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きゅうちゃん出たとこブログ

行きあたりばったりの人生、そして愉快な仲間達との日々をちらほらと・・・

富山県民が思う 『人生の約束』

2016-01-17 01:43:18 | 映画

台湾の総統選挙がトップアイドルのLIVE並みなド派手さで

もはや国を挙げてのカーニバル。

めちゃくちゃ楽しそうなんスけど!選挙。

きゅうです、ども。






北陸をPRという形で近年ドラマや映画にと、その舞台になることがめっきり増えた此処富山県。

このたび舞台と共に、地元の歴史ある祭りを題材にし1本の映画が作られた。

『人生の約束』

富山県民としては、興行収入に貢献せねばという思いで

いそいそと大都会イオンへ向かう。

レイトショーだったが、館内の2/3は客席が埋まっていたのでは。

さて、ここからはネタばれもあるし

少々辛口な(へ?)コメントもするかもしれないので、これから観ようと思ってる方はスルーしてね。






さてと、どう表現したらいいのやら.......。

評論家気取りはさらさら無いのだけれどね、映画にそんなうるさくないアタシが観てもね、

脚本がイマイチ。

「つながる」というワードをテーマに、「心の再生 人との絆」 を描こうとしているのは凄く伝わってくるのだけど

そこまで持ってくるまでのストーリーがチープだし、肝心のセリフが使い古して手垢まみれのどっかで聞いたようなものばかり。

折角役者が魂を込めたセリフもなんだか裏が透けて見える。

そして序盤からやたら説明調なのも気になるし。

これだけ豪華で実力ある俳優陣なら、20行のセリフも表情や仕草ひとつで全て表現できるはずなのに勿体無い。

小道具で言えば、この曳山に拘るきっかけとなった親友との過去についても 「ショーヤンクの空に」 みたいな写真1枚で表現されても

え?ちょ、そんなコントでやるみたいなベタベタなやつ・・・マジかってなっちゃいましたよ、てへ。

また、個性派俳優が注目されがちな昨今にして、今回の新人の女の子は珍しく無色透明な子で将来が楽しみでもあるんだが、

如何せんこの作品で銀幕デビューだった為、富山湾で揚がった獲れたてブリの刺身並みにコリコリに硬かった、演技がね。

ロボットというか、良く言えば小津作品で観るような、歩幅から首の角度まで事細かく演技指導されたかのような。

でも彼女に関しては余計な注釈が無かったのがイイ。 より透明感が際立つ。

後はもう色々あるんだけど言いだしたらキリがなくなりそうなのででででで。


一番の見所である新湊の曳山祭りのシーンは、



素敵です!




これを撮りたかったと言うだけあって、撮影にも力が入っているのがわかる。

昔初めてこの祭りに行った時 13基もある提灯山の、それは豪華絢爛な風貌と

威風堂々たる車輪の響き、それを練りまわす各町内の曳き方達の掛け声に物凄く感動した事を思いだすなー。

そんな県内でも超有名な新湊の曳山祭り。

この映画での町内のやりとりを観て、たかが祭りに何故そこまで? と思う人もいるかもしれないが、これはね理屈じゃないのだよ。

田舎にとって祭りとはコミュニティであり、地元民として生きていく術なのですよ。

人口がどんどん減少していく中で、地域で大規模な祭りを維持していくのはとんでもなく大変な事で

毎年行われ伝承され続けているのは、ひとえに地元の方々のプライドと心意気の賜物。 本当、有難い事です。

興味がある方は是非10月の新湊曳山まつりにお越しください。

富山湾越しに臨む立山連峰も壮観です。


で、この映画の総括としては

友とのこじれた友情も傲慢な価値観も、IT社会と北陸新幹線があれば正味3日程で解決してくれる

と、いうことでどうでしょう。












映画 海街diary。

2015-06-08 22:53:22 | 映画

佐藤健と亀梨くんの見分けがつかなくなった己のBBA度の進行具合に落胆してたら

とうとう平子理沙が清川虹子に見えてきてアタシの脳が混乱しだす。

きゅうです、ども。





映画の試写会に誘ってもらい行ってきたのだが

座って5分としない内に、背中やら脚やらがやたらと痒くなり

終いにゃ映画どころじゃなくなって

帰ってソッコー着てた服を外でブンブン振り回し

洗濯槽に叩き付けたぞバカヤロー!

