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ニューヨークとわたしの日々

炎天下インドネシア [3] ペジェンの月

2009年01月25日 | travel


▲ 今からみんなでウパチャラに行くの。

12月12日~13日にかけて、Upacara Tumpek Wayang(ウパチャラ・トゥンプッ・ワヤン)という大きなウパチャラがありました。ウパチャラというのはバリ・ヒンドゥーの祭礼、儀式のこと。ウパチャラそのものは毎月あるのですが、今回のは6ヶ月に1回という大きなウパチャラなのです。夕方、お供え物とお祈りセット(上の写真でコミンが持ってるのがそれ。お皿・お線香・花弁を人数分用意します)を持って、バリ・ヒンドゥーの正装でチャンディに向かいます。

ところで、ペジェンと言えば 「ペジェンの月(Fallen Moon of Pejeng)」。ペジェンに有名なものなんて唯一これしかありませんが、私は以前からすごく興味があって一度見に行ってみたかった。で、今回ワヤンの家にお世話になってみたら、「ペジェンの月」はワヤン宅からほんの目と鼻の先、歩いて10分くらいのところにある大きなチャンディの中にあるというのです。なんてラッキー!

ちなみに、「ペジェンの月」とは何かというと、巨大な鋳造の銅製ドラムです。直径が186センチあり、1ピースの鋳造ドラムとしては世界最大のもので、1000年から2000年前の製造と推定されています。




▲「ペジェンの月」 Moon of Pejeng
Pura Penataran Sasih という大きなお寺にある




▲表面は細かな模様が美しく彫刻されています

バリの伝説によると、昔、月が強く輝いていて、泥棒が悪さをすることができないほど明るかったので、1人の泥棒がその光を拡散して弱めようと思い、おしっこをかけた。すると月は爆発して地球に落ちて来て、このドラムになったということらしい。

夕方、私たちが支度をして通りに出てみると、村中の人々がぞろぞろとチャンディに向かって歩いています。







▲バリの正装とお供え物が溢れ、街はとても華やか




▲ウパチャラの様子。司祭がお経を唱え(←マイクで)
全員がお花と線香を使ってお祈り。
その後、司祭がひとりひとりの前に来て聖水を振りかけ
最後にお米を数粒くれるので額と喉にくっつけます
3歳のコミンもすべてのしきたりをマスターしている


バリ・ヒンドゥーにとって大変重要な祭礼に偶然にも巡りあうことができ、しかもそれが憧れの「ペジェンの月」のお寺のウパチャラだったなんて、本当に感激してしまいました。

※「ペジェンの月」を見に行くには…
ガイドブックにはあまり詳しく載っていないようなんですが、見に行きたい場合は、ウブドからタクシーかベモに乗るとよいと思います。「Pura Penataran Sasih」って地元では有名なので、「プゥラ・プナタラン・サシィに行きたい」って言えば確実にチャンディの前で降ろしてもらえるはずです。ウブドからだいたい10分か15分くらいで着きます。ベモというのは乗り合いバンのことで、地元用の小さなバス。買い物中のおばちゃんとか乗ってます。乗り合いなので他の客もいて安全だし、運賃も安いので(Rp3,000~5,000、30~50セント)、ペジェンとか Tampak Siring 方面のベモを見つけたらぜひ乗ってみてください。もし正確な地図を持っていたら、ウブドから散歩がてら歩いて行くこともできます。1時間半くらいはかかりますが。しかも途中で車に轢かれそうになる道が多々ありますのでくれぐれも気をつけてください。