「猫のお告げは樹の下で」「月曜日の抹茶カフェ」青山美智子

猫のお告げは樹の下で

やっぱり青山さん好きだ！って思う良い作品。4つ★半以上

いつものパターンなんだけど、それぞれのお話が素敵なんですよね。心に染みるセリフとか散りばめられていて、こういうお話や言葉や発想が出来る青山さんって凄く出来た人間なんだろうなーと感心してしまいます。

まずは、タラヨウの木
これ今迄知らなかったんです。葉の裏側をひっかくと、インクを使ったように文字が浮き出る。調べてみたら、日本の本州静岡県以西、四国、九州等にある木とのこと。
関東にも植樹されていることがある。とは書かれていたけど、関東や北海道ではレアな木なのね。

★注意　以下全部ネタバレで書いています★

今回全員に共通するのは、とある神社に出入りしている黒と白のハチワレ猫のミクジが、何か書かれたタラヨウの葉っぱを授けて行き、宮司さんから「その“お告げ"を大事にした方が良いですよ」と言われるということ。

最初のお話は、失恋のショックから立ち直れないミハル。
「西向き」のマンションを買った少し苦手なおばの家を訪れる。

おばさん、立派だよー。ケチケチしてるように見えてちゃんと自分の欲しいものにはお金をかけて手に入れてたのね。
この西向きの部屋の良さって、このお話を読むまで気がつかずにいました。確かに南側向きのリビングだとそこがメインになっちゃうものね。西側だと東に別の部屋が設けられるっていうのは確かに。それと夕陽が見れる窓っていうのも素敵だなあ！
あと、走って嫌な事を忘れるって習慣も良いわ。

アイドル好きな中学生の娘と仲良くなりたい父親。
これはちょっと父親が娘にダメダメ言い過ぎかな？と思ったけど。
好きなアイドルのLIVEにお父さんと行くって、ちょっと可哀想かな（ごめんよお父さん）って思ったけど、目立つ中年男性がいたお陰で推しの子から注目されてリアクション受けられるって展開になるとは。

なりたいものが分からない大学生。
こういう大学生って意外と多いんじゃないかな。なんとなく流されて今に至っていて、自分で望んで何かを成した事もなく・・・っていうの。それだけ恵まれて来たとも言えるんだけど。
バイト先で一緒のギター好きの先輩が遂にデビュー出来る様になって良かった！良い先輩だよね。彼の言うポイントって言うのは、自分が徳を成したんじゃなく、ありがとうって人に感謝したくなる事があった時につけてるって、びっくりだった。これ、目からウロコな感じだった。この先輩も、この子もこの先良い事が一杯ありますように。応援したくなる人達でした。

家族をないがしろにしたと後悔する頑固おやじ。
長男の妻が実は子供の頃プラモ屋さんでオヤジに一目置いていたとは。それとドールショップ作成のプロに・・・って、同居しつつ、今迄何も知らずにいたってのは若干無理があるかな？と思ったけど、同じ様な趣味同士でお店も再開出来て良かったね！

転校先でクラスに馴染めない男の子。
これは読んでいて辛かった。苔好きな優しい少年の胸の内や給食が食べられない様子とか。意地悪な子いるよねー、やだやだ。
この保健室の先生は「お探し物は図書室まで」の小町さんの前職の様子ですね。当時からさらっと優しく良い距離感のある人だったのね。
あと、退職しちゃった細い男性の先生。とっても繊細で良い人だったのに悲しい、、、こういうナイーブなタイプだと心を病んでしまったりするのかな。公立の小学校じゃなくて偏差値高い私立の学校や、高校などの先生の方が良いかもしれないなあ・・・。

20年来の夢を諦めるべきか迷う専業主婦。
漫画化になりたかったけど、諦めようとしている。勿体ないよー。こういう人、小説家さんや漫画化さんにもたまにいらっしゃいますよね。
青山さんのお話には、何度かこういう展開が出て来るけど、ラッキーにもみごと採用！とか合格！とかじゃなくて、結果は一度は落ちちゃうんだけど、でもそこを受けたお陰でコネクションが出来て良い感じにこれからなっていく、って風になるのが好きだな。

自分のしたいことに臆病になった占い師。
そっかー占い師って、有名になると個人の依頼は受けなくなる人が多いのね。
学生時代の同級生の男の子と良い感じに最後なって良かったね。

猫のお告げは樹の下で 2018/9/14
青山美智子

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月曜日の抹茶カフェ

失敗した・・。「木曜日にはココアを」よりも先に読んでしまった。
読む順番があったのね・・・。
先にこっちが来ちゃったからなあ・・・。
木曜日～が来て読んだ後、またこちらを再読しようと思います。

ちょっとだけ感想。
睦月から師走まで12編の短編集。月ごとのお話がリレーのように主人公が入れ替わり、少し繋がってるという作り。お話は短めです。　面白かったけど、他の作品ほどはぐっと来なかった。3つ★半（ごめんなさい、青山作品の既に自分のハードル高くなっちゃってます）

★以下ネタバレ★
最初のお話で、ふらっと入ったカフェでたまたまその日抹茶カフェ日で京都から来ていた男性と出会って、それからまた再会したいなあとお互い思っていて、、ラストのお話で再会できて！って漫画か！　嬉しかったし、やったー！って思ったけど　以上

月曜日の抹茶カフェ 2021/9/9　青山 美智子
川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」
その「マーブル・カフェ」が定休日の月曜日に、1度だけ「抹茶カフェ」を開くことに。

ツイていない携帯ショップ店員と愛想のない茶問屋の若旦那、妻を怒らせてしまった夫とランジェリーショップのデザイナー兼店主、恋人に別れを告げたばかりのシンガーと実家の祖母と折り合いが悪い紙芝居師、時代に取り残されたと感じている京都老舗和菓子屋の元女将と自分の名字と同じ名前の京菓子を買いにきたサラリーマン……。

「ただいま神様当番」
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「鎌倉うずまき案内所」