
「片眼の猿」2007-02-24
携帯小説だったんですねー。
人を外見でだけ判断したり、ハンディキャップへの差別みたいなことへの道尾さんの優しく強いまなざしは、すごく好きだったんだけれど、内容がいまひとつだったような・・。3つ★ な~んか伊坂幸太郎っぽい感じのする小説でした。
とはいえ、今回もやっぱり騙されました^^
★以下ネタバレ 白文字で書いています★
秋絵が男だったり、アパートのメンバーがみんなそれぞれハンディキャップがあった。鼻がなかったり、車いすだったり、片腕が無い双子だったり、、というのは気がつかなかったです。あと耳と目が普通以上に大きくて、凄い能力があると思いこんでいたのに、実は耳たぶが無いのと目がとても小さかったんですね。でも秋絵がトイレで盗撮され男だったのがバレてしまったというのがショックだったのは解るけど、それで自殺っていうのは・・・う~ん。以上
鳩が好きな理由→オスかメスかは誰も気にしない・・・というのが印象に残りました。
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「シャドウ」

やっぱりまんまと騙されたんですが、でもな~んか内容がそのびっくりさせる展開を先に考えて後から肉づけしたような感じがして・・・。私はオチとか推理サスペンスよりも、内容や人間ドラマに重きを置いてしまう性分なので、こういった小説はあまり好みってわけじゃないかも・・・。3つ★ 道尾作品は最近のものの方が、人間のマイナスの感情にぐっと入り込んだストーリーで好みです。
★以下ネタバレです 白文字で書いています★
まさか洋一郎が精神病を装っているとは全然気がつかなかったです。てっきり亜紀ちゃんに手を出したのは洋一郎かと錯覚。悪人がいかにも良さそうなあの人だったとは・・・。それと精神病の人が犯した殺人などは重い罪には問われないのは知ってましたが、一生出られない様な病棟にずっと閉じこめられるとどこかで聞いて信じ込んでいた私には、1年くらいで普通に暮らせるというのにびっくり・・。事実はそうなのかな・・・。それはちょっと怖いなぁ・・・。
登場する3人の男(洋一郎、亜紀の父、教授)が3人とも差はあれども精神的にまずい経験があった・・っていうのとか、亜紀の母親が自殺するに至る・・というのがなんかなあ・・・。そういえば今まで道尾さんの本を殆ど読んで来て、感じることなんですが、安易に(失礼!)自殺(未遂含め)に走る人が多い様な気がします・・・。
でも、亜紀ちゃんが一番可哀想な気がしました。この後精神的にまともに大人になれるのか不安・・。だって実の母に心中?道連れにされかけ、カッターで切って母だけ目の前で落ちてったってだけでもこれ以上無いくらいのショッキングな出来事だろうに、その上幼い頃に2回も犯されちゃって・・・。父は何やらわけわかんないヤツだし。改心したとかいうけど、なんかなぁ・・・。あと、表紙の絵にもなっている幼児時代のフラッシュバックは、それほど凄い重要なキーワードって程でも無かったような・・。以上
シャドウ 2006-09-30 内容(「MARC」データベースより)
母が亡くなり、父の洋一郎と2人だけの暮らしが始まった数日後、幼馴染の亜紀の母親が自殺した。そして亜紀が交通事故に遭い、洋一郎までもが…。父とのささやかな幸せを願う少年が、苦悩の果てに辿り着いた驚愕の事実とは…?
「月の恋人」「ラットマン」
「カラスの親指」「ソロモンの犬」
光媒の花」
「鬼の跫音」
「龍神の雨」「向日葵の咲かない夏」感想
「球体の蛇」「花と流れ星」
それだけ、この作者に期待をかけてしまうってことかな。
そうなんですよね、つい期待しちゃう作家さんです。東野さんもそうですが、読者の期待のハードルが高くなっちゃうと作家さんも大変ですよね