昨日、無線機IC-706Mk2を利用して21MHzバンドでぎりぎり何とか交信することが出来ました。しかしその時アンテナを間違えていて、50MHzバンド用のアンテナで21MHzバンドでの交信を成立させることになりました。
最初にコールした段階ではいつもどおり「出力10W」にセットしていましたが、ノイズとかなりゆったりとして振幅の大きい信号の浮き沈みがあって厳しいコンディションだったので、後に「出力25W」にセットし直してのコールとなりました。 それでもコールサインを複数回送り直しての「コールサイン交換」となり、そしてあとは交信終了まで出力25Wのままでした。
「50MHzモノバンド・ホイップアンテナで、21MHzバンドの交信をすることが可能かどうか?」・・・興味深い話ではありますが(^-^;)、決して意図して試みようと思う実験ではありません。それを図らずもやってしまいました。結果は、非常に厳しい状況であったものの、相手局の受信協力もあって最終的には「交信成立」で終わりました(^-^;)。
なにより無線機IC-706Mk2をまた壊してしまうことにならなくて、本当に良かったと思います。(交信できたことを喜ぶ余裕はありません!(^-^))送信出力が低かったということが幸いしたのでしょうか? たまたま致命的なほどの輻射電波が無線機へと逆流しなかったのでしょうか? どういう事情か、理由か、僕には分かりませんが、ともかく無線機が無事だったのは本当に良かったと思います。
(周波数帯の適合していないアンテナを使って運用した場合に、無線機の壊れないその理由・・・・というのは・・・もういいです(^-^;)。)
原因--------
今回のミスの原因は、
○第一に「ベランダホイップアンテナ」のひとつずつ、どの基台に取り付けるかを決めてあって、その基台に取り付けた上でのアンテナ状態をアナライザで常に確認していて、アンテナ状態については安心しきっていたことがあります。
○また第二に、開局以来今までずっと利用してきている無線機「IC-703」には標準で内蔵オートチューナーが装備されていて、どのバンドでも運用を始める前には一度「オートチューナーボタン」を押すことにしていました。これで送信前のアンテナ状態スキャン!をしていたようなものです。運用しようとするアンテナの状態が確かなものであればオートチューンが始まってもほとんど瞬時にチューニングを終えます。ところが、接触不良だの、アンテナを取り付けてないだの、なんらかの不都合がある場合は、チューンに時間がかかっていつまでも「じじじじじじじじじじじじ・・・」と比較的長い時間チューンを試みようとします。そしてどうにもならないアンテナの場合は、最後にはチューン動作が停止して「スルー」となります。IC-703の場合、これでいつも運用前にはアンテナ状態を確認してから運用するのを習慣になるようにしていました。
ところが・・・IC-706Mk2はオートチューナーが内蔵されていないので、706を使うようになってから次第に「アンテナはだいじょうぶだから・・・調整してあるからまちがいない」と、不確実なものを確実なものとして、目の前の困難に背を向けて、よけて通る!という習慣が付いてきていたように思います。
○第三に、今まで2点同軸切り替えで運用してきていましたが、現在「三点同軸切り替え」を使うようになって便利になりました。しかしそれだけに「ベランダ手すりホイップ基台」のそれぞれに、「今、何のアンテナを取り付けてあるか」という基本要素の幅が広がってしまっています。ふたつしかないうちのどちらか!というシステム要素ではなくて、「3つのうちのどれか!」と、要素の幅が広がっているため、それを判断する人間のほうにミスがおきやすくなってしまう環境になりました。
「ミスしないようによく確認して・・・」という表現はよく言われますが、僕はこれは意味のないもっともらしい話だといつも自分に言い聞かせています。それでもミスをするのが自分の常なので、何度もミスを繰り返して、そのたびに「ミスをしないように」とつぶやいても、ミスは繰り返されるでしょう。もっともらしく言ってみただけ!程度しか意味のない反省をしたふりをやめて、別の対策を自分なりに考える必要があるのでしょう。
対策--------
先のアンテナ選択ミスの後、無線機に常時「外付けVSWR計」を取り付けることにしました。
送受信信号のロスが増えても、信号が弱くなっても、すべてのSSBモードでマイクを持って声を出せばリアルタイムに目の前でVSWR計の針が振れて、現在どのような状態で無線機から出力されているのかを確認することが出来るようにしました。これならば、もしアンテナ選択ミスしていても、またアンテナ選択は確かでも例えば台風の後接触不良が起きている場合など、なんらかのアクシデントが起きていたら、声を出したとたんに目の前でその状態が反映されます。また、せっかく購入して持っている自分の道具を常に利用できることにもなります。オートチューナーを内蔵していない無線機「IC-706Mk2」を利用する頻度が次第に増えてきている現在、VSWR計を利用することで少なくとも電波を発射する側面に置いて、ずいぶん人為的なミスを避けることが出来るのではと思っています。 そして何よりも大事な目的は、信号が弱くてもなんでも、いつかは必ずまたやってしまう人為的なミスで「無線機を壊してしまわないこと」、これが第一の目的だと考えたいと思っています。 管理人
