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ネタバレ感想 小説「私をくいとめて」綿矢りさ

2020-10-23 | 小説・漫画他

2017年の映画「勝手にふるえてろ」大九明子監督が、今度は「私をくいとめて」を、のん(能年ちゃん)と林遣都君で映画化すると聞いて、興味が湧いて綿矢りさの原作を読んでみました。

図書館に本を取りに行って、表紙にビックリ!
わたせせいぞうさんでした。でも、このイラストと小説のヒロインみつこは全然違った雰囲気、イメージなのだけれど 笑
小説の中で大瀧詠一の「ア・ロング・バケーション」の歌が結構出て来たり、綿矢さんはリアルタイムじゃ絶対知らないですよね? 朝日新聞の連載小説だったそうです。

本作の内容はというと、自分の中のAという別人格がいて、おしゃべりというか、独り言というか・・・困った時にアドバイスをくれたり、応援してくれたりしているお話。
普通自分の中のもう一人の人格って同性だと思っていたら、本作は異性の男だったので、ちょっと目新しかったかも。

同じ原作者綿矢さんの「勝手にふるえてろ」と少し雰囲気が似ていて、でも本作は主人公が嫌な子じゃなくて、まっとうな子だったので、楽しく読む事が出来ました。
彼女に共感する人も多いんじゃないかな。

映画の方は、あまちゃん以来、のんと久しぶりの橋本愛さんとの共演だとのこと。
ただ、橋本さんが演じるのはみつこの友達でイタリアに結婚して住んでいる子。
そんなに重要な役柄ではないかも。
小説ではイタリア滞在旅行シーンが、私的にはちょっと長すぎる感もあったけれど・・。

それより、脇役ながらもエキセントリックというか、印象に残るのが、ノゾミさんという会社のちょっと年上の女性と、彼女が好きなイケメンだけど内面に問題がある?カーター。
この2人がヘンテコだけど、凹凸で、なんだかんだで、うまいこと行きそうな感じなのが可笑しい。

みつこと多田君の関係が自然で良かったなあ。
多田君は会社に出入りしている取引先の社員さんで、偶然2人は家が近所だったのが解って、それ以後、月に1回位みつこの手料理を多田君がもらいに来るんだけど、部屋には上がらず。
みつこは2種類のおかずを用意してるのに、2つお皿を持って来るのはずうずうしいと思ってか、いつもお皿は1つしか持って来ない多田君。手土産にブドウとか高級なチョコとかをくれたり、なかなかに気を遣う良い子なのよねー。

★以下ネタバレ★
その後、遂にお家に上がってもらうんだけど、特にその日は進展するわけじゃなかった。その後のノゾミさんへの報告等を聞いていると、ダメなのかな・・・このまま友達止まりなのかなあ、と思ったのだけれど、
でも、クリスマスの後、この前のお礼に、食事でも・・・と誘ってくれてディナー、そしてダブルデートでディズニーランドへ行き、つきあってみない?って告白されるのよねー!!やった!!!
付き合った後も久しぶりの恋愛ってことで、みつこがやっぱりだめかな・・とか、ウダウダしちゃうんだけど、Aが励ましてくれたりして、多田君も良い子だから、結局上手く行きそうってところでハッピーエンド。とても後味良かったですよ。
ドラマチックじゃなくて、段々と親しくなって行くのが丁寧に描かれていて、微笑ましかったです。
ところでAのビジュアル?が最後の方で解るんだけれど、ちょっと小太りの男性だった、っていうのにびっくり。姿があったんだ!?
以上

映画版のキャスト(結構、合ってる。臼田あさ美も)
黒川みつこ:のん
多田くん:林遣都
ノゾミさん:臼田あさ美
カーター:若林拓也
澤田:片桐はいり
皐月:橋本愛

私をくいとめて   2017/1/6 綿矢りさ
黒田みつ子、もうすぐ33歳。一人で生きていくことに、なんの抵抗もない。だって、私の脳内には、完璧な答えを教えてくれる「A」がいるんだから。私やっぱり、あの人のこと好きなのかな。でも、いつもと違う行動をして、何かが決定的に変わってしまうのがこわいんだ―。感情が揺れ動かないように、「おひとりさま」を満喫する

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