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「ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ」感想 三上延

2015-10-04 | 小説・漫画他

5巻を読み終わって、割とすぐに6巻が回って来ました。
読んだ感想はというと・・
うーーん・・
5巻はかなり面白かったのだけれど、自分の好みで言うと6巻は、このシリーズの中で最も読み難くて、後味の悪い内容でした。
私の苦手な、登場人物が沢山で、ごちゃごちゃしていて、混同しちゃいそうなストーリー展開。

★以下ネタバレで書いています★



大輔が、大事な本を持ち歩くって・・・、ここはやっぱりちゃんとした場所に預けましょうよ?!
それと、やっぱり違和感を感じるのは、田中敏雄との部分。栞子さんを突き落すなんてことをした人間と、非常に気になる「晩年」がらみの謎解きがあるとはいえ、また交流を持つ・・。大輔、気を抜き過ぎなんじゃないか?と思っていた矢先、やっぱりヤツは大輔に犯罪がらみの行動を。もうダメか?と思ったその時、大輔が自分と田中は血がつながっている親戚だ。将来的に2冊の晩年は、お前の手に渡そう、って、、、オイ!!

で、本作も、古本好きな人達の中に、犯罪を犯したり、本欲しさのために酷い事をする、って事が何度も出て来て、ちょっとげんなり。
久我山尚大とその妻の真里(寝たきりになっているおばあさま)、孫寛子。そして、尚大の愛人の子供が、どうやら智恵子ママっぽい。この血筋の人達は、どうも欲しい本とかになると犯罪もいとわない系の事を平然とやらかす感じですな・・。

そうそう、大輔のおばあさんと田中の祖父の件もハッキリしましたね。
田中の祖父は大輔の祖母との関係を久我山にバラすと脅されて、やむを得なく、先生の「駈込み訴へ」を、バラして少しづつ盗んだ。この事件を解決してくれたのは、栞子さんの祖父の篠川聖司(栞子さんと同様に探偵みたいなことをしていたり、そのお礼の代金を受け取らなかったり、色々と栞子さんと似ている。栞子さんの祖父は久我山の下で10年間ほど働いていた。
その妻(智恵子ママの母。現在は深沢で別の人生を送っている)は、久我山と愛人関係だったのではないかな・・?

その後、久我山は、お金に困っていた田中から、彼が大切にしていたアンカット版の「晩年」をも買い叩いて手に入れた。最初からこれは久我山が狙っていた事だった。しかし、田中は売る時に、ささやかな復讐として、その晩年をカットして、希少価値を落として渡した。

現在寝たきりの久我山の妻真里は、夫が後継者にしか見せないと秘密にしていた蔵書の中にあった、そのアンカットだと思っていた「晩年」が、夫の死後見てみたら、すでにカットされていた事を知る。そして、その後、孫の寛子(盗聴器をしかけたり、かなり悪。栞子さんへの長年の嫉妬心がある)やらSNSやら、色々な手段を使って、栞子さんが持っている「晩年」を手に入れようとたくらんだというわけ。死ぬ前に、カットしながら「晩年」を読みたいという強い願望をかなえるために。

なんだか、この古本屋繋がりの狭い人間達の中で、愛人だの不倫だの実は誰が彼の子供だったとか・・犯罪だのという、ドロドロしているという設定がねえ・・・。なんだか残念に感じてしまったんですよ。
読書好き、古本好きな人同士の集まりって、ほのぼのと良い感じであるにちがいないという、私の思い込みというか、本好きな人に悪人はいないだろうという願いを打ち砕くような、この小説の登場人物とストーリーが悲しいというかね・・・。

そうそう、今まで全然知らずに通り過ぎていた、腰越のあたりで、太宰が投身自殺(最初のなので死なずに済んだ)をしていたことにビックリ。
他にも、知らなかったことや、へぇー!そうなんだ・・・というウンチクがいつもながらに散りばめられていて、そういう処は面白かったです。

