突然、哲学の木が出て来たのには理由があります。高校時代の友人が心臓の人工弁への交換とバイパス手術を受けたのが5月10日でした。何日頃なら見舞いに行けるだろうか、また皆の都合はどうかと言った事を世話役のH君が取り纏め、出掛けたのが6月4日でした。彼は10年程前から人工透析をしていたのが、医師側には厄介な問題だった様ですが、手術の際に挿入した人工呼吸器が声帯を傷つけ、見舞いに行った日には、声が未だ出ない状況でした。
毎日、通って呉れる奥様との一時が、唯一の心の慰めであり、楽しみだと、かすれた声で語っていましたが、パソコンを使える様になったと聞いたので、数分間でも気を紛らわせることが出来ればと、H君と共に、あれこれ話題をメールで送っています。当初は6月初旬には退院と目論んでいたそうですが、入院期間は二ヶ月になっています。
彼は画才があり、日洋展の会員ですが、今年も入院間際に仕上げた「厳冬の瀬音」という100号の作品をしあげています。それで下手ながらも写真を添付したメールを送ったりしていますが、昨日のメールに添付した二枚の写真が初めて「哲学の木」を撮ったものと、最後に撮ったものでした。撮影は2007年7月と2012年10月ですが、残念ながら「哲学の木」は2016年2月に倒木されています。
「厳冬の瀬音」です。
2007年に初めて「哲学の木」を撮りました。青空があったのは、このアングルだけでした。
この日は菊地晴夫先生の指導を受け、夕方「哲学の木」に来ました。2012年10月です。