
最初に読んだのが「となり町戦争」でした。
とても不思議でユニークな発想だなー!!と感心したのですが、肝心のお話の展開がいまひとつ盛り上がらないというか・・・着目点やアイディアは斬新で素晴らしいんだけどお話がちょっと残念だった・・・という印象でした。
中盤からは、役場の女性と主人公の関係がメインになってしまって・・・、その2人の関係も、なんだかつかみどころがないというか・・なんというか・・。
とはいえ、この作家さんの他の本も読んでみよう!と興味が沸く本でした。3つ☆~3つ☆半

となり町戦争 内容(「BOOK」データベースより)
ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。
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次に読んだのが「鼓笛隊の襲来」
短編集だったので、サクサク読みやすかったです。
やっぱり、この三崎さんって人はなかなか個性的で面白い発想の持ち主なんだな~と感じました。


戦後最大級の「鼓笛隊」が日本に上陸する!
台風のような、戦争のような、とってもユニークで面白いお話でした。最後のおばあちゃんと一緒に住んでもいいかな・・ってオチはあまり好きではないけれども(^^ゞ とにかく面白いお話で気に入りました。
「彼女の痕跡展」
目覚めると、現実にはそうじゃないんだろうに、恋人を失っているんじゃないか?とか、・・・なんじゃないか?という気がして・・という、不思議なお話。
「覆面社員」
この時代、多くの人が、覆面をかぶり違う名前を名乗って生活しているのが普通になっている・・・。
ここ数ヶ月、マスクをいつもつけて生活してるせいか・・覆面をかぶったまま・・ってのもあり得るんでは・・?と、ちょっと思ってしまいました。
「象さんすべり台のある街」
郊外の丘陵地の分譲地に引っ越して来た一家。そこの公園に、本物の象がすべり台としてやってきた・・・。年老いた象は、ある事件で人助けをし・・・。
本物の象が!ってのには笑った。そして本物の象とは、絵の様な可愛らしいものではなく、皮膚の感じとかが独特で、子供が喜ばず・・というのも哀しいかな、解る気がしました。
「突起型選択装置(ボタン)」
彼女の背中にボタンがある・・・。
これも面白かった。押すとどうなるのか、とっても気になりました。誰か押す人がいてもいいのにな~。
「欠陥」住宅」
電話連絡できなくなった友人宅を訪れると奥さんが出てきて・・・。
「遠距離・恋愛」
恋人は浮遊する街に仕事で派遣され住んでいて、たまにしか地上に降りてきて会う事が出来ない。
これもユニークだな~!
「校庭」
校庭の真ん中に一軒の家が建っていた。
「同じ夜空を見上げて」
5年前、突然姿を消した列車に乗っていた恋人。知恵の輪が・・。
どれも面白かったけれど、やっぱりタイトル作が一番面白かったかな。象さんのお話も哀愁があって好きだし、遠距離恋愛も設定が面白くて好き。
オチとしては、「校庭」はインパクトがあった。4つ☆
三崎さんって、男性?女性?と、気になって画像を検索してみたら、男性だったのですね。でも一見すると、一瞬女性かな?って間違ってしまいそうな雰囲気も漂っていて、中性的な方でした。


ちなみに本の装丁(表紙や中の方)についてる楽譜は、「はとぽっぽ」の一部分を使ってるそうです(娘が発見しました

私が三崎さんの作品で他に読んでいるのは、「失われた町」と「刻まれた明日」です。
どちらも雰囲気はにていて、町が消滅したり、人が消えてしまったりします。
どちらもおススメです。
三崎さんの作品は非日常的な日常世界のつくりかたが絶妙で、路地を一つ間違えて入れば、すぐそこにありそうな気がします。
三崎さんって、確か・・ダヴィンチっていう雑誌に、小さいコーナーで連載みたいのを載せていて、お名前はよく見ていたのですが、実際に本を読んだのは、これが初めてでした。
表紙とタイトルにソソられて・・・。
でも、内容的には、鼓笛隊の方が面白かったし好みでした。
失われた町や、刻まれた明日も、読んでみますね
わーい!!日月さん、ありがとうございます~。三崎さんって凄いメジャーってわけじゃないみたいで、本を読むブロガーさんでも、みんながみんな誰でも読んでる・・ってわけじゃなさそうで・・・。
そんな中、以前より日月さんも三崎ワールドが好きだったことが解り、ツボがやっぱり似てる処があるのかも!って嬉しくなっちゃいました。
>「勢力を弱めながらマーチングバンドへと転じる」ってセリフにやられました
解ります~!
なんか三崎さんの真面目に、でも滑稽な様な・・・この妙なバランス感覚が好きです。