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ニューヨークとわたしの日々

炎天下インドネシア [6] ジャングルでサテ作り

2009年01月28日 | travel
バリ島奥地のジャングルにあるティンガン村に着きました。2日後に大きなセレモニーがある予定で、今日はそのセレモニーで奉納する「サテリリ Sate Lilit 」を作るのです。サテリリとは、バリ風つくねの串焼きのことで、鶏ひき肉にココナツフレークを混ぜて串焼きにしたもの。

サテリリ作りは男の仕事。セレモニーのためにきっちり1,000本のサテリリを作らなきゃならないのでおおごとです。近所の人が集まって大勢で協力して作業するんだけど、ひき肉を作る機械もないし、まずは庭でバタバタ走り回っている鶏を何羽か見つくろってしめるところから始めるので、容易でない。




▲しめて血抜きした鶏を60度くらいのお湯でゆがくと
手で簡単に羽をむしれる




▲骨を取り除き、内臓、足、肉など部位ごとに分ける
内臓は別種のミンチに、足はお昼のスープになった




▲ミンチにするのは手作業。
鉈(なた)でひたすら叩く、叩く…




▲できたミンチを練ってさらに滑らかに




▲一方、こちらはココナツフレーク作り。
このおじさんは延々とココナツを鉈で割ってた




▲殻から出して洗ったココナツを、また延々とおろす
ココナツフレークは2つのたらい一杯になりました




▲ミンチ肉、ココナツフレーク、サンバル、
サトウキビから作った黒いペースト状の砂糖などで味付けて
混ぜ混ぜ




▲スティックだって手作り。
その辺で竹を取ってきて適当な長さにカットし
こうやって鉈で細く裂いていく 端っこはちゃんと尖らせる
どうやら道具は、鉈とさっきのおろしがねしかないらしい

ワヤンは、私とほとんど年が変わらないというのに、この超原始的な作業の全工程ができる。まったく敬服しちゃう。こういうのどうやってできるようになったの?と聞いたら、サテリリ作りは小さい時からセレモニーのたびにお父さんに習ってやってたからね、ということ。でも、もし今後、精肉機械が導入されたり、既製の串を買って来て使うようになったら、こうした技術は次世代ではきっと廃れていくに違いないのだ。それはもったいないなすぎる、と思うほど、皆さんの手作業は鮮やかでこなれていて、感動した。




▲ようやくタネができたので、串を作ります。
1,000本。まったく気の遠くなる作業。




▲そんな気の遠くなるような作業なんだけど、
皆さんずーっと和やかにお喋りしていて(手は動いてる)
とても和気あいあいとしているので、楽しそう。




▲できた串から、このオールドファッションなかまどで
どんどん揚げていきます
毎日の食事もすべてここで調理。
ティンガン村には、電気もガスも水道も電話も、何にもない




▲できたぁ~▲
手前の赤い小さな串は、血抜きした時の血を固めたもの。
セレモニーで使う。サテの色にも宗教的な意味があって
黒い串、白い串、赤い串を作るのだ


この日集まってた近所の人たちは本当に和やかで優しくていい人ばっかりで、誰ひとり英語が話せないのに一緒にいて心からくつろげた。楽しかった。最初に書いたようにこのサテ作りは男の仕事なんだけど、では女性たちはというと、セレモニーで使う膨大な量のチャナンを作ってた。これがまた、かしましいイブ(奥さん)たちが集まって、お喋りが止まらず超楽しそう、そっちの進捗状況をチェックしたりこっちのサテに戻ってきたり、ホントこの日は楽しかった。

ずいぶん長くなってしまったので、奥さん連中のチャナン作りの様子は次回。