それとね、良いんですけど・・・、やっぱりちょっと嬉しくはない・・。
栞子さんの方から大輔にキスするって・・・。うーん、栞子さんにとっての産まれて初めてのキスですよね??? それに「我慢してた」ってセリフもねえ・・。栞子さんっぽくないなあ・・・。まあ、ここはお好みがあると思うので・・・。

あと、1,2巻でお終いだそうですが、たぶん智恵子の背景とか、またドロドロした部分がメインになってきそうですね・・・。
個人的には、栞子さんが謎解きをして行く、楽しいシリーズ(^^ゞの積み重ねと、それと同時進行で、大輔と栞子さんの仲が徐々に深まって行く!という、スタイルが大好きだったので、自分が期待したのとは違う方向に行ってしまって、少々がっかりな気分です(すいません!)

最近「3月のライオン」の11巻を購入したのですけれど、そちらもね・・・。
ひなちゃんちのお父さんが救い様の無い、どうしょうもない男で・・。こちらもドロドロ系が中心で・・・。
もう父関係は良いから、もっと別の部分(将棋仲間関係)を読みたいと思っています・・・。

ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ(三上延) 2014/12/25

「ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~ 」
「ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~」
「ビブリア古書堂の事件手帖2」
「ビブリア古書堂の事件手帖1」

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15 コメント

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Unknown (日月)
2015-10-04 21:57:39
latfaさんも6巻読まれたのですね。
確かに、今回はドロドロな展開でしたね。特に久我山尚大は、過去にしかけた事件がまだまだありそうで、ちょっと恐ろしいです。

意外な犯人像でしたが、あの孫娘が栞子さんを狙ったの、分かる気がします。栞子さんて、傍目からならいいけれど、私は、お近づきになりたくないです(^^;)。

圧倒的な知識と天然な人見知りで美形で巨乳、そして無自覚で男(大輔)に守られてるとこをみたら、そりゃムカつくと思いますよ。

あと2冊で完結するのは寂しいですが、どんな風に物語が収束するのか、楽しみです。
栞子さんの母の探している本がなんなのかもわかればいいのですが…
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Unknown (日月)
2015-10-04 22:04:11
たびたびすみません。
本にまつわるドロドロ劇は、本好きとして顔をしかめる出来事ですが、「ビブリア古書堂の事件手帖」にも登場した「せどり男爵数奇譚」では、本に固執するあまり、犯罪に手をそめたり、フェチズムを感じたりする、ビブリアの登場人物以上にドロドロした人間たちがでてきます。

でも、面白いですよ。
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そうなんだ・・・ (牧場主)
2015-10-04 22:25:46
5巻を読まれたとあったので、私も借りてきて読んだところだったんですね。
でも、6巻、そうなんですか・・・いや、他の人の感想で、6巻は何か予想外で受け入れがたい、ってあったので、5巻読むのをやめていたんですが、うん・・・そうなんですか。
二人の関係もじれったいから良かったのに、確かに、キスをおねだりされてもね・・・
>無自覚で男(大輔)に守られてるとこをみたら、そりゃムカつくと思いますよ
まあぁ・・・フフフ。そうですか。
とにかく、この方々、二人とも古本屋の収入だけで、っていうのが気になってますが、そういう疑問に対してはすっきりするのかしら。
うう~ん、とにかく、6巻、どうしよう・・・


私も「3月のライオン」感想聞こうかと思っていたんですよ! 催促するのもあれかな~って迷ってました。
うう~ん、私、妻子捨男エピソードをあまり読みたくなかったし(半分くらいでいい)、彼に対する零くんの対応が・・・うん、一応高校生でしょ、ときめかないっていうか・・・そこまでリアルを物語に持ち込むなら、ひなちゃんに対する愛情とかを描いてほしいっていうか。とにかく、感動がほしかったなぁ。
ドリームとリアルの配分がこっちのニーズとずれてたっていうか。
人物造形が揺らいで、このキャラこういうこと考えるかな、こういう行動するかな、ってずっと??と戸惑ってました。
じゃあ、性的なことを考えないような清純というか清廉さを彼に背負わせるのは何でなのかな・・・とか、疑問が多かったです。
けど、まあ、予想外で結構楽しめました。
予定調和は求めないです、ハチクロを描いた羽海野さんには。

