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地域通貨を始めたい方に(地域通貨千夜一夜物語)

1999.2.14からの経験を基に、コミュニティービジネスとして地域通貨(LETS)導入のお手伝いをします。

復興まちづくり会社と日立製作所と地域通貨LETS

2011-12-29 10:36:24 | Weblog
私の家内も義父も日立製作所に勤務していた。昔の日立製作所はまさに復興まちづくり会社ではなかっただろうか。安い家賃での社宅を用意し、「供給」と呼ばれていた社員家族向けの売店も完備されていた。これらは、戦後の復興期には大変有効に働いていた。1ドル360円の、移民以外に外国に出ていけない時代で、大学出初任給1万円そこそこの状況で、失業対策事業がなされていた時代を乗り切るには、日立製作所方式は正解でありました。現在は社員に持ち家を推奨し、社宅も廃止の方向に動いているし、「供給」も、民間量販店並みになっている。豊かになった段階で解消していくのも自然であろうと考えます。

今被災地では日立製作所方式のまちづくり会社が必要です。企業を呼び込むのではなく、漁業、農業、加工販売業、の事業資格を持った会社を設立して、海外少なくても県外から収益を上げ、「社宅」を用意し、「供給」を開き、介護福祉事業を行う。これらは復興が概成出来た時点では、会社そのものも清算するスケジュールを用意しなければならない。

2011.03.17のこのブログで、習志野市の前身である津田沼町の白鳥義三郎市長が、町で建設部を持ち,重機をもち、技術職員を抱えて、復興事業を直営でやって、地域の建設業の復興に資したことを例に挙げて、復興事業の提案をした。残念ながら取り入れたところは無いですが、現状結果として、被災地は中央大手建設業者の猟場になってしまい、地域の中小建設業は名目的な仕事をするようになってしまった。これでは地域建設業者の地力はつかない。復興事業は地域の建設業の企業体質強化にならなくてはいけないのですが、実際はなっていないと考える。

まちづくり会社は、一見地域の民間事業を抑えるかに見えるけれど、運営の工夫によって将来の地域事業者育成になります。その為には10年後にまちづくり会社を清算出来る形で運営するべきです。株式会社は永遠ではありません。従って10年後に健全に清算できる状況を保つことは、透明性を維持するうえでも必要なことです。毎年の定期株主総会では、以後10年間会社を継続するかどうかを議題にしなければなりません。

資本金は地域の住民から円で集め、配当は地域通貨LETSで行い、収益を以って「供給」では地域通貨LETSで食料品を販売する。地域内の賃金の一部をLETSで受け取ることができるようにすることで、円貨での賃金が低くても生活水準を下げなくて済む情況を造れば、地域の海外、県外への競争力が生じ、企業の誘致にも資することができる。グローバルな大企業は、収益条項の変化によって移転、閉鎖が行われるので、中小企業団地を用意して、タイ等への移転等を計画している中小企業を招致して、地域の雇用の多様性を保つ。

遮二無二収益を追求する株式会社システムと、地域の自給自足を保ち、地域の自立と自律を達成するための、地域通貨LETSのシステムを共存運用させることで、相互補完を全うさせよう。
旧ソ連のコルホーズに似たシステムですが、復興期間は有効に機能するでしょう。話を聞いただけで、「好きなところに住み、好きな仕事をし、好きな趣味を楽しみたい。結いや契約講のように拘束されるのは真っ平。」と言う方もおいでです。それが望むところです。そのように出来る方はそのようになさって、それが出来るようになるまでは、「社宅」と「供給」を利用し、その代わり、まちづくり会社の収益を上げるように努力しようではないですか。
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村山 和彦 murayama@seaple.ne.jp http://www1.seaple.ne.jp/murayama/
ピーナッツクラブ事務局090-4702-8082
ピーナッツクラブ西千葉 http://blog.goo.ne.jp/amigo-kaiho/
東北のまちづくり、村おこしに(株)都市整備 http://www.toshi-seibi.com/
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復興まちづくり会社と地域通貨LETS