聞いたら連れも座った途端に痒みが出たらしく

そこの映画館は直ちにバルサンを

霧の摩周湖並みに焚きまくる事を強く要求する。

そんな痒みと戦いながら観た映画だったけど

自転車に2ケツしながら桜のトンネル走るシーンのまえだまえだが

とっても自然で眩しくて、アタシの心を清らかにしてくれたので許します。

さすが是枝監督の秘蔵っ子。









やくざ戦争 日本の首領。

2015-02-07 23:24:01 | 映画

ノワール系小説ばかり読んでいたからか、

やたら極道映画が観たくなり

そしたら丁度BSで やくざ戦争 日本の首領 が放送されてて

悪役の帝王 成田三樹夫氏が出演してる事も後押しし、

TVの前で正座して観てました。

きゅうです、ども。





いや~、豪華。

豪華としか言いようのないこの俳優陣。

中島組若衆頭 辰巳を演じた鶴田浩二、かっけーわ。

しっかしその女房役が市原悦子で

若衆から 「姐さん」 なんて呼ばれる市原悦子氏を観てたら

なんかの拍子にあんころ餅かお地蔵様が出てくるんじゃないかと

気が気じゃないアタシです。


   









ホットロード「俺がもらってっちゃうよ」をエンドレス。

2014-08-18 22:38:54 | 映画

昨日、オラが県の高校球児達がやってくれちゃいました。

二回戦突破ですっ!

福井の敦賀気比高校、そして本日は石川の星稜高校と

北陸3県共に3回戦進出で、今最も熱い夏到来の北陸日本海。

い、いちどでいいから北陸に優勝旗を.....!!!

きゅうです ども。




さて、これまたオラが青春時代の漫画


ホットロード


が映画化され、番宣の為あっちこっちのバラエティー番組で

主演の能年ちゃんが大の大人達を神がかり的に翻弄させておりましたが

先日ロードショーされまして、

どれどれと、ホットロードのサイトより予告編を観てみたわけだ。

能年ちゃんが可愛らしいのは想定内。

想定外だったのが、春山役  三代目J Soul なんちゃらの登坂くん。


思いのほかイケてるんですけどー!


予告編の53秒のところにある


「コイツのこと嫌いなの?  俺がもらってっちゃうよ。」







も、も、もらってっちゃうよ。  だと!?





