道尾秀介 「月の恋人」「ラットマン」感想

「月の恋人」
ドラマは未見でしたが（正確には１話の途中まで見て挫折）本だけ読んでみようかな・・と手にとりました。
道尾秀介さんがシナリオを書いているとのことですが、本のあとがきにもあったように、凄く色々な制限や注文をつけられて苦心しながら何とか書いたんだろうなあ・・・というのを感じる内容でした。
面白くないわけじゃないけれど、まあ普通な小説というか・・・。普通に面白く読みましたが、多分２ヶ月位したら殆ど忘れてしまうかも・・・汗　３つ★

多分、まず最初に美貌の中国人モデルシュウメイ役は、「レッドクリフ」のリー・チンリーさんのイメージで、冷徹にビジネスを成功させる青年社長・葉月蓮介はキムタクってことで、舞台は上海ってことで、よろしく。って言われちゃったんじゃないかなあ・・・。
本を読み終わってからドラマのサイトでキャスティングや内容を見たところ、小説とは随分違っていてびっくり・・・。

月の恋人―Moon Lovers 道尾 秀介 2010-05
青年社長・蓮介が、夜の上海で巡り合った女。フジテレビ月9ドラマのために書下ろした
・・・・・・・・・・・・・・・
「ラットマン」

道尾さんお得意の「思いこみ」によるトリックというかオチ。こういうの好きです。
昔と現在の事件のリンクや共通点など、よく練られた内容だなあ・・と感心しました。面白かったです。４つ★～４つ★半

ラットマンとは心理学では有名なイラストのことで一つの絵が見方によってはネズミにみえたり、おじさんの顔に見えたりという視覚的な錯覚の事。 途中にその絵があって、なるほど・・と納得してしまいます。

★以下ネタバレ　白文字で書いています★
姉は父にいたずらされて勘違いしてましたが、本当は血のつながらない母が虐待していたんですね・・。母の腕についていた赤い絵の具を血と勘違いし、母を父はかばうつもりで、そして現在の事件でも同様に勘違いとかばうために、というのが同じでしたね・・・。
それにしても１２年だっけか・・・？そんなに長く交際している最中、バンドのメンバーに参加した妹に会ってから心変わりして２年・・という設定が、なんだか姉が気の毒に感じてしまう処も・・・。で、その最後の２年の間、姉がわざと妹に恋人とのあれこれを詳細に話して聞かせるなんて・・・姉妹ってそういうあけすけなこと話したりするんだろうか？！以上

2008-01-22 結成14年のアマチュアロックバンドが練習中のスタジオで遭遇した不可解な事件。浮かび上がるメンバーの過去と現在、そして・・・

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