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ネタバレ感想「鎌倉うずまき案内所」青山美智子

2022-04-07 | 小説・漫画他
青山美智子さんの本はこれが初めて。
良い評判をあちこちで見聞きしていましたが、確かに読みやすくて、面白くて、心に染みる様なセリフもあって、文才があるなーと思いました。4つ★~4つ★半

本作は、2019年から1989年までを6年づつさかのぼり、6人の悩める人の短編集です。
登場人物がかぶっていて、あちこちに、あ!あの人がここにいる!という楽しみがありますね。
何度もページを戻って確認しちゃいました。

ただ、迷い込んで出会う二人のおじさんと、所長(巻貝)のシーンが毎回あるのだけれど、個人的にこの巻貝(アンモナイト)の足が一杯あって・・という生で動くフィギュアがちょっと苦手でした。でも、アンモナイトが嫌いってわけじゃなくて、アンモナイトの化石は以前頂いたのを大事に持ってるんですよ。(薄い石の中に入っているやつ)

舞台は鎌倉。場所に馴染みがあるので、読んでいて楽しかった。
あと、その時代時代の、懐かしい名刺や物事が登場するので、それにも60歳目前の私は全部反応出来て嬉しかった。


蚊取り線香、つむじ、巻き寿司、ト音記号、花まる、ソフトクリーム

最初の「蚊取り線香」が特に好きかなー。
雑誌ミモザという本を作っている主人公は、本当は昔からDAPで働きたかったのに・・・と、しぶしぶ働いていて、退職願をいつ提出しようかと思ってる状態。上司でバブル世代の折江さんがちょっと苦手。でも実は折江さん、なかなかいい人だったのよねー。色々感心しちゃったわー。

あと、「ト音記号」 これも印象に残りました。
女子中学生の女の子の揺れ動く気持ち、難しい友人関係。せっかく仲良くなって本当は好きだったのに、友達の手前、そっけない態度を取ってしまって・・。あるよなあー、こういうの。

全部に共通する軸となる人物が黒祖ロイドで、

★以下ネタバレ★
勝手に男性だと思い込んでいたら、まさかの女性(最終章の夢見さん)でした!そして生まれつきの天才ってわけじゃなくて、努力していたことが解ります。この小説、色々な人が登場しますが、みなさんすぐにその筋の著名人になったわけじゃなくて、長年苦労したり努力してきて今があるって感じなので、気持ち良く読めました。

ノギちゃんーアンモナイト好きな中学生の乃木君
ユーチューバーから23才でやり手のIT社長になったヒロチューこと、広中真吾君。
高校時代は、綾子ママ(歯科関係の仕事)が大学進学しないということで気をもんでいた。父は三田村邦彦に似てる元劇団員で40歳でサラリーマンになった
地上げ屋ー電気屋で洗濯機について話した店員の山西さん
古民家カフェ メルティング・ポット オーナーの田町さんと奥さん(短期間滞在したオーストラリア人の女の子が、後にロイドにこのカフェのことを教えて、ロイドはこのカフェに良く来るようになった)
鮎川茂吉 有名な劇作家さん(カフェの壁に貼ってあったシナリオ講座のお知らせ)40歳を超えてなれたのね!良かったー。
桐谷一家(珊瑚、乙姫さん(綾子ママと出産時の病院で一緒で、真吾のつむじを見て「天才かバカか」と言った人の母親人魚(占い師、かつ最終章で登場する文太さんと両想いだったけれど、結ばれなかったマーちゃん) 等々・・・
以上

「なつかしいって感情は、年長者へのご褒美みたいなもの」
「そのつどの全力が起こしてくれるミラクルを信じている」

この本を読んで知ったのは、大正から昭和に変わった時(昭和元年は12月25日からだったので、31日までのわずかな期間だった)昭和の終わりは、昭和64年1月7日までだったので、開始も終わりも7日間だった!ということ。へえー!

鎌倉うずまき案内所 2019年7月 青山美智子
文庫本だと最後に相関図?年表?がついてるそうで、いいなあ
私のはついていませんでした。
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6 コメント

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Unknown (苗坊)
2022-04-07 21:54:17
こんばんは。
6年ごとに時代を遡るという展開が面白かったです。あの時のあの人が!というシーンが何度も登場して、何度前のページを開いたか分かりません。
どのお話も優しくて温かかったです。
latifaさんの登場人物のまとめありがたいです。おかげで思い出しました(笑)
私も単行本を読んだので相関図は見ていないです。文庫本が欲しくなります。
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苗坊さん☆ (latifa)
2022-04-08 17:09:29
苗坊さん、こんにちは!
やっぱり、何度も前のページを戻って読んじゃいますよねー
本屋大賞2位の本も、そういう感じらなのですね。楽しみです。

いやー、最近記憶力が破壊的なんですよ。
自分の為に少し登場人物の事、書き残しておこうと思いまして・・・。

苗坊さんも単行本を読まれたんですね。
文庫本読んだ人が羨ましいですー。
21年去年、文庫本が発行されたそうなので、割と早く文庫化されたのね。
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Unknown (べる)
2022-04-10 21:57:22
latifaさん、こんばんは。
個々のキャラクターがとっても良かったですよね。青山さんの作品は、特におじいさんキャラがいいんですよね~(「ただいま神様当番」の神様とかも可愛いんですよぉ)。双子のおじいさんが、なんとも愛らしかったですよね。
私は摩訶不思議なアンモナイト所長も好きでした(特にしゃべる訳ではなかったと思うけど・・・)。latifaさんは生きてるアンモナイトが苦手だったんですね~。確かに映像を想像するとかなりシュールかも^^;
本屋大賞二位の作品も良かったですが、本好きさんには「お探し物は図書室まで」などもお薦めですよ~。
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べるさん☆ (latifa)
2022-04-11 11:16:13
こんにちは、べるさん
「ただいま神様当番」「お探し物」もだいぶ前から図書館にリクエストしているのですが、まだ回って来ません。
でも、べるさんから上記の様な情報を頂けると、ますます楽しみです!

アンモナイトというか・・シャコとか、ああいう足みたいな部分が一杯ついてる系の物体が苦手なのです。
化石は貝の部分だけなので、問題ないんですけれど・・
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Unknown (わぐま)
2022-04-17 13:19:28
青山さんは大好きなんだけど、この本はファンタジーが濃すぎてダメでした。
内容そのものは好きなんですけどね^^;

あと、私も鎌倉に馴染みがあります♪
以前に住んでましたよ。
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わぐまさん☆ (latifa)
2022-04-17 20:44:33
わぐまさん、こちらにもコメントありがとうございます

私もファンタジーテイストは、あまり好みではない性分なんです。
でも青山さんは、これが初めてだったのです。もしかしたら、他の青山さんの本の方が、より好きかもしれないですね。

うわー!鎌倉に以前住んでいらっしゃったんですか!
いいなあー!憧れちゃいます。
お寺とか洒落たお店とか見どころが一杯ありますよね。
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