ポコアポコヤ

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最近読んだ本「罪の声」「悪と仮面のルール」「勝手にふるえてろ」他

2018-01-07 | 小説・漫画他

罪の声 塩田武士

1984年から1985年にかけて起きた「グリコ・森永事件」を題材に、書かれたフィクション。
「グリコ」が「ギンガ」に、「森永製菓」が「萬堂製菓」へ、「ギン萬事件」と呼ばれていたという設定に変えているものの、事件の具体的な部分は、同じ様です。

京都でテーラーを営む曽根は、亡き父の遺品の中から、カセットテープとノートを発見した。そのカセットテープには、自分の声が入っており、なんとギン萬事件の時に使われた子供の声と同じだった!
自分は、記憶はないが、両親はあの事件にかかわっていたのでは??というのは、凄くソソられたし、興味を引かれる展開でした。

曽根と同時進行で、新聞記者の阿久津が、取材をしに英国まで行ったり、戻って来てからも、ギン萬事件を突き詰めて行き、ネタに辿り着くという流れになっています。

★以下ネタバレ★
ラストは、時効が来ているとはいえ、すべてが明るみに出て、テーラーの曽根も、インタビューを受けたりと、大丈夫なのかな?と心配になるような展開になっていました。
しかしながら、そもそもの、ギン萬事件の犯人とは、複数名いて、その仲間も途中で2つに仲間割れし、もめていたり、別に深い意味もなく、株で儲けようとしていた事とかが推測で描かれています。曽根の父は無関係で、父の兄弟がかかわっていました。今彼は英国に長く暮らしています。
また、今も存命な母が、実は若い時、警察に抱いていた気持ち等も解るんですが、これはどうかと・・・。

そして、この事件にかかわっていた、別の子供の、その後の人生があまりに不幸で不憫で、可哀想過ぎるんですよ。事件にかかわっていた父が殺されると、その後、お姉ちゃんは殺されるわ、母親はひどい目に遭いつつも我慢しているわ・・・。
やくざものの処にいるしかなかった母と息子、いつか一緒に出て行こうと思っていたのに、息子は兄貴分と一緒にある日事務所に火をはなって、逃亡するんです。母を置き去りにしてしまった事をずっと後悔しているんですよね。その後も職を転々とし、ボロボロになりながらやっと生きて来た。
ラストは、この親子が再会できます。お母さんはホームに入っていて、苗字も変わっていましたが、息子がくれた、ギンガのお菓子のおまけの車をいまだにもっていたのでした・・。
以上

分厚いし、沢山人が出て来るし、読みやすい本ではなくて、結構最後まで読むのに苦労しました。
読み応えはあるし、途中までは、凄く面白かったのだけれど、ちょっと犯人が多数いて、ごちゃごちゃ・・って感じがしました・・。

罪の声 2016/8/3 塩田武士


その後映画化され、映画を見た感想は、こちら

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悪と仮面のルール 中村文則


あまり、ハマって読めませんでした。もっと孤独とかダークな黒い悪を読めると思っていたのですが・・・
今まで読んだ中村作品とは、なにか、ちょっと違っていて、期待外れ(ごめんなさい)だったかも・・。
悪の道を生きる様にと、幼い頃から父に言い渡されていた主人公ですが、この主人公、ただひたすら、ある女性が好きで、ずっと彼女にこだわり続けて生きてるだけで、別にそれほど悪人でも無いというか・・・。
小説の内容も、彼女への思いの深さや気持ちが大半を占めていたような・・。
父親とか親類筋に、そういう悪の血筋がある一家なのですが、なんだろうなー、生粋の悪、って感じが漂って来ないのよね。

★以下ネタバレ★
一緒に暮らしていて、中学生ながらも、毎日肉体関係を続けて来た女性に、ブランクをあけて、その後再会するも、整形手術を受けて顔が変わっているため、気が付かれないんですよ。
これは、どうなんでしょうね? 顔は違っても、声とか雰囲気とか体格とかで、解ったりしないのかな?そこまで深い関係だったら。
以上

これ、玉木宏さん主演で映画化されるんですってね・・・。

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勝手にふるえてろ 綿矢 りさ


学生時代片想いをしていたイチと、社会人になってから自分を気に入ってくれたニと。
イチと再会するために、同級生にSNSでなりきって、同窓会を開くために奮闘する主人公に驚きました・・。
これ、バレないんだろうか?
そして、みごと再会し、その時に取り付けた約束で、小人数の飲み会に参加するまでになるも・・・
やっぱり気が合う同士なんだなあ、この2人!って運命を感じさせられる部分があるんですが(2人とも絶滅危惧種の動物に詳しかったり・・) それでも、やっぱりダメなのね?
運動会の最後に、自分を見ていて欲しいと思って、取った行動について覚えていたのにもかかわらず、彼女の名前を知らずにいた・・・。ショックですよね、これ・・・。