棒読みでもいい。

あのイケてるマスクで 「もらってっちゃうよ」 だなんて、

画面前のめりで きゅう撃沈。

再生回数の100回分はアタシだと思っていただいて結構です。

何かが抑えきれなくなったアタシは、旦那くんにまで

「もらってっちゃうよ」

を言わせ、ひとり勝手に赤面して喜ぶというプレイをして遊んでいます。

しばらくはこれでギックリ腰の痛みから逃れられそうであります。

映画も観に行きたい気もするけど

恥ずかしいので夏休みが終わって

ガキんちょが少なくなったらチャレンジしてみようかと

思ったりもしております。


さあ、みんなも53秒で震えて眠れ。












劇場版 SPEC 結(クローズ) 爻(コウ)ノ篇を観た。

2013-12-21 23:36:17 | 映画

怒涛の飲み会月間。

呑んで呑んで喰っては呑んで、そしてたまに働く。

医者から 「血行がよくなると、蕁麻疹が出るからアルコールは控えるように」 と言われたが

往生際の悪いアタシは薬をもらいに再診に行った時、

「血行が良くなる事が悪さを引き起こしているワケで、アルコールそのものが蕁麻疹を誘発しているワケではないのですねっ!」

と、詰め寄ってみたら

「That't right」

の力強い答えを頂いたので

血行が良くならない程度に呑んでいる。(へっ!?) きゅうです ども。




さて、お馴染みレディーなら1000円で映画が観られるレディースデイに

劇場版 SPEC 結(クローズ) 爻(コウ)ノ篇

を観に行ってきた。

もうこれで終わりかと思うと凄く寂しい。

来年公開の 「トリック」 も最後なんだよね。

もう何を心の支えに生きて行けばいいのやら.....。

って、些かオーバーかもしれんけど、好きなんだもん!

男と女が揃ったら必ず始まるすったもんだのどーでもいい恋愛くだりが好きでは無いアタシには

この二作品、両者まったくもって恋愛感情のないことのスバラシサ。

そういう次元で生きていないところが好きだ、大好きだ。

好きと言えば、戸田恵梨香の当麻。 

これは彼女のハマリ役だった。

当麻ちょーかわいい。

いや戸田恵梨香が可愛いんだな。

もうごはんにのっけて食べたいぞ、戸田恵梨香。

という事で、以上 「爻(コウ)ノ篇」 の感想と代えさせていただきます。









劇場版SPEC ~結(クローズ)~ 漸(ゼン)ノ篇を観た。

2013-11-20 20:53:52 | 映画

すんげーカミナリなってて

ひぃぃぃぃってなってます。

因みにあられも降り出して

ぎょえぇぇぇぇぇとなりました、きゅうです ども。



今日は水曜レディースデイ。

どんなBBAも女であれば1000円で映画を愉しめる それはそれは有難い日。

よって行って来た、大都会イオンへ。

当麻(戸田恵梨香)の餃子の喰いっぷりに感化され

アタシも昼に水餃子をふんだんに喰らい

ニンニク臭を口から放出しながら観て来たよ。

特にネタバレはせんけれど、

この 漸(ゼン)ノ篇、

まさに


ゴリさんの ゴリさんによる ゴリさんのための 竜雷太。


でありました。

つか、この冬公開の予告編がそれぞれ大層面白く

中でも  高畑勲監督作品の

『かぐや姫の物語』

の予告編があまりに完璧で、マジ涙した。

監督の世界観に感動し、一本観終わった様な気分でうっかり本編観る前に帰りそうになったわ。

アタシ、此処のブログでも書いたけど 高畑勲監督の

『アルプスの少女ハイジ』

が好きで好きで大好きでね、もう何十回と観てるんだよね。

それで「かぐや姫の物語」でのおじいさんとおばあさんのアニメーションを観ていたら

年老いたところにふと現れた天使のような子供に心を癒されていった“おんじ”が見えてきて

あー、これアタシ絶対好きだわと、直感したわけだ。

って事で来月は 『爻(コウ)ノ篇』 & 『かぐや姫物語』 と二本立てで愉しみたいと思いますです。






映画 大鹿村騒動記

2013-10-03 17:40:57 | 映画

抱腹絶倒。 

前回放送時、まちゃとのキレッキレの演技に腹を抱えて大笑いし観ていた

『リーガルハイ』 が

この秋再びスタートするわけだが、

その試写会後の舞台挨拶で堺雅人が言ったセリフが素晴らしかった。

「銀行員時代に培ったすべてをこの番組で台無しにしたいと思います。」

まちゃと、がーさす。

頭のイイ男は大好物でげす、きゅうです ども。


さて、秋になると夜な夜などこからともなくお囃子を練習する笛の音なんかが聞こえてきたりするもんでして

そうなってくると、やれマツムシだスズムシだと虫の声よりも そっちの方がより深く秋を実感させてくれるのであります。

地方ではそうやっていろんな催しが粛々と行われ、地域の人々の結びつきを固めあったりしておるワケだな。

そんな地方の小さな村で行われている“大鹿歌舞伎”をテーマにした1本を観ました。


『大鹿村騒動記』


言わずと知れた名優“原田芳雄氏”の遺作となった作品だ。

いつか観たいと思っていたんだが、なんだかこれは“秋”に観賞するのがしっくりくるような気がしてて

今までとっておいた。


いや~イイっすね。

派手な演出も大袈裟なストーリー展開もなく

普通に笑って泣いて腹立てて、そして笑って。

松たかこ 瑛太 冨浦のしーちゃん以外はほぼオールじじいってところがまたイイ。(笑)

