芦沢央さんのほんは随分前に「罪の余白」を読んだことがあるだけで本当に久しぶりです。
短編集なので、あまり期待していなかったのですが面白かったです。
でもアイディアとかどんでん返しとかがユニークなだけに、短編にしてしまうには惜しいな、これで長編も読んでみたかったな、と思いました。4つ★
★注意 以下ネタバレで書いています★
『ただ、運が悪かっただけ』
ガンで余命わずかな妻。 夫は何かを長年悔やんでいるみたいだ。
工務店で働いていた時に、自分が持って行った脚立によって、ちょっとウンザリさせられる面倒な常連客のご老人を死なせてしまった・・・と。
でも、その脚立は古くて、どうやら老人が長年疎遠になっていた娘がからんでいる様だ。
自分の人生を生き方を肯定していた老人、宝くじまで当てていた。
娘は父のその運が良いというのは本当か?を試す様にする(脚立のどちら側を使うか?)
『埋め合わせ』
うっかり学校のプールの管理をやらかしてしまった教師の秀則。
なんとかミスを誤魔化せないか?悩みまくり、子供が無邪気に蛇口を開けっ放しにした事にしようと思うのだが、同僚の五木田にたくらみがバレてしまう。
それでもみかたになってくれる様でほっとしていたら、最後に五木田に裏切られる。
なんと彼は競馬ですったお金を自分が犯人になることによって(こういう事故は名前は出ないのを利用)弁償した事に転換させようと思ったらしい。
これは面白かった。想像がつかない展開と、ハラハラドキドキする中盤までの心理と、五木田にバレて行く会話の経緯も。
『忘却』
孤独死した親切な電化製品に詳しかった隣人の死因は熱中症だったらしい。
以前、隣人に来た電気代未払いの督促状が間違って自宅に届いたのをうっかり間違って開けてしまい、認知症の妻に隣人に戻す様にと託していたが、忘れてしまっていて・・・
それで隣人は知らずに亡くなってしまった。
しかし!最後に解るのは、隣人はエアコンの分だけ隣の家の電気を拝借していたのが解る。
『お蔵入り』
これはありがちな内容。せっかく撮った映画が公開目前という時になって、出演俳優が薬物をやっていたことで逮捕間近!
もめている最中、俳優がベランダから落ちて死んでしまう。 スタッフたちで口裏を合わせていたところ、ある女性が警察に証言を。その女性はかつて「肉まん」ネタで話題になった一般人だった。
『ミモザ』
これは怖い。まさか元は素敵だった男性が、ここまで落ちて、こんな怖い事をするようになってしまうとは・・・想像もしてなかっただろうにね。
若い頃、不倫をしていた男性が、今は料理本がベストセラーになり人気者になった自分の処に接近してきた。久しぶりに会った男は仕事も辞め、彫師になっていて、離婚をして生活に困窮している様だった。軽い気持ちであげた(貸した)30万円、その後もしつこく付きまとわれる。
何故自宅が解ったのか? 男がたまたま清掃の仕事を、このマンションでしていて、目撃されたのだった。最後、自宅までおしかけられて部屋にまで入っていたさ中、腐りそうな食材をそっと処分してくれるという優しい夫(これは優しい)が帰宅。 なんとか誤魔化したと思いきや、汚い靴が玄関にあったのを絶対見られたはず・・・。ぞっとする話でした。
「罪の余白」は感想書きそびれてしまいましたが、世間の評判程は楽しめなかったのですが、久しぶりに読んで面白かったので、他の芦沢さんの本もこれから読んでみようと思いました。
芦沢央「汚れた手をそこで拭かない」
短編集なので、あまり期待していなかったのですが面白かったです。
でもアイディアとかどんでん返しとかがユニークなだけに、短編にしてしまうには惜しいな、これで長編も読んでみたかったな、と思いました。4つ★
★注意 以下ネタバレで書いています★
『ただ、運が悪かっただけ』
ガンで余命わずかな妻。 夫は何かを長年悔やんでいるみたいだ。
工務店で働いていた時に、自分が持って行った脚立によって、ちょっとウンザリさせられる面倒な常連客のご老人を死なせてしまった・・・と。
でも、その脚立は古くて、どうやら老人が長年疎遠になっていた娘がからんでいる様だ。
自分の人生を生き方を肯定していた老人、宝くじまで当てていた。
娘は父のその運が良いというのは本当か?を試す様にする(脚立のどちら側を使うか?)