2011-12-28 10:57:56 | Weblog
グローバルマーケットでの競争は戦いです。地球は閉鎖空間ですから、麻雀と同じで、富んだ人が居ればその分だけ貧しい人が生じます。戦いに勝つ為には弱い人を攻める方が、効率的ですので、いきおい弱肉強食の世界になります。好嫌の問題ではなく現実です。
冷凍技術、運送技術、情報技術がこれだけ発達してしまったら、グローバルマーケットから逃げ出すことはできません。ロープを張ったリングの上に立たされているのと同じです。リングの上に立ってしまっている以上、勝たなければなりません。相手に繰り出すパンチも大事ですが、自分の弱点をガードもしなくてはなりません。パンチとガードが共に必要です。

パンチがまちづくり会社でガードが地域通貨LETSです。
いま見られる多くのまちづくり会社は、例えばコミュニティーバス運行のように地域内部で完結しています。私の提案はもう少し戦闘的です。この場合戦闘的と言うのはグローバルマーケットにおいては褒め言葉です。少なくても県外、出来たら外国から(何処かで聞いたフレーズです)収益を上げ、今まで自給自足していた食料品を地域通貨LETSで購入できることを保証する組織です。地域内からの収益でまちづくり会社を運用するのは、震災復興には適当ではありません。全住民を株主であり社員とします。復興住宅は社宅とします。10年後には払い下げます。多重債務を負っている方々は、土地は事実上交換置き換えで手に入っても、担保借金はついてきますから、自宅の建設は出来ません。必要とされている社員(住民)に社宅を用意するのは当然です。

東北には多くの歴史的な経験があります。青森のむつ市に転封された会津藩は斗南藩として、明治政府に迫害されながら、アワビやフノリを生産して、朝鮮半島に直接輸出して生活を支えていた。まさにまちづくり会社の模範です。秋田県の由利では、減封(財政縮小)に伴って、堀を埋め、武士のリストラを実行し、武家屋敷を縮小し商家に置き換え、縮小の都市計画を行った。正に今、被災地が直面している急激な人口減による、税収減収の都市計画の先進地です。

南三陸町では、士族の娘を富岡まで徒歩で派遣して紡績を習得させ、利益の薄い繭の販売から、付加価値の高い紡績業を興し、繭をゆでる余熱を利用して発電して、町内にいち早く配電していた。その後東北電力に売電していた。そして生産された生地は卸業者を経由させずに、商社を設立して直接輸出をしていた。まさに戦闘的まちづくり会社の先進地です。

強いパンチと堅いガードを持った、誇り高い地域づくりを、復興を期に成し遂げよう。
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三陸復興と地域通貨

2011-12-27 12:49:43 | Weblog
河北新聞を毎日配信してもらっていますが、復興計画が出来たよという報道を見るたびに、地域通貨を使ってくださいと祈る気持ちになります。
戦災復興を考えれば、物理的な復興は容易いです。しかし基本的に違うのは、戦災復興は多くの国民が被災者でした。食べるに困らない人もいたでしょうが、ごく少数で、食べることができることが恥ずかしい雰囲気さえありました。しかし震災津波原発の直接被害は東北に限定されています。

誤解を怖れずに言うと、マーケットにおける経済活動は、格差を造り出す活動です。商店街の活性化は、近隣の商店街の疲弊を造り出します。経済活動には、格差を生む余地が無ければならない。余地が無いところでの格差の拡大は、社会システムの崩壊さえもたらします。世界はその入口にさしかかっています。諸外国で格差の解消を叫ぶデモが広がっています。

