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仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

お酒の後でⅤ

2008年11月20日 16時30分43秒 | Weblog
 バドワイザーの泡がきれいだった。プリッツをかじりながら、一杯目が終わろうとしていた。イタリアントマトのフロアーは路面より低くなっていた。窓際の隅の席に座っていた。ハルが窓を叩いた。膝をそろえて、腰を落としたハルのオーバーニーの奥の太腿が眩しかった。マサルが気付くとパッと立ち上がり、入り口に向かった。マサルの瞳の残像にハルの太腿の奥が残った。ハルはマサルに向かい合わずに隣に座った。
「駅を降りてからさあ、マーちゃんに会ったらどうしようって、ドキドキしちゃった。」
マサルのバドワイザーを一口飲み、フーと息を吐いた。
「でも大丈夫。マーちゃんは南口はほとんどこないもん。スタジオもないしね。」
「スタジオって?」
「ほら、ケンタの向かいにスーパーマーケットってライブハウスとその下にスタジオがあるでしょ。そこで練習してたの。メンバーが抜けちゃって・・・というか。みんないなくなっちゃって・・・だから、もう、南口のほうはあまり来ないの。でも、なんかドキドキしちゃった。」
「マーちゃん、今、バンドやってないの。」
「うん、やりたいんだと思うけど・・・・マーちゃん、ちょっと変わっているかも。でも、凄かったのよ。新宿のロフトも出たことあるの。マーちゃんのドラムね。凄いノリがあるの。」
ハルの目はマサルを真直ぐ見ていた、キラキラ光るような笑顔とともに。
 マサルは不思議だった。昨日ナンパした。あるいはされた時のハルと今のハルは別人のようだった。変な話、オミズのプロみたいだった。今、目の前で何の屈託もなく話をするハルは少女のようだと思った。しかも、浮気相手の前で、平気でマーちゃんの話をするハル。それでも、昨日の明菜ではなく、ハルは可愛いかった。
 バドワイザーを二本と生ハムのピザ、シザーサラダを追加した。マーちゃんの話は少し影を潜めた。NKの話やジミヘンの話をしているうちにテーブルの上は空のグラスだけになった。マサルがカードで支払いを済ませ、イタトマを出た。茶沢通りから裏道に入った。胸の柔らかさがはっきり解るくらいハルはマサルの右手にしがみついて歩いた。街灯のまばらな裏道を歩きながら、キッスをした。立ち止まって、抱きしめて、舌を入れて、キッスした。楽しかった。マサル自身も自然に反応していた。ハル自身も。部屋はもう直ぐそこなのに、街灯の明りが届かない場所を選んで、キッスした。キッスしながら、ハルはズボンの上から、マサル自身を触った。それに答えるように、マサルはハルのスカートをたくし上げ、パンティーの中に手を入れた。ハルもマサルのジッパーを下げた。自転車のキシム音がして、慌ててジッパーを戻した。マサルも手を抜いて、スカートをととのえた。ハルがマサルにしがみ付く形で歩き始めた。自転車が通り過ぎると、また、キッスをした。