
アマチュア無線を始める前から、その「見た目」が気に入ってしまって無線機を購入し、それならば!と資格を取って無線局まで開局してしまうことになった、
大のお気に入りの無線機、アイコムIC-703です。
その703と、またまた同じ顔をして少し異なった機能を秘めた新しい無線機IC-706Mk2が手元にやってきて、きわめて単純なうれしさがいっぱいです(^-^)。
この二つの無線機は見た目だけでなく、基本的な操作系がほとんど同じになっているので、短波帯無線機としてずっとIC-703だけに触れてきているものにとっては、IC-706Mk2の取り扱い、使いこなしおいて現実的にほとんど問題はありません。しかし、それら二台の無線機にはそれぞれの特徴も持っています。この記事には、これから使っていきながら、その「違い」についてメモしていこうと思います。
ちなみに今回中古購入したIC-706Mk2は100W無線機でしたので、メーカー50W出力改造に出して、戻ってきた無線機です。単に出力設定を切り替えるだけではなくて、他の部分の無線機動作も50W出力無線機として動作するように調整された状態を望んだので、メーカー改造を選択しました。電波を受信して発射するだけの機械としてならばそこまでも必要もないかもしれませんが、僕としては無線機を使い込んでみたいと思っているために、一通りすべての動作とディスプレイ表示が50W無線機として機能して欲しいと願ってのことでした。(おそらく100W機に戻すことは無いと思いますが、それも即実現可能であるという点は、気分的にうれしい話ではあります)
----------- IC703 と IC706 の相違点 ---------------
○IC-703本体にはオプション・フィルタを組み込むためのスロットが
「1つ」だけでしたが、IC-706Mk2には「2つ」のユニットを取り付けることができるようになっています。前者には先にCWフィルタを取り付け(ハンダ付け)してあるので、もうフィルタを追加することはできません。そこで、試してみたいと思っていたSSBナローフィルタをぜひIC-706Mk2の方で実感してみたいものだと思っています。
○IC-703とIC-706Mk2では、オプション・フィルタの型番が異なり、
その取り付け方も前者が「基盤へハンダ付け」に対し、後者は「はめ込み」と異なっています。
○取り付けたCWフィルタの違い
IC-703には、ひとつだけ用意されているフィルタ・スロットにCWフィルタ500kHz を取り付けました。それに対してIC-706Mk2には、二つあるスロットの一方へCWフィルタ350kHzを取り付けました。これら二つのフィルタの帯域の違いがどのような感触なのか、また確認出来次第ここに追記しようと思います。
○IC-703には標準装備されている「オートアンテナチューナー」は、
IC-706Mk2には装備されておらず、オプション・外部ATUを利用するようになっています。
○IC-703には標準装備されている「DSP機能」は、
IC-706Mk2には装備されておらず、オプション・パーツとして追加購入し、本体内部に組み込むようになっています。
○IC-703には標準装備されている「TCXO =高安定度水晶発振器発振装置」は、
IC-706Mk2には装備されておらず、オプション・パーツとして追加購入し、本体内部に組み込むようになっています。その後周波数測定器を持っている場合は自分で調整、もしそうでないならばメーカー(その他)へ送ることになりそうです。(今回の出力改造でアイコムへ送った時に、IC-706Mk2の周波数のチェック経て戻ってきました)
○無線機背面に、IC-703ではアンテナコネクタが
「ひとつ」だけですが、IC-706Mk2では「HF用コネクタ」と「V/UHF用コネクタ」とふたつ用意されています。
○無線機フロントパネルの、各種ボタンが
IC-706Mk2では夜にどこにあるか見ても分かりませんが、後に登場しているIC-703では「透過照明」や「極小パイロットランプ」によって、パネル上の操作ボタンが光っていますので、暗い場面でも的確に操作をすることが出来るようになっています。(IC-706Mk2Gになると、703同様に透過照明で各種ボタンが浮かび上がるようになっているようです)
○IC703と706では、安定化電源のメーターよみで、消費電流の極めて大きな違いが特徴的です。