今回の東日本震災によって、経済活動に拠らない生活レベルの格差が生じました。税金であるとか義捐金であるとかでは埋めきれません。これはわが国の経済活動の伸び代を震災に食われてしまったことになります。震災被害に拠る格差の発生は、デモが街に溢れる諸外国並みの事態へ、一歩近づいてしまったと考えます。

経済活動では格差の解消は出来ません。経済活動の統計に出ない品物の流通、サービスの交換によってのみ可能になります。ボランティア、品物の寄贈勿論貴重です。しかしそれだけではなくて、長期にわたる格差の解消のシステムの構築が必要なのです。それがLETSです。
古来三陸から千葉県までで行われていた、契約講のリニューアルが必要です。
今年も御仕舞で、大掃除に30日は一家総出の餅つきにと追い回されていますが、是非新年は復興に関わる方々に、地域通貨LETSでお役にたちたいものです。
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韓国の地域通貨と三陸復興

2011-12-18 11:25:57 | Weblog
外国の方がピーナッツを調べにおいでになります。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、スエーデン、フィンランド、ハンガリー、インドネシア、マレーシア、台湾、中国、韓国と多彩です。ゴトンヨロンがあるせか、インドネシアの人の理解が非常に速かったです。

明日、韓国の東亜日報の記者が取材に来ます。韓国からはテレビ局KBS、CBSや5つの都市から商工会議所、福祉団体がおいでになっています。延べにすると100人ほどになるでしょう。
大変熱心に、日本の若者よりも礼儀正しく勉強され取材します。しかし取材したものが報道されたり、現地で地域通貨が発足したと言うことを聞きません。どうしてなのか不思議です。

ピーナッツは至極日本的に設計し運用しています。イギリスに調査に行って、ピーナッツは日本の人情風土に合わせないと永続しないと考えました。そこで「助けっ放し」の仕組みを造りました。日本の近代化は欧米化でありましたから、国民の価値観も欧米化しています。しかし根底には、良くも悪くも日本の風土人情が身についていることも知っています。契約をベースとした欧米式人情を避け、輪廻をベースにした日本人的義理人情のシステムにピーナッツは意図的に設計してあります。逆に、皆さんに頭で理解して頂く時にこれが障害になっています。

想像では、韓国の方の方が日本人よりも欧米型の人情をもっておいでなのかなと思います。
明日はそのあたりを逆取材してみたいと思っています。

韓国で合計特殊出生率は1983年2.08を切ってから現在まで下がり続けてはいますが、まだ人口は増加中です。すなはち需要は伸びています。日本は既に100年で1/3になる減少勾配に乗っています。需要は年に6%程度継続的に減少しています。不思議でしょうがないのですが、今日のテレビの政治家の政策談義でも、日本の経済成長率は1%そこそこ、2%でもあればと言うようなことを言っている。需要が6%減っているのだから、1%成長していると言うことは7%という、高度成長をしているということです。日本の政治家はここ辺りを誤認していると思う。

話を韓国に戻すと、この違いが地域通貨に対する姿勢に現れているのではないか。地域通貨ピーナッツは人口減、需要の継続的減、経済右肩下がりの時の都市計画、まちづくりのツールとして設計運用しています。従って三陸復興には最適なのですが、韓国にはまだ早いのかもしれない。東亜日報やKBS,CBSが先物買いで来ているとしたら、まさに先見の明です。
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村山 和彦 murayama@seaple.ne.jp http://www1.seaple.ne.jp/murayama/
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復興まちづくり会社で自給自足を地域通貨で

2011-12-17 16:38:00 | Weblog
地域通貨にはいろいろな種類がありますが、この場合、ピーナッツと同じものとします。
農漁村ですから、今まで自給自足していたのですが、農地が冠水し、漁船が流され、コミュニティーが崩壊した為に、トラディショナルな自給自足のシステムが機能しなくなりました。食料品の調達に必要な収入の為の、新たな雇用を創出することは至難の業です。食料品の自給自足を保証するシステムを、構築し維持しなくてはなりません。その主役はまちづくり会社以外にありません。

