日本の上流階級

団地の再生建替えを進めてみて、日本の上流階級はどんなものか分りました。
まず、夫婦健康、親の介護を卒業して、子供たちはそれぞれ結婚して仕事をしている。孫も元気で幼稚園や学校に行っている。そしてローンも返済し年金を受け取ることが出来る。これは自分の状況ですが、まさにこれで十分上流階級であると思います。感じとしては二割に満たないでしょう。その上夫婦でテニスをやって、コーラスやダンスを習うことが出来たら、5％の上流階級に入るでしょう。

残りの八割の世帯は、いろいろな理由で中流、下流の生活を強いられています。
上流であったのに、突然の交通事故あり、息子が勤めていた会社の倒産あり、障害のある家族を支える生活に追われている方あり、家族の病気看護あり。
住宅の建て替えを試みることは、人生の中間決算をすることに似ています。団地再生、住宅の建て替えを希望なさる方のお話を聞くと、無理をするとホームレス製造事業になりかねません。少なくても部分的に生活保護で生活できる道を用意する必要がある。

団地の中の上流階級の方々に是非協力いただきたい。あなた方の近隣の人たちに手を差し伸べてほしい。間違っても、過去の行きがかりや、思想信条を理由に、八割の方々の生活設計を邪魔して欲しくないです。自分は安全地帯に居て、弱いものに石をぶつける、そのような方々を私は卑怯者と蔑みます。
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村山　和彦　murayama@seaple.ne.jp　http://www1.seaple.ne.jp/murayama/
ピーナッツクラブ事務局090－4702－8082
ピーナッツクラブ西千葉　http://blog.goo.ne.jp/amigo-kaiho/
東北のまちづくり、村おこしに（株）都市整備　http://www.toshi-seibi.com/
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住宅団地再生事業

あと一ヵ月半で７５歳、立派な後期高齢者です。仕事上の豊富な経験もありますし、人生経験もそれなりにあります。しかし団地の再生をお手伝いして、これまでにない大きな勉強をさせて頂いています。３５０人近くの方に面談しています。早い段階でまず分ったのは、団地の建替えと認識してはいけないことです。住宅の建替えもしくは再生でなくてはいけないと知りました。

次に、700戸の住宅の半分の方にお目にかかった今感じるのは、住宅とは女の一生なのだと悟りました。男性の一人住まいは少ないです。ほとんどの住宅には女性が住んでいます。この方々が40年の人生を刻んできた空間が住宅です。そしてこれから何十年と人生を刻んでいく女性が居る空間が住宅であることを、多くの女性に面談することで知ることが出来ました。

700人の女性の人生を、本質的に変える力は無いですが、靴磨きのように少し美しくして差し上げられれば良いなと考えています。モーパッサンの女の一生、ローレンスのチャタレー夫人の恋人、たけくらべの美登利に負けず劣らずの歴史が刻まれているし、これから刻まれようとしている。その空間の再生（regeneration）のお手伝いが出来るのは、光栄以外の何物でもない。
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ノウハウは伝わらない

現役のときに、管理職として昇格、昇給、転勤を上申して実現させる権限を持っていました。サラリーマンとしては生殺与奪の権です。これを利して自分のノウハウを部下に伝えようと努力しました。結果は無理であることを知りました。しかし部下は私には持ち得ない、独自のノウハウを身に着けました。今会ってみると、私には及びもつかないノウハウを駆使して仕事をしています。

他人がやっていることを、自分のスキルで完全に理解、判断、評価、学習することは不可能です。他人の技術ノウハウの論評を試みることは、自分の技術の足らなさを世に伝えることになります。決して優れた部分、長所は論評できません。なぜならその部分を理解できるスキルをもっていないからです。
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このようなことなら

でもあまり寂しいから邪魔できないことで、真似されても世の中のためになることを書きましょう。

建替えには皆さんいろいろご希望があります。それを聴取しているのですが、同時に出来るボランティアを伺っています。50種類ぐらいのボランティアが浮かび上がりました。
新しいパソコンを選ぶアドバイザーをやりましょう。初期設定、インターネットの接続をやってあげましょう。簡単な大工仕事をしましょう、着付けをしてあげましょう、子供の一時預かりをしましょう、車のオイルの交換ぐらいしてあげます、病院の送り迎えをしましょう、行政書士は役所に出す書類の下見をしてあげましょう、教員免許を持っているから宿題の面倒を見ましょう、ホームパーティーにピアノを弾きにいきましょう、フラワーアレンジメントをしてあげましょう、買い物代行を引き受けます。
対価はピーナッツ型地域通貨です。

団地再生に伴う保留床処分の売り文句にこれらを表に出します。
この団地には、こんなに心優しく、隣人に手を差し伸べてくれる人が待っています。仲間になりませんか？あなたも何かしてください。
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まあ余計なことを

団地の再生を始めて、いろいろ感想を書くようにしました。ところが中途半端な知識を持っている専門家と自称する人から、邪魔が入るようになりました。地域通貨ピーナッツは、人口減少、すなわちジャンバルジャンの時代の都市計画、まちづくりのツールとして設計したものですから、地域通貨に関心のある方に団地再生についてお話しするのは、本来の形なのですが、邪魔がうっとおしいですし、団地再生のスムーズな進行を妨げないとも限らない状況になってきましたので、今後団地再生については書かないことにしました。

私が一級建築士を取得した年に、ある得意先会社役員の自宅の設計をしました。ご要望について、建築基準法、消防法を丁寧に説明して、ご要望は実現できないことを明快に説明しました。そのときその役員は、非常に寂しそうな顔をして、「技術者が出来ないということをきちんと説明するようになったら、技術者ではなくなったと言う事だよ。」と仰って、以後一度も会って下さいませんでした。50年前のことでした。以来、普通では出来ないことを出来るようにするのが技術者であると、この言葉を肝に銘じて、仕事をしてきました。

私がやっていることを、裏で出来ない出来ないと触れ回っている専門家と称する方々、どうぞ結果をみてください。私はあなた方が出来ないと言っている事を、出来るようにする覚悟でことを進めています。
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