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日月さん☆ (latifa)
2015-10-05 14:50:11
こんにちは、日月さん
確かに、栞子さんって、実際にいたら、結構同性からは避けられてしまう人かも・・・。(以前、どこかで同じ事を言ったような記憶が・・(^^ゞ)

まあ、でも、いないでしょう?こんな人!
美人で、ほっそりした知的な人って、たいがい貧乳ですよね?(と、決めつける

「せどり男爵数奇譚」
凄い内容なんですねー。
このシリーズを読むと、そこで紹介される本が読みたくなります。
そうは思っても、なかなか結局借りずじまいで、流れ去って行ってしまうんですけれども・・。

「晩年」は、図書館に必ずありそうだし、読みやすそうだから、読んでみようかな?って思っているところです。
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牧場主さん☆ (latifa)
2015-10-05 15:09:23
こんにちは、牧場主さん
やっぱり、世間でも6巻を微妙に思う人が多いんですね・・・。
うーん・・。
牧場主さんも、是非読んでみてくださいまし!どういう感想を持たれるのか、お話聞きたいです。

で、栞子さんと大輔ですが・・・。
だって考えてみてくださいよー?
初キスで自分から行く女子、どれくらいいますかね? しかもあの栞子さんですよ??これ、男性作者の願望としか思えませんよ!(すいません・・言い切りました)

>この方々、二人とも古本屋の収入だけでっていうのが気になってますが
笑ーー!生活、成り立ってるんだろうか・・?って設定の小説やドラマ、割とありますよね。

「3月のライオン」
そうだったのねー 新刊出た事に気がついたのが土曜日だったんですよ!本屋さんに並んでいるのを見て、えーー出てる!ってその場で買ったんです。

なんか、海街ダイヤリーと、若干似た設定になるんだろうか??って焦りました。なんで焦るのか解りませんが(^^ゞ

私も同じです。
「妻子捨男エピソードをあまり読みたくなかったし(半分くらいでいい)」
でもなー、読みながら、もしかしたら羽海野さんが、こういう妻子供捨て身勝手男に何か物申したい!って、のがあったのかしら?って思ったりもして・・。

私は、二階堂をもっと出してよ?って思ってます。全然出て来ないんだもん。それと宗谷さんも!!あの2人の話を読みたいわー。

そうよね、彼に対する零君の対応が、凄く強く出て、びっくり。零君とは思えない・・。

で、ひなちゃんの事だけど、零君本当にひなちゃんの事、好きなのかしら・・・?家族みたいな感じでの好きと、もっと秘め事系的にそそられてしまう系の好きとは、違ったりするし・・。

ラストの感じから、まさか、あかりさんと結婚とか考えてないよね??って思ったりもして。零君、あかりさんの事も大好きだから・・。
いや、そんなわけ無いですよね、私の考え過ぎよね。
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Unknown (苗坊)
2015-10-05 20:35:17
こんばんは。
TBしてカキコするの忘れていたようですごめんなさい^^;
今回は核心に迫っているからかドロドロしていましたよね~
確かに今までとは違いました。
あと2冊くらいで終わっちゃうの寂しいですね。
更にドロドロするんでしょうか^^;
「せどり男爵数奇譚」私も気になります。読んでみたいです。
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すいません、長くなる・・・ (牧場主)
2015-10-06 11:41:29
>あかりさんと結婚

いや~、私は、自分が作者だったら、初期設定で、酔いつぶれていた零くんをお持ち帰りしたのが、あかりさんでしょ、私はそっちが運命的だと思う引力で二人を突き動かしてしまいますね。
あの意地悪な義姉も、年上でしょ、零くんみたいな人は、現実的には、義姉が布団に入ってきたら流されるし、あかりさんがズボン脱がしたら流されると思います。
お前、聖人か! どういう理由でスルーだ!好きっていう好意というか、定義がとっちらかってないか?
たとえ、ひなちゃんの行動や言葉が小さい頃の零くんを救ったとしても、それは宗教的というか、神々しく、手に触れられないもの、という感じにしてしまいます。だから、
>家族みたいな感じでの好きと、もっと秘め事系的にそそられてしまう系の好きとは、違ったりするし・・。
分かるわ、そうよ、大丈夫か、零くん!

