


ブロガーのお友達「ひとりある記」の、みのりさんから、この2冊の紹介を受けて読んでみました


「あおい」(2004/05)
26才スナック勤務の「あたし」と、4才年下の学生の風間くん。同棲生活中だけど・・・。
風間くんと出会ったきっかけというのが、本当は先輩が気に入ってる人だったんですよね・・・。それを、横からかっさらってしまう結果になっちゃうんだけど・・・。そういう行動に出ちゃう流れ?みたいのが、共感は出来ないけれど、100%解らない!って訳でもなく、その辺の心理描写とか上手いな~と思いました。
一番印象に残った登場人物は、書店勤務で辞書マニアの体格の良い友達、みぃちゃん。いつか本を書く時の為に、沢山語彙の知識を溜め込んでいる・・らしい。
でも、ふと考えてみると、この次に読んだ「さくら」のお母さんと、みぃちゃんとでは、似た部分があるんですよね。元々は美しく痩せていたが、心に傷が出来てから過食になって、巨漢になってしまったって部分が。
あたしと、みぃちゃんは2人とも、昔、ある経験をしているって部分があって、そこは読んでいて辛かったな・・・。それが後の人生にまで大きい影響を与えちゃう・・。
西加奈子さんのデビュー作だそう。関西弁の響きが、柔らかくてとても良い感じでした。
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「さくら」 (2005/02)
前半の幸せな一家の描写の部分と、後半の展開・・・(T_T) 元来、ひとくせある家族ものの話は好きなので、この小説も面白くサクサク読めました。
ちなみに、タイトルの「サクラ」とはいつも側にいて、家族と一緒に過ごして来ている犬の名前。
ただ、この一家は、美しい母と結構カッコイイ父、飛び抜けて秀麗な外貌と何でも出来ちゃうヒーローな兄、そして、がんばらなくてもそこそこ勉強も運動も出来る長身のそこそこモテる主人公、(この2人兄弟が、まだローティーンだというのに、恋人がいて、なんとH方面も充実してる??という嘘みたいな状態(^^;)、そして2人が可愛がって来た、すごく美しい妹、・・というそうそうたる凄いメンバーなんですよ・・。私は、何でも出来ちゃうとか、秀才かつ外見も完璧とか、そういうキャラクターよりも、出来が悪い人や、ダメな人に愛情が湧く性分なので、どこか感情移入し難かったかも(^^;)
★ネタバレです 文字反転して下さい★
あと、お兄ちゃんが、自殺してしまうというこの小説の展開が、残念過ぎるというか、イヤだったというか・・・。レズビアンのこと、ブラコンな妹、引きこもり、アルコール依存、過食など、色々なことが一杯詰まっている。一番驚いた処は、妹のミキが、お兄さんの彼女からの膨大な手紙の数々を、ずっとランドセルに隠していたことでした。
多分、読者の殆どの方は、好印象に感じたであろう、お母さんが子供達に語る「アレ行為」についての説明部分も、私が変なんだと思いますが、なんだか恥ずかしい様な何というか・・・。
西さんの作品の雰囲気が好きです。
関西弁から、あたたかさがにじみ出ているような気がします。
『さくら』でお母さんが語るアレについては、私も恥ずかしい~と内心で思いながら読んでましたよ。
子どもにきちんと伝えるのは大事なことだとは思うんですけどね…。
早速読んで頂いて...私が伝えたかった事もほとんど書いて頂いて...。
嬉しいです。
やっぱLatifaさんに紹介して良かった~と思いました。
私も西加奈子さんの関西弁の語り口(?)すごく好きなんです。
西さんの小説って全体的に柔らかくて優しい感じが
するんですけど、その中にひどく残酷な部分や目を
逸らしたい部分も多いですよね。
お兄ちゃんの最期の時、あの場面を想像するだけで
胸にぐっと剣をつかれたような気分になってしまいます。
あと...もう一人オススメの作家さんなんですけど、
栗田有起さんってご存知ですか?
『オテルモル』と『マルコの夢』面白かったです。
『マルコの夢』なんか読んでて何回笑ったことか。
笑いのツボというか何かにハマるツボが同じような気がします。
長々と書いてしまってすみません。
実は私もLatifaさんがココで紹介されている本、こっそり
借りて読んでるんです。
Latifaさんのオススメの本、またいっぱい教えてくださいね~
西さんの書く関西弁って、良いですよねー。私もとても好きです。
西さんのプロフィールを読んでびっくり! イラン産まれで、エジプトに子供の頃住んでいたとか。
>『さくら』でお母さんが語るアレについては、私も恥ずかしい~と内心で思いながら読んでましたよ。
子どもにきちんと伝えるのは大事なことだとは思うんですけどね…。
わっ・・・エビノートさんも恥ずかしい・・って内心思われてた一人なのですね~(*^_^*) なんだかほっとするやら、嬉しいやら・・・
確かに、大人がそういうのをコソコソ赤面してちゃイカンと思うし、子供にちゃんと恥ずかしがらずに説明せねばイカンとも思うんですが・・・、でもやっぱり、ちょっと私的には、このお母さんの説明は、ウギャッ・・と思ってしまいました・・・
いや~~、私こそ、すごく嬉しかったです。どんどん、色々紹介して下さいー。
どうも同じ作家さんのばかり読んでしまうクセがあるので、何か無いと、新しい作家さんに手が伸びないんです。自分に合うか、合わないかは、解らないけれども、そうやって誰かから紹介されて読むってのは、とても好きなんです
西加奈子さんの関西弁の語り口、私も好きでした~。柔らかい感じでね。読み終わった後、なんか自分も移ってしまって、一瞬関西弁になっちゃいそうな位^^
>西さんの小説って全体的に柔らかくて優しい感じが
するんですけど、その中にひどく残酷な部分や目を
逸らしたい部分も多いですよね。
うん、うん。そういうの結構好きです。優しいだけじゃなくて、ちょっとした毒があるみたいの・・・。
>栗田有起さん
知らなかったです!さっそくネットで図書館の在庫を調べたら、『オテルモル』がありました。残念ながら、『マルコの夢』は無かったのだけれど、さっそく、読んでみますね~~
それにここまで理想の家族なんだと語られちゃうと、「けっ」っと思ってしまったりして。
ひねくれてます・・。
あの母親の語り!こっ恥ずかしく感じていたのが私だけじゃなかったというのがわかって、安心しました。
わっ^^ juneさんも、愛すべきダメキャラの方がお好きですね、うふふ~~
そうなんですよね・・・。前半の理想の家族像が、どうも現実離れし過ぎていて、どうも読んでいる私の側は、素直になれずに、すごいねぇ~ふ~ん・・・って風に思ってしまう部分も・・・
その分、後半の崩れ方が、辛かったです。
あの母親の語りについても、juneさんも同じだったなんて、ほっとしました~~