★以下ネタバレ★
結局、ニと付き合う事にしたものの、ニの速攻とったアクションに、気持ち悪くて引いてしまうシーン。
その後の、ニへの酷い告白。
ここまでしたら嫌われて絶縁されても当然なのに、今になって、ニが惜しくなるとは。

そこから、今度は自らがニへ接近し、ニもそれでも惹かれる気持ちがある、と言ってくれるんですよ。
みごと、復縁しそうな感じですが、さいさき、どうなることやら・・・。

でも、イチとニの間で揺れる女心、深層心理など、イチの学校での立ち位置や、彼の怯えが人を惹きつける処とか、とても面白かったです。映画化されてるようで、いつか見てみたいな。

そうそう、なんと会社の同僚仲間で心を許していた子が、実は裏で裏切っていた、彼女のプライベートな情報とかを暴露していた、っていうのは、怖いですねー。漫画チックだけど、こんなひどい子いるのね?人間不信になりそう・・。
それにしても、頭に来て、妊娠したって嘘言って会社休むとか、びっくり・・。
以上

勝手にふるえてろ 綿矢りさ 2010-08-27
内容(「BOOK」データベースより)
江藤良香、26歳、OL。中学時代の同級生への片思い以外恋愛経験ナシ。おたく期が長かったせいで現実世界にうまく順応できない不器用な彼女だったが、熱烈に愛してくる彼が出現! 理想と現実、ふたつの恋のはざまで右往左往、揺れ動くヨシカ

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九十歳。何がめでたい 佐藤愛子

普通に面白かったけれど、そこまで共感とか、大笑いとかは、無かったかも。

「いちいちうるせえ」の喝でファン激増
大正12年生まれ、92歳の大作家。その最新エッセイ集が、高年齢層から若年層まで世代を超えた共感を集め、大ヒット中。
エッセイには、動作音が静かになって接近に気付けない自転車、よくわからないスマホ、犬や子供の立てる騒音に苛立つ人たち、いたずら電話など、多彩な事象に憤り、嘆く著者の姿が描かれている。

九十歳。何がめでたい 2016/8/1 佐藤愛子

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5 コメント

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Unknown (苗坊)
2018-01-21 11:45:23
こんにちは。
カキコありがとうございました。
自分のブログ記事を読み返してみて、かなりの拒絶記事にびっくりしました^^;
当時、綿矢さんの作品は自分には合わないなと思っていて、それでもこの作品の主人公が26歳で、ちょうどその時の私の年が26歳だったので共感できるかもと思って読んだのが悪かったんだと思います^^;
とにかく主人公のやることなすことが納得できなくて意味が分からなくて、ダメだったんですよね。今読んだらもう少し俯瞰して読めるかもなぁと思いました。
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苗坊さん★ (latifa)
2018-01-22 09:25:43
苗坊さん、こんにちは
私も経験ありますが、ずいぶん何年か前の自分の書いたものを再読して、びっくり・・・そういうことありますよねー。

>この作品の主人公が26歳で、ちょうどその時の私の年が26歳だったので共感できるかもと思って読んだのが悪かったんだと思います^^;

なまじ共通点が多い人の本って、違和感がより一層感じてしまう、っていうのありますよー。
読む時期によっても変わってきますしね。

でも、読んだその時の素直な感想や印象って、たとえ、あまり面白く読めなかった、というマイナスなものでも、私は大好きですよー。
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Unknown (しずく)
2019-06-30 18:07:11
罪の声
>読み応えはあるし、途中までは、凄く面白かったのだけれど、ちょっと犯人が多数いて、ごちゃごちゃ・・って感じがしました・・。

途中で離脱宣言致しました。最後までたどり着くにはごめんなさいっていう感じだった記憶があります。
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コメントはこちらで良いのでしょうか? (しずく)
2019-06-30 18:17:36
勝手にふるえてろ

原作は読んでません(綿矢さんの小説は1、2冊読んで私には不向きだと思ったから)。
DVDは観ています。感想はこちらに書いています。http://amegasuki3.blog.fc2.com/blog-entry-409.html

先日、NHKの俳句番組にゲスト出演していた綿矢さんを観ましたが、やっぱり苦手かなぁ・・・
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しずくさん☆ (latifa)
2019-06-30 19:07:54
こんばんは、しずくさん
罪の声、確か映画化されるそうで・・・
途中で離脱でしたか。
一気読みするには、かなりキツイ内容・多い登場人物でしたよね。
グリコ事件の事は、印象に強く残っているんですが、結局犯人捕まりませんでしたね。

勝手にふるえてろ
映画、面白かったですよね。
映画の感想を、そちらにTBさせて頂きました♪
明日、ゆっくり、そちらにお邪魔してコメント残します!

綿矢さん、そういえば、私はリアルの普通のインタビューとか、見たことが無いです。
ただ、この小説を読んで、えーー?!そんなの有り??って部分が数か所ありました・・(フィクションとはいえ)
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