拍手!拍手!
えっ、そうだったの! と驚きながら
そうだそうだと頷きながら、
一気に読んでしまいました。
3日間で3回も読んでしまったのですから、
藤原正彦さん流にいえば、
「物好きにも程がある」 というところでしょうか。
私がビックリしたのは、
第二章 「論理」だけでは世界が破綻する
第三章 自由、平等、民主主義を疑う です。
本の中の文章を引用させていただくと、
「論理を徹底すれば問題が解決できる」という考え方は誤りです。
もちろん民主主義、自由、平等には、それぞれ一冊の本になるほどの美しい論理が通っています。
だから世界は酔ってしまったのです。
論理とか合理を否定してはなりません。これはもちろん重要です。
これまで申しましたのは、「それだけでは人間はやっていけない」ということです。
何かを付加しなければならない。
その付加すべきもの、論理の出発点を正しく選ぶためにひつようなもの、
それが日本人の持つ美しい情緒や形である。
もののあわれなどの美しい情緒、
そして武士道精神から来る慈愛、誠実、惻隠、名誉、卑怯を憎む、などの形です。
現代を荒廃に追い込んでいる自由と平等より、
日本人固有のこれら情緒や形の方が上位にあることを、
日本は世界に示さねばなりません。
(中略)
まず日本人それぞれが情緒と形を身につけることです。
それが国家の品格となります。
品格の高い国に対して、世界は敬意を払い、必ずや真似をしようとします。
それは、文明国が等しく苦悩している荒廃に対する、
ほとんど唯一の解決策と私には思えるのです。
藤原さんのユーモアあふれる文章でのおかげで、
固いテーマにもかかわらず、時に爆笑するはめになります。
「古池や 蛙飛び込む 水の音」
ご存知の芭蕉の句について述べているくだりでは、
ショックでしばらく立ち直れませんでした。
普段なんとなく違和感を持っていたこと、
欧米諸国の大きな態度や、
事故っても絶対謝らない習慣など
なるほどテキの正体は見えたぞと思いました。
私が買った本なのに、息子は先に読んで
「この本は一家に一冊ではなくて、一人一冊持つべきだ」と申しました。
是非一度お手に取ってご覧ください。
「お前はこんなにいいところをたくさん持っているじゃないか」
と誉められていい気分になれます。
息子が膝の上に本を広げて歯を磨いているのを注意したら、
「もうちょっと」などとグダグダ言うので、
「ならぬことはならぬものです」と言ったら、
効果てきめんでした。
おりしも小学校で、
英語の授業を増やすことが決まったようです。
英語やコンピューターの授業など小学生にはいらないと思います。
そんなことより、
詩を暗誦したり、漢字を書いたり、
インターネットではなくて、図書館を利用して調べ物をさせるべきです。
ずいぶん長くなりました。
読んでくださった方、ありがとうございました。
お疲れ様でした。