私の亡き祖母は生前、私に多くのものを
買ってくれましたが、その中でも一番
思い入れが深いのがペンケースです。
何故なら今も毎日使っているからです。
私が中学に入学した年の夏休みでした。
まだ12歳だったので29年前のことですね。
祖母がショッピングモールに買い物に
行くというので一緒に行きました。一緒
に行きましたが男かつ中学になったばかり
の自分にショッピングモールは別に楽しい
ところではありませんでした。女性なら
また違ったかもしれませんが。
祖母はいつものように、欲しい物があれば
買ってあげると言いますが、こんな場所に
私の欲しい物は無いと思っていました。
多くの店が並んでいる場所を通っていた
時です。ふいに私の足が止まりました。
雑貨店だったのですが、入口にかっこいい
ペンケースが置いてあるのです。一目惚れ
でした。しかし値段を見て驚愕。1500円
でした。大人になった今では大した金額
では無いですが中学1年生には大金でした。
しかし祖母は「たいした金額じゃない
じゃない。それに長く使うなら安いものよ」
そう言って中学の入学祝いとして買ってくれ
たのです。小学校まではいわゆる典型的な
長方形の筆箱だったのでとても嬉しかったの
を今でもよく覚えています。
気づけばあれから29年。色こそ劣化しましたが、
全く壊れることなく今日も私を支えてくれます。
他の人から見ればただの色あせた古いペンケース。
でも私にとってはとても大事なペンケースです。
これからも大切に長く使っていきたいですね。
買ってくれてありがとう、おばあちゃん。