『埋め合わせ』
うっかり学校のプールの管理をやらかしてしまった教師の秀則。
なんとかミスを誤魔化せないか?悩みまくり、子供が無邪気に蛇口を開けっ放しにした事にしようと思うのだが、同僚の五木田にたくらみがバレてしまう。
それでもみかたになってくれる様でほっとしていたら、最後に五木田に裏切られる。
なんと彼は競馬ですったお金を自分が犯人になることによって(こういう事故は名前は出ないのを利用)弁償した事に転換させようと思ったらしい。
これは面白かった。想像がつかない展開と、ハラハラドキドキする中盤までの心理と、五木田にバレて行く会話の経緯も。
『忘却』
孤独死した親切な電化製品に詳しかった隣人の死因は熱中症だったらしい。
以前、隣人に来た電気代未払いの督促状が間違って自宅に届いたのをうっかり間違って開けてしまい、認知症の妻に隣人に戻す様にと託していたが、忘れてしまっていて・・・
それで隣人は知らずに亡くなってしまった。
しかし!最後に解るのは、隣人はエアコンの分だけ隣の家の電気を拝借していたのが解る。
『お蔵入り』
これはありがちな内容。せっかく撮った映画が公開目前という時になって、出演俳優が薬物をやっていたことで逮捕間近!
もめている最中、俳優がベランダから落ちて死んでしまう。 スタッフたちで口裏を合わせていたところ、ある女性が警察に証言を。その女性はかつて「肉まん」ネタで話題になった一般人だった。
『ミモザ』
これは怖い。まさか元は素敵だった男性が、ここまで落ちて、こんな怖い事をするようになってしまうとは・・・想像もしてなかっただろうにね。
若い頃、不倫をしていた男性が、今は料理本がベストセラーになり人気者になった自分の処に接近してきた。久しぶりに会った男は仕事も辞め、彫師になっていて、離婚をして生活に困窮している様だった。軽い気持ちであげた(貸した)30万円、その後もしつこく付きまとわれる。
何故自宅が解ったのか? 男がたまたま清掃の仕事を、このマンションでしていて、目撃されたのだった。最後、自宅までおしかけられて部屋にまで入っていたさ中、腐りそうな食材をそっと処分してくれるという優しい夫(これは優しい)が帰宅。 なんとか誤魔化したと思いきや、汚い靴が玄関にあったのを絶対見られたはず・・・。ぞっとする話でした。
「罪の余白」は感想書きそびれてしまいましたが、世間の評判程は楽しめなかったのですが、久しぶりに読んで面白かったので、他の芦沢さんの本もこれから読んでみようと思いました。
芦沢央「汚れた手をそこで拭かない」
なんともゾワゾワする、感じの悪い物語たちでした。
でも、ちょっと心当たりもあるような・・・って思わせるところが、芦沢さんの上手さだなと思いました。
小市民は小市民らしく、スケール小さく生きて行くのが良いのかもしれません(笑)。
コメントありがとうございます。
芦沢さんは、こういう小市民的な人のちょっとしたきっかけで犯罪に・・っていうお話がお上手なんですね。
もしかしたら自分も・・・と思わせられる様な部分があって、面白かったです。
他の本も読んでみようと思いました。
電気代のやつも隣人のセコさに辟易しましたっけ。身近な犯罪を上手くミステリに落とし込んでいるなぁと感心させられた作品でした。
コメントありがとうございます。
台風接近中ですね。
被害が少ないと良いのですが・・・。
プールのは実際にあった事件からインスピレーションを得て作ったお話なのかな・・・。
私が子供の頃は先生は絶対!な感じでしたが、最近は「先生」を見る目も変わってしまい、まっとうな先生がより大変になってしまった感もありますね。
王様のブランチで紹介したりしてるんですね。以前は毎週本のコーナーを楽しみにしていたのですが、その後そのコーナーの扱いが凄く軽くなってしまって、番組自体見るのを離れてしまっていたんですよ。
ところが見てない内に、また元みたいにちゃんとした風に戻ってるらしいというのに気がついて(気がつくのが遅い)
また見てみようかなー。