憎みきれないじじい達のドタバタ劇。(ゆーほどドタバタもしとらんけど。)

いや失礼(汗)、滋味溢れる大人の喜劇映画です。


“大鹿歌舞伎”という村で一番のエンターテイメントは、映画というエンターテイメントに命を吹き込み

“日本でもっとも美しい村”と言われる長野県の大鹿村には、主演の原田芳雄を筆頭に

岸部一徳、石橋蓮司、三國連太郎、等々超一流の俳優陣が2週間に渡り滞在したことで

タイトルそのままに、それこそ祭りのように大騒動だった事だろう。

行ってみたいな、大鹿村。



そしてエンドロールに流れた清志郎の「太陽の当たる場所」には泣けた。

もう、それ ずるいから......(グスッ 笑)。







映画『サラの鍵』 人があるべき姿とは倫理とは。

2013-10-01 10:41:26 | 映画

素直に感情移入して観ると

途中で心が壊れそうになってしまう1本を観ました、きゅうです ども。


“ヴェル・ディヴ事件”

それは、ナチス・ドイツの占領下にあった フランスで行われた最大のユダヤ人大量検挙事件。

“善と悪” それだけでは語る事が出来ない 戦争という特異な状況下で起こった この悲惨な出来事を

どうか知っててほしい、

そして理解してほしい、

そうやってただひたすら祈るように作られた作品だと思う。


『サラの鍵』


1942年、ナチス占領下のパリ。ユダヤ人一斉検挙によってヴェルディヴに連れてこられた人々の中に、少女サラはいた。それから60年後。パリに暮らすアメリカ人ジャーナリストのジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、アウシュヴィッツに送られた家族を取材するうちに、かつて自分のアパートで起こった悲劇を知ることとなる。
                                                      シネマトゥデイより。


