地域通貨を始めたい方に(地域通貨千夜一夜物語)

1999.2.14からの経験を基に、コミュニティービジネスとして地域通貨(LETS)導入のお手伝いをします。

都市計画と地域通貨ー9終

2005-05-25 09:30:24 | Weblog
出雲阿国が歌舞伎を作り出したのもスポンサーが居たからですね。四条河原の小屋がけ芸人、今で言えばダンボールハウスのストリートミュージシャンに衣装を与え、作家や演出家のスタッフをつけ、芝居小屋を建ててサポートをしたのは、分限者でした。
島原の花魁道中は何故行われていたのか。自分が入れ込んでいる売春婦に金襴緞子を着せてパレードさせて、あれは誰それの太夫だと宣伝するのは何のためでしょう。甲斐性の表現であって信用拡大の手段であったと思う。祇園で遊んだり、歌舞伎のスポンサーや、花魁道中をやらなければ一流の旦那とは認められなかった。多分取り引きにも不利に働いたと想像できます。西陣の織物も一部貴族の使途だけでは支えられなかったでしょう。

このような社会制度慣習を作って、権力者から無理無体にでも通貨を貧困な階層に循環させるシステムが無ければ、閉鎖経済社会である平安京、京都は長持ちしなかった。社会の最底辺にあった遊里のしきたりは、権力者から財を環流させるための都市インフラなのです。これを存在させることが都市計画です。桓武天皇が優れた都市計画家であると言う所以です。

日本の歴史上この150年は異常な期間であった。100年で人口が3倍になる社会であった。現在は歴史的には平常に戻り、平安京の時代と同じ人口が増加しない、いや減少する時代になってきた。需要が継続的に拡大する時代は終わり、逆に継続的に縮小する時代になった。都市は、循環型の経済機構を持たないと常に敗者が社会の底辺に呻吟するようになってしまう。財を循環させる都市インフラを整備して循環型都市経済の構築が必要です。これはマーケットでの数理合理的なシステムでは構築できません。

現在の都市計画で、祇園、島原、出雲阿国におけるシステムに代る都市インフラは何か。ボランティアでありコミュニティービジネスでへの参与であると思う。フィランソロフィーと言っても良いです。ボランティア、コミュニティービジネスに金や力を注がない企業、人士の信用は低下させなくてはいけません。
地域通貨がこれからの都市計画の大きなツールであるのは、弱小な場所、マーケットの論理では日の当らない所に基幹通貨(日銀券)を帯同するシステムとして有効だからです。単にボランティア、コミュニティービジネスの対価にだけ利用されるのではなく、地域通貨に連れられて基幹通貨(日銀券)が移動することが肝要です。ピーナッツは荷物に付ける、行き先を示す荷札だと言っています。荷札には価値は無いけれど、価値の有る日銀券の行き先を決めています。ピーナッツを使う人は、昔、祇園で遊び、花魁道中や出雲阿国のスポンサーをやることで都の人たちの尊敬信用を得たのと同様に、尊敬信頼されるでしょう。
地域通貨は、未熟で成長過程にあるものではなく、成熟した大人の近代都市を維持する為の優れたシステムなのです。ピーナッツクラブ西千葉http://p-nishichiba.net/の方々をみると、皆さん人生を楽しむ大人の集団です。
それでは、続きはまた明日。

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