
表題作のほか、「いたちなく」(新潮7月号掲載)、「ゆきの宿」(書き下ろし)の全3篇。
最近ボケが酷く、わずか1年前に読んだ本なのに、自分のブログの記事を読んでもストーリーが思い出せないという、非常に危機的状況なので、それを少しでも防止、後からどんな話だったっけ?って時に思い出しやすい様に、おおざっぱなネタバレ概要内容をこれから書いてみようか・・・と思っています。
ネタバレしていますので、注意です!
「穴」
主人公の松浦あさひ、夫の名前は宗明。以前は共働きだったが、夫の転勤先が夫の実家の近くになり、実家のお母さんから、借家がちょうど空いたので無料で住んでもいいよ?と言われたので引っ越して来た。
それ以来、専業主婦なのだが、今までの多忙で夕食もまともに作れなかった日々の反動で、時間を持て余している。
ある日、働く姑から頼まれた用事で、コンビニに行く途中の川原の草原で、謎の黒い獣に遭遇、かつ穴に落ちてしまう。
またある日、以前コンビニで子供たちにからまれていた時に、助けてくれた謎の男性が、夫の兄で、家の裏の隅にある物置小屋に20年以上住んでいる事を知る。
姑は夫と、水撒きを日課にしている祖父と暮らしており、ある日祖父が家を抜け出したのを彼女と謎の長男とで追ったら、祖父が穴に入ったのだった。その後祖父は風邪から肺炎になりぽっくり亡くなる。その葬儀で、この土地の風習(花は一本)などを知る。
葬儀の日、謎の長男に声をかけようと物置をノックしてあけてみたが、そこに人が住んでいる形跡はなかったようだ。
そして川原で遊ぶ沢山の子供たちや、たくさんあった穴、しかしそれも彼女の幻想だったのかもしれない・・。
最後、彼女はコンビニでバイトを始めることにしたようだ。制服を着た姿は姑に似ている気がした。
結構共感出来る部分が色々あったせいか、面白かったです。
現実的な、女性が結婚して嫁いだ先の、新しい家族や、その土地柄についてと、幻想的な獣や穴などの部分とミックスされているお話でした。
30代以上の主婦の方が読むと良いかも。「穴」もですが「いたちなく」が短編なのに、ピリッと来て印象に残りました。トータル4つ★
「いたちなく」
イタチが天井に棲みついて困るご夫婦に、駆除方法を教えるという話。
本当にこういう方法がありそうで、ざわっと来ますね。
母イタチを捕まえて、家の庭で、水ぜめにして殺すんです。その断末魔の声で、イタチの家族や親せきは、この家に出ると、こうなるよ、来ちゃいけないというのを学び、以後その家にはでなくなる、という。
「ゆきの宿」
いたちなく、と同じメンバーのお話。年の離れたご夫婦に赤ちゃんが産まれたのを見に行くも、雪がひどく帰宅できず、泊めてもらうことになる。水槽にいるアロワナが飛び出して上に乗るという夢を見る夫、また不妊だった妻は、赤ちゃんを授かったばかりの様子だ。隣の家に住むおばあさんが、なぜか第六感?で、それを告げるのだった。
穴 小山田 浩子 (2014/1/24)
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