多重債務者になった被災者は、宅地は既所有の資産と引き換えに手に入るでしょう。しかし担保権等は付帯して移行するので、自宅を建てる融資を受ける能力がありません。賃貸住宅が考えられます。しかし被災地に住宅賃貸業が成立する基盤はありません。住宅はまちづくり会社の社宅として低廉な管理費で入居してもらいましょう。そして10年後には払い下げをしましょう。社宅ですから、当然被災入居者はまちづくり会社の社員でなくてはなりませんし、まちづくり会社で働くことが必要とされていなくてはなりません。当然まちづくり会社には収益事業が必要です。収益源は地域内部に期待は出来ません。地域外、グローバルマーケットから収益を上げなければなりません。まちづくり会社は漁業、農業、加工販売業、を行ってグローバルマーケットから収益をあげて、地域内部には地域通貨で食糧供給、交通サービス、介護福祉事業等を目的事業として行う必要があります。

このまちづくり会社は10年限定で運用するべきと考えます。被災と言う事態を乗り越える為に工夫はするべきですが、緊急体制を何時までも存続させるかどうかは、その都度判断されなければなりません。毎年株主総会で今後10年存続させるかどうか議題にするべきと考えます。どのような大会社でも倒産の可能性があります。まちづくり会社に限っては、株券が紙っぺらになりましたでは済みません。地域の人達の生活がかかっています。自発的に10年後に解散清算が出来る情況を保つ必要があります。同時に10年は運営しなくてはなりません。

地域通貨は、地域をグローバルマーケットから守るシェルターです。シェルターに入っているだけでは、グローバルマーケットでの競争に勝てません。戦う役割はまちづくり会社が分担します。攻守あいまって、地域の自律自立が可能となります。
人口右肩上がり、消費需要も右肩上がりで、冷凍技術、輸送技術、情報技術が未熟の段階では、全てをマーケットに依存しても、自然に経済範囲が限られて、自給自足のシステムが維持できました。去年のインド洋のマグロを、今刺身で食べられて、ニューヨークの株取引、為替取引を日本に居ながらliveで出来てしまう環境では、工夫しないと台所、へそくりまでグローバルマーケットに支配されてしまいます。自給自足は積極的な仕組みを構築しなければ出来ません。それがまちづくり会社による地域通貨運用です。

自給自足は多くの富を生みます。日本の小中学生の基礎学力日本一は秋田県です。その中でも秋田県一は八峰町の学校です。決して経済的に豊かな町ではありません。ここの給食自給率はほぼ70%です。そして給食費の不払いはゼロです。子供の基礎学力は食料の自給自足に支えられます。

東京大学城所先生のご紹介では、日本政策投資銀行の復興地域づくり研究会中間提言では、まちづくり会社の活用を提言されています。もう一歩踏み込んで地域通貨利用を検討して頂きたい。
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福島原発周辺から強制疎開、学童疎開を行うべし

2011-12-16 17:38:46 | Weblog
福島については、まちづくり、都市計画、地域通貨の利用を検討する以前の問題の解決が必要です。除染と言うけれど、あれは消毒ではない、移動させているだけです。減らすことができるのは、梱包して時間の経過を待つ必要があります。福島について、今出来ることは強制疎開、学童疎開だけです。それが完了してから次の対策を考えるべきです。放射線による傷は、遺伝子に及びます。これはすでに一般常識になっている。シーベルとかベクレルとかいうのは、これをどこまで浴びても安全と言うようなガイドを表すものではなく、確率の高さを表わすものです。

