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ネタバレ感想「一人称単数」村上春樹

2020-10-27 | 小説・漫画他
一人称単数 村上春樹
短編集です。

ご本人の実体験なのかな?と、一瞬錯覚してしまう小説が多かったです。
短編なので読みやすいです。
村上作品によく登場する難解な説明めいた部分とか、知らない固有名詞が出て来ますが、私はそういうのはスルーしてざっくり読んでしまうので、ちゃんと把握して読んでいないかと思います。

昔こういう事(些細な事)があった。 そんな事はすっかり記憶の彼方に飛んでいたであろう数十年後・・・
みたいな内容が多くて、そういうのは個人的に大好きなので、やっぱり基本的には村上春樹作品の根っこは好きなのかなーと思います。


以下、ネタバレであらすじと感想書いていますので注意です

石のまくらに
若い頃、一度だけ一晩を過ごしたアルバイト先の先輩女性。
彼女がくれた短歌が妙に心に残って今も手元にある。
うわー、また出ましたね、ってちょっと思っちゃった。
女性から誘われてHする羽目になり、大声を出さない様に彼女の口に入れたタオルに歯形がしっかり残ってた、って処とかね。
その気も無いのに女性から誘って来るからすぐHしちゃうとか、村上作品に多過ぎな印象。

クリーム
子供のころピアノ教室で一緒だった女子から久しぶりにリサイタルの誘いの手紙が届いて参加することにしたが、当日その場所に行くも、やっている処が無く近くの公園でぼんやりしていると見知らぬおじさんが話しかけて来る。
神戸の高台のお金持ちが一杯住んでるらしい地区って、すごいんだろうなあー。

チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ
こういう音楽に疎いので置いてきぼりな感じでした。
昔ありもしないレコードに関する文章を載せた事があった。
その後、海外の中古レコード店で、なんと存在しないはずの、そのレコードが売られていた!
悩んだけど、買わずに一度は立ち去ったが、やっぱり思い立って翌日再訪するも、そんなものは無かったはずだと言われる。

ウィズ・ザ・ビートルズWith the Beatles
同じ学校の女性がビートルズのアルバムを持っていて、その姿を見て耳で音が鳴った。(一目ぼれ)
その後、サヨコという同級生と交際し始める。ある日、約束の時間にお家に行ったら彼女が留守で彼女の現在はニートっぽい兄が中に入って待っていなよと誘われる。そして兄と会話、『歯車』を朗読したのだった。時は何十年も流れ、その兄とばったり東京で再会しお茶を飲む。彼女は結婚し子供も産まれていたが自殺していた。
兄は昔と違って父の事業を継いで立派になっていた。

「ヤクルト・スワローズ詩集」
回りが巨人や大阪だったら阪神ファンだらけの中自分はヤクルトのファンだった。家が近かったので、よく試合も見に行っていた。
「すみません。これ黒ビールなんですが」という売り子の青年と村上さんの恐縮がる心理が微笑ましい。

謝肉祭(carnaval)
これは書くのがなかなかに難しかったんじゃないかな・・・と思った作品、
醜い顔の女性だが、とても魅力的でクラッシックの趣味が合い、特に特別お気に入りだった作品が一緒だったこともあり妻公認で良く一緒に音楽を聞いたり親しくしていた。
ところが彼女が詐欺事件で逮捕されるニュースがTVで流れる・・

品川猿の告白
小さな温泉町のとある旅館で知り合った品川猿。ユニークで品の良い猿。
「あるときから私は好きになった女性の名前を盗むようになったのです」
その後何年か経って、とある美しい女性と話していたら、彼女が瞬間的に自分の名前をどうしても思い出せないという不思議な現象が起きる様になっていることを聞く。
もしやこの女性も、あの猿から名前を盗まれたのだろうか?

一人称単数
とあるバーで隣の席の女性が唐突に理不尽な事を言って来る。
「恥を知りなさい」 全然自分に何か悪い事をした覚えがない、、、

「一人称単数」村上春樹 2020/7/18

村上春樹の他の本の感想
猫を棄てる
「女のいない男たち」
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
「1Q84 3」
「1Q84」と「少年カフカ」の感想
「ノルウェイの森」20年後再読しても、やっぱり苦手
海辺のカフカ
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