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追記--------
「50MHzモノバンド・ホイップアンテナで、 21MHzバンド交信した」その相手局は、1エリア栃木の無線局でした。この常置場所での7MHzバンドでは比較的良好に受信できる位置になる地域なのですが、7MHzのF層と同じような反射をしている21MHzバンドの信号というのは、もともと少し無理があるのかもしれません。ノイズに信号の揺らぎと厳しいコンディションでした。その交信では僕の信号レポート「45」を受け取っていました。
交信を終えた後、厳しいコンディションの中で苦労した交信だったので、落ち着いて一息ついていました。その時、「ありゃりゃ!」・・・ところで50MHzアンテナから切り替えて21MHzバンドを運用したっけ? と思いあたって確認したところ、無線機横の「同軸切り替え器」が50MHzホイップアンテナになっているのを見て、すぅーーーーっと血の気が引く思いをしました。なんとも気持ちの悪ーい感触です。つい先日、電源周りの僕のしてしまった不備で修理に出したばかりです。そこですぐ無線機IC-706Mk2のチェックです。
まずベランダ手すりアンテナ基台の「真ん中」に[21MHzモノバンドホイップ・アンテナ]が取り付けてあるかどうかを目で確認したのち、シャック内の同軸切り替え器を「2」の位置にセットします。・・・これで本来の21MHzバンド運用状態です!次に、無線機でそのままになっている21MHzバンドで送受信を試してみます。受信も良好、先ほど交信した局の信号も変わらずノイズにまみれながら了解度5で入感しています。出力を最小にして、空いた周波数で試験電波を出してみます。外付けVSWR計を取り付けてチェックしたところ、アナライザで調整したとおりの良好な状態になっています。
ふーーーーう、一安心です。無線機IC-706Mk2はむちゃくちゃな運用をされたというのに、何事もなかったかのように淡々と確認動作を実行してくれて、すべき仕事をしてくれます。あー、今回はなんともなかった!(^-^)。
そこで、同じ周波数で先ほど交信した局がCQを出し続けているのですが、応答がないのに気づいて!
それなら、この本来の21MHzバンドアンテナ系でもう一度コールして、相手局から先ほどの信号との違いをレポートしてもらいたい、お願いしてみよう!と思いつきました。それで先ほどの交信局のCQに対してもう一度コールしました。 今度は他の局と重なってしまったようです。PTTスイッチを話した時に、他の局もコールしているのが聞こえました その状態で「VWH局先にどうぞ、***局はちょっとお待ちください」と応答がありました。
おおおお!先に僕の信号を取ってくれたぁ! コールが重なったこともあって、1アンテナ系の不備があったのに交信後気づいて、それを整備しなおしてコールしていること、2先ほどの弱い岡山からの信号と比べて今度の信号レポートはどのようにな変化があるかということ、を手短に伝えてあらためていただいたレポートは・・・
今度の信号は了解度5です。ノイズとQSBで苦しいのは同じですが、了解度は4から5になります。
「50MHzのアンテナで21MHz運用したら・・・4」
「21MHzのアンテナで21MHz運用したら・・・5」 (^-^), というごくごく順当な結果となりました。ですが、僕が信号について再レポートをお願いした理由は、その順当な結果を確認したいためというわけではありませんでした。その理由は、あまりに現実離れした現実に直面した時「ほおをつねる」というのがありますが、それでした。確認したかったのは、
「あーーー、やっぱり間違いなく50MHzアンテナで、21MHzの電波を出してたんだーーぁ」といことでした。
一体何ワットで交信したのか?距離にも依りますが興味がありますね。
HFだったらVSWR計の挿入ロスは無視して大丈夫だと思います。
自分は50/144/430まで常時接続していました。
50は絶対にVSWRが落ちている自信はあったのですが、豪雨の時などには多少狂うのでその監視用です。
この時IC-706Mk2の出力は10Wで運用をスタートして、その後25Wに変更しました。無線機の出力設定が10段階なので、ちょうど真ん中の「5」に合わせるのが分かりやすいかなと思って、10Wの次は25W運用をするというパターンにすることにしました。
今までに一回か、二回あったのが、25Wでも厳しいときは、無線機の設定レベル「8」=40Wが、その次に試みる出力設定です。
VSWR計については、早くからこうしておけばよかったと思います。ただIC-703は先にも述べたようにオートチューナーがあってそれを運用時に高い頻度で使い分けしていましたし、また無線機装備のVSWR計も常に利用していたので、常時接続はしていませんでした。
春頃に7MHzで入感していたヨーロッパのSSB信号を、よりしっかり受信してやろうと、5Dアンテナ同軸を使い回ししたりして、少しでもロスを減らそうとあちこち工夫をしていたこともあって、VSWR計を常に接続した状態で利用するということを発想さえしませんでした。
IC-706Mk2を使うようになってつくづく思うのですが、無線機にオートチューナーが内蔵されているというのは、補完用・微調整用として非常に有効なツールだと思います。
顔つきが同じなので、内蔵チューナーがないのにIC-706Mk2の外付け用の「チューナーボタン」をついつい条件反射で押してしまうことがよくあります(^-^)。管理人