でも、今となっては、例えば、あかりさんと林田先生だっけ、とか周りは周りでくっつくと読者としては肩の荷が下りますよね、ハチクロの山田と野宮みたいに。
でも、私も、二階堂とか、とにかく宗谷! を描いてほしい・・・
何て言うか、あかりさんとかひなちゃんとか、そういう市井の人々とは共通言語を取得して、結婚とか家族とか、まあ、どういう形をとってもいいんですが、宗谷は、何て言うか、無酸素状態で月にいる星の王子様っていうか・・・お前しか通行手形持ってないんじゃい! いいのか、高みだけを見つめていなくていいのか、って思います。視界に妻子捨男の入り込む余地あるんかい、って。
まあ、でも、
>もしかしたら羽海野さんが、こういう妻子供捨て身勝手男に何か物申したい!って、のがあったのかしら?って思ったりもして・・。
そうね、前もどうにもならないいじめっこの話とか長かったから・・・
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Unknown (はまかぜ)
2015-10-06 12:41:14
>この血筋の人達は、どうも欲しい本とかになると犯罪もいとわない系の事を平然とやらかす感じですな・・。
これは私も思いました!
手段を選ばず強奪しようとするのが怖いですね
希少価値の高すぎる本に魅せられると狂気になってしまうのかと思います。
露骨な犯罪はしない智恵子も脅迫まがいなことをして欲しい本を手に入れたりもしていますし。

>個人的には、栞子さんが謎解きをして行く、楽しいシリーズ(^^ゞの積み重ねと、それと同時進行で、大輔と栞子さんの仲が徐々に深まって行く!という、スタイルが大好きだったので
たしかにこのスタイルは良かったですね^^
今はかなり殺伐としてきています。
ただ栞子の智恵子へのわだかまりがどう決着するのかは楽しみにしています。
できれば最後はまたこのスタイルのような楽しい終わり方になってほしいと思います。
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苗坊さん☆ (latifa)
2015-10-06 17:45:22
こんにちは、苗坊さん
いえいえ、そんな事全然気にしないで良いですよ!
私なんて、もう、そういう事がしょっちゅうです。

そうなんですよ、、あと1冊か2冊と言われてしまうと、寂しいです・・・。
智恵子ママの事とか、晩年の件とか、色々まだ謎が残っているので、それを中心にして書かれるとなると・・・
やっぱりドロドロしちゃうでしょうね・・。
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牧場主さん☆ (latifa)
2015-10-06 17:56:18
牧場主さん、こんにちは
私も途中まで、零君とあかりさんが、くっつくんだろうなって思っていたんですよ。
牧場主さんがおっしゃるように、零君にはお姉さんタイプの方が合うと思うし。

だから、数巻前に、「ひなちゃんが好き」と意思表示した時は、えー?相手はひなちゃんなのか?!って、実は拍子抜けしていたんですよ。
でも、今回、もしも、あかりさんと!って事になったら、へ・・??そんなにコロコロ変えていいんかぃ!って突っ込みたくなるなあ・・。

やっぱり、あかりさんと林田先生、この2人がまとまるのが無難なのかも。
でもなー、あかりさんが、あの家を出て行かず、今のまま、あの家で妹たちと同居しつづけながら、結婚生活できるとなると、零君がベストだったりするし・・・。

宗谷の事、読みたいですよねー!孤高な天才って、羽海野さんは描くの上手だし。
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