袋小路の男(2004年10月出版)
3つの小説が含まれており、「袋小路の男」「小田切孝の言い分」の2つは、主人公の女性の目からと、次は男性の小田切孝からの目からと書かれていていました。袋小路の男を読んでいる時は、小田切ダメじゃん!とか思ってしまいましたが、小田切孝の言い分を読んだら、そんなにダメなヤツじゃなかったんだなぁ・・・そんなに悪い男じゃないかも・・・って思う様になって。
それにしても、冒頭のシーンは、私が中学校の頃、殆ど同じ様な状況になったことがあって、とっても懐かしかったなー!友達が好きな男子の家を見たいって言って、私もつきあいで一緒に行くことになった。が、袋小路のとどのつまりの場所にあって、通り抜けられない。何の気無しに、そこを用事あって通り過ぎた・・ように出来ない位置でね^^
この小説、現代の「純愛小説」との評価らしいですが、(純愛って言葉がとても苦手で、うすら寒くなってしまう?)な私・・・。これが純愛かどうかは、解らないけれど、10年以上プラトニックながらも、縁が切れることなく、続いているこの2人の関係、全然有り!だと思いました。私には出来ないけれど・・・。
不思議と、こういう才能ある作家さんとか、仕事が出来る・生活力が有る女性の中に、ダメ男に弱い?人がたまにいるような気がする・・・。
どっちかっていうと、私自身がダメ人間なので、ダメ男には惹かれないみたいなんですよ・・・。
ラスト3つ目のお話「アーリオ・オーリオ」は、丁度、前日に読んだ「黄色い目の魚」佐藤多佳子と、少しかぶる内容(中学生の女の子と、30代の叔父さんの交流)を読んだばかりだったのもあって、おお~偶然、また、同じ様な年代同志!と思いました。これも良い話しだった。メールで交流するのが殆どになっている現在、手紙にはタイムラグがある・・・って部分に、とっても共感しました。私もインターネットなるものが出来る前は、よく手紙のやり取りをした人生だったもので。
叔父さんが読んでいる手紙は、女の子が3日前に星を見ながら書いているものなんですよね。当たり前なんだけど、便利になったこの世の中で、3日のタイムラグって、凄く不思議なことになりつつあるんだな~って思いました。
(内容・あらすじ)
第30回川端康成文学賞受賞
指一本触れないまま、「あなた」を想い続けた12年間。<現代の純愛小説>と絶讃された表題作。高校生から1度も報われなくても一人の男=小田切孝を想い続けた十数年。大手企業に勤めるキャリアウーマンの日向子、小田切孝は30歳過ぎた小説家希望の冴えないフリーター。
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ニート (2005/10/29)
5つの短編、「ニート、ベル・エポック、2+1,へたれ、愛なんかいらねー」が含まれています。ベル・エポックが一番ぐっと来た。普通に読み進んでいたらば、最後の「愛なんかいらねー」で驚愕・・・。これは、読書年齢制限を入れた方が良いような・・・。
(あらすじ・内容)出版社 / 著者からの内容紹介
現代人の孤独と寂寥、人間関係の揺らぎを完璧な文体で描いた傑作短篇集。
かけだしの女性作家と、会社を辞め、引きこもりをつづけて困窮を極める青年との淡い関係を描く表題作。大阪の彼女と名古屋の育ての母との間で揺れる東京のホテルマンを描いた「へたれ」他全5篇。気鋭の傑作短篇集。
食事の前後は避けるとか・・。
いや、でも・・・結構多くの人が、似たような経験してるんじゃないかな
私は結構借りてきた本を、そのへんにバラっと置きっぱなしにしてるんですよ。子供に読まれなくて本当に良かった・・・