昔、ハンセン氏病が遺伝によるものであるとされ、隔離、断種等の誤った悲惨な歴史を造ってしまった。梅毒も胎児に影響するものとして、私も結婚前に梅毒の検査をするのが礼儀であると考えて、披検した。エイズも一時脅威の病であったが、治療法が確立しつつある。しかし放射線による遺伝子の損傷に治療法が、近々に見つかるとは考えにくい。エイズ梅毒等の子孫に影響する性病の検査が、結婚前の通過手順として定着しています。今後生化学技術が発達して、容易に遺伝子の損傷を検出できるようになったら、どのようなことになるのか考えなくてはいけない。想定するべきものから目を放して、想定外であるとしてはならない。結婚しない若者が増えている。それは勝手です。しかし結婚できない人を造ることは許されない。今できることは強制疎開であり学童疎開です。私も疎開っ子です。苦労はあります。しかしやるべきことは、やらなければいけない。今の大人たちが将来の結婚適齢期の人達に、何故疎開させてくれなかったのかと、非難されることがあってはならない。地域の自主性に任せる問題ではない。出来るだけの努力をするべきです。
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三陸広域復興ビジョンと若手都市計画家

2011-12-09 17:28:48 | Weblog
反応が無くて残念だったテーマがもう一つ。

人口が減少するから市街地は狭くなって良い。浸水した市街地を、公園や農地に置き換えるのは解になっていない。減った人口では広大な公園は維持できないし、周辺には耕作放棄や減反の農地が沢山ある。浸水した市街地部分の多くは、江戸時代以降に埋め立てたか、自然に堆積した土地です。自然にか、積極的にか、海に戻すことが必要です。人口が増え住宅地が必要な時は、公有水面埋立法を造って住宅を供給した。人口が減る時には公有水面造成法を用意するべきである。

海洋への下水放流口が沈下してしまったし、人口が減るので下水のシステム維持が出来なくて、集中浄化槽システムで埋設管路ではなく開渠での放流に戻る必要が出てくる。流路での浄化のために春の小川の再生、海辺での自然浄化のために、葦原が生育する干潟を造成する必要がある。その沖にはアサリの養殖場もできるであろう。漁港はその先です。公有水面埋立法は知っていても、その逆が必要になっていることが、実感されていない。人間の生活に関わって、自然を守るとはこういうことだと思う。都市計画家は渚線をまたいだ計画を進めるべきです。

昨日の報道では、宮城県では、漁港市場を集約する。岩手県では全部の漁港を復旧する。被害のあり方が違うので当然対応は違って良いのでしょう。問題はこれからです。青の洞門を掘る心意気が地域にあるかないかが将来を分けるでしょう。地域の期待に都市計画家は応える必要がある。代願屋コンサルタント、太鼓持ちコンサルタントになってはいけない。悔いを残す。
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東日本大震災後の国土計画のありかたと三陸広域復興ビジョン

2011-12-08 13:04:08 | Weblog
標題の東大都市工学科準教授城所先生の発表を都市計画家協会で伺いました。参加者は都市計画専門家の会員20人余でした。
我が意を得たのは、復興にまちづくり会社の役割を提案しておられるところです。先生のビジョンの内容は機会を得て聞いて頂くとして、参加した若い専門家の反応について感想を書きます。

高齢者の性かもしれませんが、不安に思った点がいくつかあります。

先ず、言いにくいことは言わないと言うことで合意が出来ています。横並びなら安心を通り越して、それが正しい行動であると共通認識があるようです。津波被害を受けた市町村27の内相当数の市町村で、10年後に人口が半分になるであろうと言うことには異論が出ませんでした。
人口が半分になれば、都市地域の面積、総生産は半分にならなくてもそれに近くならざるを得ない、と言うことにも異論はありませんでした。専門家ならそうでしょう。しかし現場で「だからこうしましょう。」とは言えないと言う。なぜなら、賑わいも、産業も元に戻しましょうと努力している地元の人達に、水をかけるようなことは言えないと言う。いや、それでも言わなければいけないと言う人は一人も居なかった。これでは心配です。

