2020年春から在宅テレワークで、ネット会議アプリを使ってライブ配信をするようになりました。何もかもが急なことで社会全体が巨大な地すべり発生現場のようにうごめくなか、とりあえず手元にある材料を集め、使えるものは使ってなんとか「確保」を求めて試行錯誤することとなりました。
その時、もともとアマチュア無線用として用意していたマイクがダイナミックマイクでした。 一般的なコンデンサーマイクはある意味ちょっとありふれているともいえるタイプのものなので、そんな中、アナログ感の大きいダイナミックマイクを利用した音声に興味があり何年か前に購入していました。

メーカーや型番関係なく、たまたまハードオフで目についたので購入したこのマイクは CustomTry CM-2000と書いてあります。今ちょっと試しに、と検索してみると今もWebショップにありました。
カラオケなどでよく使われる普通のいかにも<マイクです>という姿、重さの機材です。電源不要のダイナミックマイクは、どこでもケーブル先端のプラグを差し込むだけで使うことの出来るタイプのマイクです。コンパクトではないし、その重量と、安定感を確保するための重いマイクスタンドを使っているため、ちょっとマイクを移動させようとかすると、それほど広くない机周りでの取り回しはちょっと大変でした。
・・・が、そのダイナミックマイクの音声については、
ネット通信用に利用してみると、コンデンサーのデジタル音声に慣れ親しんだ多くの人から、ちょっと様子の異なる性質の音声が届いて、その都度「どんなマイク」「何をどうしている」と尋ねられることもしばしばありました。
ネット上でやり取りする時の音声が、少し特徴的だという程度であれば「このまま在宅テレワークで継続使用もあり?」とか思いつつ、ずっと利用していました。
このようなダイナミックマイクは、それぞれのメーカー、製品によって違いはあると思うのですが、基本的に<単一指向性>マイクの特性がよくアピールされているのを目にします。
この一年近く、比較的発話の口元に近いところで使用していて、あまり意識したことはないのですが、それでもマイクゲインを上げて感度を大きくしたとき(送信音声に加わるノイズ音量をチェック中)、何やら変な音をマイクが拾う事に気づきました。
自分の服の擦れる音や、机の上のマウスを動かした時の摩擦音、もちろんクリックしようものならはっきりと音が入ります。・・・でもそれはマイク軸の延長線上に限定したものでした。
マイクの軸方向を変化させると、マイクが拾う雑音は変化していきます。その時、「ああなるほど、このダイナミックマイクも単一指向性の基本特性を持っているんだな」と気付かされました。
例えばネット会議ではスタジオから参加するという人はほぼないはずです。普通の自宅の部屋から参加であれば、もしかしたらペットがいるかも知れません。小さな子供がいるかも知れません。向こうの台所では洗い物をしているかもしれません。庭先でカラスが鳴いているかもしれません。そのような個人的ネット参加状況で、何もかもすべての音という音を全部残さず拾って配信してしまうコンデンサーマイク(全方位の特性のものが多い)に対して、ユーザーがピックアップしてほしい音を重点的に収録してくれるダイナミックマイクは、都合のいい場面も多いマイクだなと思っていました。
が、どうやらたまたま出くわして入手した手元のダイナミックマイクも、どちらかというと単一指向性の特性を持っているということが確認できたわけです。
ネット会議で利用していていちばんマイクに近い<ノイズ>は、なんといっても入力するキーボードの音でしょう。このキーボードの音も、指向性のあるマイクの場合であれば、マイクが拾う範囲の外にキーボードがあれば、程度の差はあるもののかならずカチャカチャ音を小さくすることが出来ます。
そのためにはマイク指向性の向きを目の前の空間上にイメージして、自分の発生する声を重点的にキャッチする方向へマイクを向けて設置すると、それだけでずいぶん様子が変化します。(加えてネット会議での利用の場合は、キータッチの音が少しでも小さいキーボードを選択して、使用するというのがとても効果的ではありますが)
そんなこんなでその後は、その特性の様子を少しチェックし、逆にその特性をうまく活用したマイクの使い方を少しずつ工夫しました。
また、極端に言えば昔ながらの「糸電話」と同じ動作をするダイナミックマイクなので、マイクの使い方において
◯ マイクとの距離