IC-706Mk2は100W無線機であるし、またIC-703は省エネを設計コンセプトに持っている個性的な無線機・製品であることもあって、同じような顔つきをした二つの無線機なのに、全く別の世界の装置となっているのがとても興味をそそられます。せめて体つき、顔つきが全く別ならば、問題にもならないことなのですが、双子が並んだように見えるこれらの無線機が「全く別物」であるというのは、見て触れて面白いです。(もっともIC-706Mk2が別のデザインだったら、購入していませんでした!(^-^) )
○無線機背面の電源コネクタが、
10W出力IC-703は「2極」、100W出力のIC-706Mk2は「4極」になっており、そのケーブルの太さが異なります。
○冷却ファン
703には無かった無線機本体内部の冷却を促すファンが、IC-706Mk2のほうには装備されています。もともと100W無線機であることも703とは大きな違いになっていますから、結果として当然の装置なのかもしれません。 ただ静かな夜に部屋で使っていて、今までIC-703では無かった、IC-706Mk2の冷却ファンの稼働音、風きり音は・・・・「ひどく耳障り」に思えてしまいます。これは仕方ないことですね。
○「最大出力送信時消費電流」
IC-703では最大3A、ところがIC-706Mk2では20Aとなっています。
○冷却ファンの続きで、無線機本体の発熱について。IC-703でも気温が上がっている季節に連続した送信が続くと、10W無線とはいえそれなりに無線機本体が熱を持って、場合によっては電源が切れてしまうこともあるようです。それに対してIC-706Mk2は、根本的に発熱量が703とは桁違いに大きく、特に無線機フロントパネル裏、本体の向かって右前あたりを中心にかなりの熱を帯びてきます。これは普通に受信状態にあるだけでかなり熱くなっていますので、もし送信も加わるとなると、どのくらいまで発熱するのか現在のところはまだ不明です。それにしても「IC-706Mk2」は運用に利用するとなると相当な熱さになることでしょう。
○フロントパネルのボタン、
IC-703ではTUNE=オートチューナーボタンが、IC-703では TUNE/CALL と、外部外付けオートチューナー動作ボタン機能と、144MHzでの呼び出し周波数切り替えの機能が兼用されたボタンとなっていて、違っていました。(IC-706Mk2で144MHzバンドにセットしている場合にのみ、このボタンはCALLボタンとして機能し、他のバンドが選択されている場合は外部オートチューナーを動作させるボタンとして機能するようになっています。)
○安全装置
IC-706Mk2では、無線機にアンテナケーブルが接続されていないと電源が入らないようになっているようです。703ではそのような覚えが無かったので、無線機を壊してしまったのか?と当初何度も驚かされました。 ケーブルをつないだつもりでもその同軸ケーブルの先にはアンテナが付いてなかったり、もともとアンテナ同軸を接続し忘れていたりした場合、IC-706Mk2は電源ボタンを押しても「うんともすんとも」いいません。もともと100w無線機ですから、もし同軸ケーブル・アンテナ接続なしで出力した時のことを考えた安全装置になっているのだろうと思いました。
○アイコムの703と706の「サブメニュー」に違いがあります。
サブメニュー「G」の二つ目が703では「SWR Graphe」になっているのですが、706MkIIでは「IF Shift」になっています。 これは706を使っている時に、ちょっとアンテナ状態を確認してみようとメニューを切り替えたところ・・・見つからなくて!気づきました。IC-703の「SWR Graphe」メニューでは、VSWR値を複数のポイントで計測してそれを瞬時に放物線の形で液晶ディスプレイに表示してくれますから、アンテナのおおよその「中心周波数 もしくは共振点」の様子をつかむことが出来ます。少しずれている、か、大きくずれているか、が分かる程度ですが、扱い慣れると常に簡単に「現在のアンテナ状態」をチェックすることが出来ます。 この機能がIC-706Mk2には備わっていませんでした。変わりに706の「G2」メニューではフィルタ帯域を周波数の高いほうへ・低いほうへ移動させる時の「台形の図形」が液晶ディスプレイに表示されます。
(703でも同じ機能はありますが、これはIFShitつまみを回した時のみに数秒間画面に表示され、自動的にもとのメニュー画面に戻るようになっています。703を使っている時に、フィルタをずらした様子をずっと画面に表示し続けてくれればなあと、何度も思ったことがあるので、その点はIC-706Mk2のほうが扱いやすいかもしれません。というのもIF Shitを微調整した後、交信後に「元に戻すのを忘れる」ことが何度もあるからでした(^-^;)。)