今日は開戦記念日ですが、あの軍国主義の社会でも、良いと思ったことは敢然と主張し実行した人が居た。吉田首相がイギリス大使であった時の駐在武官であった辰巳中将(敗戦時)は、三国同盟に反対したために冷や飯を食わされていた。それでいて東京爆撃が始まると首都防衛司令官に任命された。彼は独裁的権力を奮っていた東条首相に、学童疎開を主張して40万人の小学生を避難させた。東条首相は逃げるとは敗戦思想であると反対した。しかし実行した。防衛司令官が、守りきれないから逃げてくれとは言いにくいけれど現実を直視していた。このためにどれだけの子供が死なずに済んだか計り知れない。わたしもその一人です。
海軍兵学校では、敗戦前の学生には兵学は教えずに、経済等の敗戦後の復興に役立つ教育を行っていた。そして中曽根元総理を始め、多くの戦後指導者を輩出した。

都市計画は100年の計です。正しいと考えることは、右顧左眄しないで主張し実行しなければならない。気がついて居ながら見過ごすのは、原子力発電技術者の二の舞になる。勇気を持てと言いたい。

もう一つは、被災地では多くの住民は食糧を自給または近所から融通していて、現金で買っていなかった。津波で漁船が流され畑が水没して、全て購入しなくてはならなくなった。食糧購入までの現金収入を得る雇用を新たに創出するのは、どだい無理である。復興に当たっては、地域通貨を利用して、少なくても食糧は事実上無料で手に入るシステムを構築するべきだ。三陸には幸い講が現存するから、それを近代化させるのは、他地域よりも容易である、と主張したら、東大都市工の非常勤講師をしているという若い人から反発があった。講であるとか結いであるとか、がんじがらめになった社会は良くない。自由に仕事を選び、好きなところに住めるような社会が望ましい、と言う。それはその通りだ。多分、現状では大金持ちになれた人だけに可能なことでしょう。皆さん反発もないし暗黙の同感の空気であった。私もその場での反論はしなかった。
自由に好きな仕事を選び、容易に起業し、好きなところに住む、それが出来れば苦労はしない。そんな社会を作り上げるのにはどうしたら良いのか、都市計画家なら答えを用意しなければいけない。

でも、群生する動物である人間には、完全に勝手気ままな生き方は出来ないようになっている。専門家は右肩上がりの癖から、早く脱却しなければと感じました。
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三陸復興若手都市計画家頑張れ

2011-12-07 14:49:13 | Weblog
若い都市計画家と言っても、もはや全ての都市計画家と言っても良い年齢になりました。若い都市計画家が造った復興計画、復興ビジョンを見ると、一点きらっと輝くところがあるのですが、他の部分でフォーカスが甘いのが気になります。

都市計画の分母は人口です。人口ゼロなら都市計画は要りません。三陸のある集落の計画をしようとしたら、先ず人口の設定が出来ていなければなりません。所謂想定ですが、想定外が起きることになっていますから、その準備は必要ですが、想定しないわけにはいきません。しかし原発ではないですが、企業を誘致すれば若者が何%増えると言うような神話想定は駄目です。かって、右肩上がりの時はやりました。近隣の町から何%の集客をするから商業床面積は必要だ。結果として広域では倍にも積み上がっていました。それでも右肩上がりの時は時間が解決していました。今はあからさまに間違いが表面化します。脱神話が必要です。

先日、ロンドンで行ったことがあるテニスクラブに、コートが幾つあったか調べたくてgoogle mapを見ました。世界地図から拡大していくとコート数どころか、コートの中に3人居て、1人クラブハウスから遅れて出てくるところまで見ることが出来ます。