◯ マイクに響かせる声の出し方
も、意識しながら使うことで、ユーザーが思ったような、想定したような音声を相手に届けることが可能になるマイクでもあります。
マイクの基本性能としては、本当に昔からあるダイナミックマイクよりも、どんどん進化を続けているコンデンサーマイクのほうが、おそらく比較にならないほどマイクとしての高い性能を持っていると思います。
ただ、どのような道具でもそうですが、まず道具の基本スペックがあるとしたらその次には、その道具をどのようにユーザーが前の前の現実で使いこなし、その可能性を引き伸ばすか?ということも、常に付いて回る話だと思います。
また、音楽の質をあらゆる側面から向上させる<音楽作り>とは違って、ネット配信アプリケーションを利用した音声通信の使用目的においては、(携帯電話を始め広く普及しているコンデンサーマイクの音に対して)すこしレトロな、少し雰囲気の違う音声となるダイナミックマイクの使用は、ちょっとしたアクセントになって面白い道具、使い方になるのかもしれませんね。
短時間のやり取りならばOKでも、ネット会議アプリを利用してある程度長時間音声でやり取りをする場合、少なくとも話していることがわかりやすい音声であることは大前提として、その上でずっと聞いていて耳が疲れないような、不快でないような音声の質をある程度意識しつつ配信するというのは、基本的に必要なことなのではないかなと思っています。
マイクの向き、マイクから口元までの距離、マイクに向かってどのように声を張って発音するか・・・などなど、このあたりのポイントを掴むと、ダイナミックマイクからの配信音声は、聞いている人の耳に優しい音声づくりが出来る可能性が大きいかもしれないと思っています。
そんなこんなで、在宅テレワークになってから、何ヶ月も連日使い続けているマイクなので、その使用頻度のおかげで一気に扱いについても学習、習熟が進んだように感じています。
ps 他方で、個人的にコンデンサーマイクに関しても、どんなものなんだろう?という好奇心もあります。(出先、非常用のピンマイク型コンデンサーマイクは用意したものの、その使用頻度はほとんどないまま、今に至っています)
・・・・で、ネット会議通信用に、決して高価なものの必要性はないので、ちょっと見かけたコンデンサーマイクをポチッとやってしまいました(^-^;) 届いたら興味津々でチェックしてみようと思っています。
(このコンデンサーマイクは360度全方位タイプではなく、とりあえずWeb上の解説には<極端な単一指向性マイク>とありました。このマイクでの音声がどんなことになるのか、かなり楽しみです)
◯ マイクの設置(場所・方法)振動ノイズ対策 2021.02.13
連日ネット会議でマイクを使用していると、その頻度の大きさから、いろいろ問題点に出くわし、気付かされることが多いです。その一つは、ネット配信中に机で色々操作をするとき、そのノイズをマイクが拾ってしまう、ということでした。
コンデンサータイプに対して比較的感度の低いダイナミックマイクであっても、机の上でのマウス操作や、書類、キーボードの移動、キーボードを押下する時の縦方向の振動は机の板をボンボン叩いているようなもので、同じ机の上にマイクを設置していると、それらの音を振動としてキャッチし、同時配信してしまっていました(^-^;)。
それだけでなく、この寒い季節化繊の上着・ジャンバーを着ていると、その記事がゴワゴワ、シャーシャー擦れる音も、指向性マイクの向きと感度(ゲイン)設定によってはかなり拾ってしまっていました。
・・・・ということで、我が家では基本的にマイクスタンドは、机のとなりにあるラックにのせて、机そのものの振動をマイクスタンドの床からキャッチすることがないように設置しました。
少しマイクが遠くなるため、感度(ゲイン)を高めに設定して対応する必要がありますが、全体にほどほどの設定バランスのポイントを見つけることが出来ました。
もっと理想的には、机とは別の家具に固定した<マイクアーム>の先に、マイクを取り付け、発話する場合はそのアームを操作してちょうど口元にマイクがくるように位置決めをし、その状態で発話するともっといいのかもしれません。
マイクアームについては、今の所どうしようかなあと思いつつ、まだ用意していませんが、今後検討してみようと思っています。
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