道尾秀介さんの新作2つ。
「球体の蛇」なかなか面白かったですが、やたら暗いお話でした・・・。
シロアリ駆除という仕事に前から興味があったので、その部分でも楽しめました。(昔、家に蟻が出て、ノイローゼになりかけた経験があるので)
以前読んだ「鬼の跫音」でも隣の部屋から聞こえて来る声・・ってのがあったけれど、今回も同様の部分が2カ所ありましたね~
登場人物の友彦は、うぶな普通の高校生。美少女だが心に闇を抱えていたっぽいサヨ、ナオの姉妹、美しく淋しげな自転車に乗ってる人(智子)など、それぞれがどこか淋しげで謎めいていました。
☆以下ネタバレです 白文字で書いています☆ナオが友彦にうち明けてくれた「サヨがテントで花火に火をつけたから火事になってしまった」事と、「智子が自殺した」という話は、本当だったのだろうか・・?もしそれが友彦を思っての嘘だった場合・・・を考えると・・・と考えさせられるラストになっていましたね。こういう含みをもたせたラストは好きです。ただ、智子があの日キャンプ場にいて、タバコのポイ捨てをしてというのは、ちょっと偶然すぎるかな~とも思ったけれど。
あと、後半までは智子が火をつけて逃げたのかも・・と思って読んでいたのですが、智子は何もしておらず、彼女は友彦が火をつけてくれた・・と思っていた→友彦がやったことが露見してしまうのを恐れて、乙太郎に身を投げ出した・・という経緯も切なかったです。
で、私は乙太郎さんが可哀想になってしまった。 奥さんとサヨを亡くして、その後息子の様にかわいがっていた友彦とも距離が出来てしまうなんてね・・。智子と乙太郎が・・。乙太郎さんの醜い、生々しい姿を目撃してしまって以後、それまで何年にも渡って築き上げていた2人の良い関係が一瞬にしてガラガラと崩れてしまって・・。とはいえ、乙太郎の望み通りに、友彦とナオはその後結婚したんですね。
以上
自分が子供の頃、この世は子供と大人で出来てると思っていたのに、男と女がいる・・という事が解って・・・というのは、解るな~と思いました。
星の王子様とからめて書いている部分が色々あって、呑み助とか、ウワバミ(ゾウを丸ごと呑み込んだ蛇) by星の王子さまのイラスト
とか・・。また星の王子様を読みなおしたい気持ちにもなりました。
暗かったけど、面白かったので、4つ☆~4つ☆半
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「花と流れ星」
『背の眼』、『骸の爪』の探偵役・真備庄介とその助手北見凛、そして真備
の旧友である、ホラー作家・道尾の活躍が描かれる、シリーズ初の短編集
とのことですが、残念ながら、その2作品を読んでおらず・・・。
だからかなあ・・・、今まで読んだ道尾さんの暗くてじとっとした雰囲気が無く、珍しく明るく、ちょっとコミカルな部分があるお話に、逆に物足りなさを感じてしまったという・・
他の作品を読んでから、読むべきだった!!失敗
幾つかの短編が含まれていて、真備さん、凛、道尾(ホラー作家とのことですが、ご本人なのかな?)。この3名のやりとりなんかが、ちょっとゆる~い感じで、ほのぼのと書かれています。読んだのは3ヶ月ほど前なのですが、かなりもう忘れてしまっていることに呆然!! 「流れ星のつくり方」が良かったです。3つ☆
花と流れ星(2009-08)
(内容)死んだ妻に会いたくて、霊現象探求所を構えている真備。その助手の凛。凛にほのかな思いをよせる、売れないホラー作家の道尾。三人のもとに、今日も、傷ついた心を持った人たちがふらりと訪れる。友人の両親を殺した犯人を見つけたい少年。拾った仔猫を殺してしまった少女。自分のせいで孫を亡くした老人…。彼らには、誰にも打ち明けられない秘密があった。
道尾秀介
「鬼の跫音」
「龍神の雨」「向日葵の咲かない夏」感想
「球体の蛇」全体的に暗かったですね。
読んでから、スノードームをみるとこの話を思い出します。
そして「花と流れ星」私も前2作を読んでいなかったので、読んでから読めばよかったって思いました。
そして本年もよろしくお願いします。
「背の眼」は、おもいっきり京極堂でした(笑)
でもシリーズの中では一番面白かったです。
それと最近のシリーズ外はハズレなしですよね。
この人は長編向きだと思います。
そうでしたね、スノードームが何度も登場してきましたね。中に入っている側と、外から見ている側とで比較していた文章が印象に残りました。
ななさんも、花と~、の方を先に読んじゃったのですね。同じだわ~
こちらこそ、昨年同様、今年もどうぞよろしくお願い致します!
>「背の眼」は、おもいっきり京極堂でした
でもシリーズの中では一番面白かったです。
そうですか!京極さんの本は実はまだ一冊も読んだことが無いのです。非常に参考になります。今度道尾さんを読むとしたら、コレにします。
今年もどうぞよろしくお願いします。
『球体の蛇』今回は直木賞残念でしたね~。まだ読めていないので、白文字反転のところは我慢我慢。ああ、早く読みたいな~。
『花と流れ星』は、やっぱりシリーズを読んでいないと辛いですよね。読んでいたのでそれなりに楽しめましたが、このシリーズはやっぱり長編で読みたいなという思いが強いです。長編は、latifaさんのお好きな暗くてじとっとした雰囲気がありますよ♪
いえいえ、こちらこそ、また今年もどうぞよろしくお願いします!
直木賞、2人でしたね~。白石さんの本は2冊ほど読んだことがあるのですが、どうも相性があんまり良くないみたいで・・・。でも表紙のイラストは、ん~~なんだっけ・・・ちょっと忘れてしまいましたが、パウロ・コエーリョさん?アルケミストの・・。あの方の表紙のイラストをよく担当されいる方で、良い感じだな~って思いました。
で、そうっか~!エビノートさんは、シリーズを読まれていたのですね。それならば、花と流れ星も楽しめたことでしょう
小説にも、ひそかに読むと良い順番・・みたいのがあったりしますよね。