてしまったのよ、分け前に与れなかった、あるいは不十分だったのね。彼がごたごたの引き金を引いたことは、間違いないわね。九月に首相を解任され、今はロシアがバックのヤヌコビッチのお友達。この国の人々を支配する原理は、”わたしに何の得があるのか” なのよ。欲しがる者と、それを与えることが出来る者双方に転がり込む利益がなければ、ものごとは成立しないのね。政治的には、そもそもロシアの仕掛けた罠に、ユーシェンコがどっぷり嵌ってるてことかな。」
「ユーシェンコは、今さまざまに揺さぶられてるけど最近、彼の息子がマスコミで話題だよ。たいした会社じゃないところで働いている二十才のこの息子の金回りの良さ、すごいよ。高級車を何台も乗り回して、毎晩ナイトクラブ、ディスコ通いだよ。わたし彼のこと直接知ってるけど、一晩に何本も600ドルのドンペリを飲むのよ。そんなお金どこからくるのよ、異常とはこのことなんだけど。」
「大統領にマスコミが追求しないの?」
「この国ではそのくらいではスキャンダルに値しないようね、大統領がマスコミに話してたけど、” 若いんだから多少の愚行があってもしょうがない、非難するのではなく正しい方向に導いてあげることが必要だ。” と言うんだよ。もっともな話ではあるけど、正しい方向に導く必要があるのは息子じゃなくて、大統領じゃないかしら。」
「アンナは誰が、ウクライナの指導者としてふさわしいと思うの?ヤヌコビッチ?」
「彼はマフィアそのものよ、”わたしに何の得があるのか” をいかに機能させるか良く知悉している人間で、政治的なヒエラルキーを駆け上ってきた人間だわ。わたしは誰も支持したくないし、投票したくない、この国にはそれに値する政治家がいないわね。」
「ウーン、希望を失った人々の国家は頽廃し、衰退するわよ。あなたのような女性こそが人々の指導者となり、お国の初代の女性大統領となったらいかが?」
「そういう時がくるといいね、そうしたら日本には特別優しくしてあげる。日本人男性がウクライナに移住するための特別優遇措置を立法化して。」
「えっ! どうして男性なの?」
「あら、この国の様々な問題の原因は、そもそも男が甘えているからで、なぜそうかと言うと、国民の男女比率が4:6で男が少なくて、さらに、さらにその男のうち、10%はホモなんだから。まともな男は貴重な存在、女がチヤホヤするからわがまま放題で、いい男 Хороший мужчина が育たないのよ。」
「?????」と、わたし。でもウクライナの男女比率がそんなに違うのなら興味がある、チェック入れてみよう。