人口も同じです。100年で3倍半になる勢いで増えている世界人口から、10年後に半分になるであろう被災市町村人口まで連続的に俯瞰する必要があります。
驚異的に増え続けている中国、インド。アメリカを除く人口減少に悩む先進国。その中で100年で1/3になる勢いで断トツ人口減少の日本。なかでも三陸は津波が無くても50年で1/3になる市町村が、津波被害の27市町村中16ある。この状況の中で津波があって、多分10年後には1/2になるであろう市町村に、「企業を誘致すれば、観光を活性化すれば、何%の若者が定着する。」と言うような狭い範囲の神話の上に都市計画をしてはならない。少なくても全国の人口配置を想定しなければ、地域の人口の想定はしてはいけない。昔の集客力想定を今都市計画全体でやることになります。
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再び地域通貨ピーナッツとTPP

2011-12-01 10:34:40 | Weblog
久しぶりに学生が論文を書きたいからと西千葉にやってきた。実は敬語が欠落したメールを送ってきたので、不愉快な思いをするかもしれないと、半分覚悟していたのですが、会ってみたら良く勉強していて、質問も的確だし楽しい二時間を過ごしました。

学生の関心の的を聞いて、少し時代が変わってきたのかなと感じました。今までは学生の関心の的は地域の活性化であったり、地域の人の繋がりであったりでした。地域通貨ですからそれは当然ですが、話す方からは、商店街の活性化を売り上げの増進ととらえると、単なる地域エゴに過ぎない、限られた需要を呼び込むことは、近隣の商店街から需要をはぎ取ることになるのだ。もっと広域の、県、国、世界に物事をつなげて考えなさい。それがきちんと繋がっていないと、せっかく始めた地域通貨もポシャルよと説いていました。

昨日の学生は、商学部で貿易論をやっていて、TPPに代表される自由貿易は嫌でも進んでいくだろう、それに対して日本の経済、地域の経済を健全にするには、一つの手法としては地域通貨があるのではないかと思い付いて、地域通貨の勉強を始めた、と言う。
学生の方が、地域の事に熱心な私は、地域の事だけに目が行っていて、地域の産業を保護するためにTPPの協議に参加すること自体反対の立場に居ると思っていたらしい。それがTPP協議に参加して、国益に沿った主張を通すようにしたら良いのだ、先送りしても解決は出来ない、と説明したら意外であったらしい。

TPPに参加したら、国民皆健康保険が崩れると言うが、国民皆健康保険は国民に良いことだけれど、国の負担にはなる。参加各国は等しく国民皆健康保険を導入するべきである。そして国家間のハンデを解消して協議をしよう、とするべきである。
若し皆健康保険を各国はやらないと言うのであれば、そんな国民を犠牲にして金儲けしようとする国とは、対等の協議にならないから脱退して貿易障壁を造る。自国の国民の最低限の幸福を保証してからTPPに出てこい。諸君が日本と対等にTPP協議するには10年早い、と言えばよろしい。各国は日本に参加してほしいのだから、各国の国民の共感を呼びながら、協議を我が方に有利に展開するのが外交だと説明した。学生の考えと方向性は一致していたようだけれど、喧嘩の経験が無い若者には分かりにくいようであった。

グローバルマーケットは無いことにはならない。厳然としてあるのだから、その市場では勝たなければならない。その時一番被害を受けるのは国内の弱い部分である。勤労者、中小企業、小売業、一次産業がそれに当たる。その弱い部分を地域通貨というシェルターに入れなければならない。しかしシェルターに入っているだけでは勝てない。シェルターに弱い部分を入れていることをアドバンテージとしてグローバルマーケットに勝つデザインを地域に施さなければならない。
今至急それが必要とされているのが、三陸です。世界に日本の弱いところはここですと明らかにしている。三陸は被災して裸のまま無防備の状態で、マーケットに押し出されようとしている。これを想定外と言ってはならない。金をつぎ込むだけでは解決しない。地域通貨を内蔵し地域内自給の社会システム構築が必要です。これこそ復興計画でなくてはならない。

TPPについて、議会の論戦にもなっていない論戦、子供の喧嘩の方がましなやりとりを聞いていると、確りしてほしいとこいねがう。
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