アンテナアナライザーを手に入れた今となっては、703のSWR Graphe機能は必ずしも常置場所では必要ありませんが、移動先で最小限度の装備で運用するときのポータブル無線機としては、オートチューナー機能標準装備と一緒になって、IC-703の設計コンセプトにはいつも惚れ惚れしてしまいます(^-^)。
○送信出力設定のこと
IC-706Mk2では、HFと50MHzと144MHzの3つの領域(周波数帯)で、それぞれ別の出力設定ができるようになっていました。逆に言えば、短波帯で50W出力にセットしていても、バンドを144MHzに変更した時に確認せずに出力すると10Wでしか働いていない場合もあるということになります。つまり無線機としての送信出力をひとつ設定するのではなくて、短波無線機としての出力、50MHz無線機としての出力、144MHz無線機としての出力、とそれぞれ独立しているということになります。
このことはIC-703においても、HF周波数帯と50MHz周波数帯でそれぞれ独立した送信出力設定をするようになっている点と同じでした。(電波を出す前には、現在の周波数帯での無線機送信出力の確認!が常に必要です。VHF帯でフルパワーにしていて、そのまま短波帯に降りて運用する時、自分の無線機がフルパワーになっていると思って信号を送信しても、もしかしたら「最小出力」になっているかもしれないわけです。)
もしかして703/706のフロントパネルコネクタって共通ですか?
だとすると便利に使えますよね?
更にジャンクでMK2Gのパネルを付けたり。
706ノーマークはメインダイアル右に有るボタン(MK2以降はband切り替え)の機能が違ってるのでダメな気もしますが。
去年IC-703を手に入れた頃、記事を読んだ覚えがあったので確認してみました。
以下は「QTC-Japan」ホームページの「新製品レポート」、「IC-703レポート」
からの引用です。http://www.qtc-japan.net/2001/
--------- 部分引用 ---------------------------------------------
ICOMさんからお叱りをいただく覚悟で言えば、モービル運用の写真を
とるためにIC-703の前面パネルをIC-706MKⅡGMの本体につないで
しまいました。本当はセパレートケーブルが706も703も
同じOPC-581を使うと知って(誤って)接続したのに、
何事もなく動作していて間違いに気付かなかったというのが真相です。
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オプションパーツ
OPC-581 :フロントパネルセパレートケーブル(3.5m)
について、手元のカタログやHPで確認してみると、確かに同じ型番に
なっていますので、無線機本体とフロントパネルを接続する
コネクタピンは同じ機能で働くようになっているようですね。
ただこれは無線機IC-706Mk2G と IC-703までしかデータが無くて、
IC-706Mk2 については、古すぎて?リストから外されています。
・・・実際にやってみました。
無線機本体IC-706Mk2に、IC-703のフロントパネルを取り付けて・・
「動作しました。・・・でも液晶の輝度が違ったり、それよりも
受信音の様子が少し違っていました。」
結果、二台の無線機を取り間違えてうっかり取り付けたとしても、
電源を入れたとたんに壊れてしまう!ということはなさそうですが、
少し様子が違うので、間違えて取り付けたことをすぐ感じ取れそう
なようすです。 それから、普段パネルを取り付けたり外したりする
時の手ごたえが、硬くなったりして変化するのですぐ「あれ?」と
無線機とパネルの不一致に感触で気づきそうです(^-^)。
(さっと取り付けてパチン! ---> ぐぐっ、ぐぐーーーパチン!)
それから今気づきました。
フロントパネルのTunerボタンが、IC-706Mk2では144MHzバンド用の
「CALLボタン」になっていました!
管理人
部屋でいつもIC-703のフロントパネルは、3.5mのケーブルをつけて、あちこちに持ってきて利用しています。「いつか踏んづけて壊しそう」といつも心配しています(^-^;)。
IC-706Mk2 IC-706Mk2G IC-703 と
共通で動作してくれるフロントパネルであれば、何かの時にこれら大ヒットシリーズの「ジャンク」を見つけた時には、要チェック!!と覚えておくことにします(^-^)。管理人