過去と現在がバランスよく切り替わり、観る者を画面から離さない。

色々な登場人物の思いが交差し、感情のテーマパークのような混み具合だが

核は全くブレておらず、全てのシーンが大切で意味がある。

特にジャーナリストのジュリアに関しては重要な決断に迫られるわけなんだが

苦悩し答えへと行きついた訳、それは正に人間としての倫理観。

その深部に当たるものは決してセリフでは語らせてはいない。

他の人物達にしても然り。

何故なら言葉にした途端、それは陳腐で安っぽいものになってしまうからね。


そしてユダヤ人の少女サラを演じたメリュジーヌ・マヤンスちゃんが凄くイイ。

彼女の演技はリアル過ぎて凝視できなかった。辛くて。

収容所の有刺鉄線を潜り抜け、黄金色に輝く草原を走りぬける少女。

映像がとにかく素晴らしく美しい、そんなシーンだけに

後ろには“死”、駆けて行くその先には限りない“絶望”が、

それでも走るしかなかった幼い少女の運命を思い

胸が押しつぶされそうになるのだった。


その後、サラが受けた心の傷や過酷な記憶は決して消える事はなく

それは月日を重ねるごとに深くなり

鬱は静かにゆっくりとサラの心を支配していく。

このサラの心の過程は

“あまちゃん”ボケで浮かれていたアタシの頭を思いっきりこん棒で殴った位の衝撃だった。






過去の歴史を今さら掘り返すことに強い抵抗感を示すジュリアの夫や周りは

ヴェル・ディヴ事件についての責任を一切認めず語ってこなかった過去のフランスの暗部を象徴し

そして“サラ”という少女に巡り合い、突き動かされるように真実を探ろうとするジュリアの姿は

過去の出来事に目を逸らさず向き合い理解し未来へと繋げようとする現在のフランスの光の部分だと思って観てください。



事実を理解した者としての責任と覚悟、

生きている者が今するべき事、

そして残された者へのカタルシス、

これら全てがラストの一言に凝縮されており、自然に涙があふれます。


素晴らしいラストです。

そして、死ぬまでに1度は観てほしい そんな映画です。

次は文庫の方を読んでみたい。













4ヶ月、3週と2日 を観た。

2013-06-11 13:02:11 | 映画

パルムドール受賞作と言えば、過去 『ブリキの太鼓』 を観てトラウマになった経験から

カンヌと聞くと、数年経ったジャムの蓋を空けるように恐る恐る眺めている、きゅうです ども。


そんなアタシとは決して相性が良いとは言えないカンヌパルムドール受賞作を観てしまいました。


『4ヶ月、3週と2日』


1987年、ルーマニア。女子大生オティリア(アナマリア・マリンカ)は、ルームメイトのガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)とともにキャンプにでも出かけるかのようにのんびりと身支度を整えると、ひとり寮を出る。まず彼女が向かったのは大学。恋人のアディ(アレクサンドル・ポトチェアン)と会うと、頼んでおいたお金を受け取る。アディは母親の誕生パーティに彼女を誘うが、オティリアはそれどころではなかった。アディに不信感を抱かせたまま、二人は気まずく別れる。そして、彼女はガビツァから言われていたホテルに向かう。取ってあるはずの予約を確認するためだったが、フロントで「予約は入っていない」と断られる。やむなく別のホテルに予約を入れ、ガビツァに連絡を取ると、自分の代わりに男に会いに行くように頼まれる。思い通りに事が運ばないことに不安を感じ始めるオティリア。ガビツァに指示された通りにべべ(ヴラド・イヴァノフ)と会ったオティリアは、二人でホテルへ向かう。しかし、ホテルが当初の約束と変更になったことを知ると、無愛想なべべの機嫌がさらに悪化。彼を怒らせるわけにはいかないオティリアは、黙って愚痴を聞くしかなかった。ホテルに着いた二人を待っていたのはガビツァ。ホテルも待ち合わせた女も違うと、べべは二人に怒りをぶちまける。「これからやるのは違法行為だ!妊娠中絶はバレたら重い刑に問われる!分かっているのか?」詰め寄られた二人は、お金が足りないことを告白。ベベはあきれ、話にならないと帰りかける。二度とない中絶手術のチャンスを逃がすまいと必死にすがりつくガビツァ。そのとき、オティリアは覚悟を決め、ある行動を取る……。   
                                                  キネマ旬報より


なんかすごく長いあらすじ紹介になったけど、

やっぱ流石カンヌというだけあって、アタシのモヤモヤイライラ近年ベスト1に輝きました! (パチパチパチ)

国力増強のために、女性は45歳まで、4人の子供を産むまでは中絶をしてはいけないという チェウシェスク政権下のルーマニア。

望まぬ妊娠をしてしまったガビッァの為に、ルームメイトのオティリアが違法行為である中絶に向けて駆けずり回るわけなんだけど

この妊娠しているガビッァがね、脳天串刺しにしたいくらいにアタシをイラつかせてくれるんだわ。

完全に他人任せ、ウソはつくわ自分本位だわ どこまでもオティリアに依存してくるわでイイとこひとつも無し。

平然とバスルームに胎児を転がし処分はオティリアに任せ、自分はレストランでレバーのソテーを喰う。(なんて恐ろしい娘!)

ヤミ医者においては、金額が合わないと言って不足分はどちらかの身体で払えと要求する、

全くの矛盾した行為。 (「女性の味方」は「正義の味方」と同じくらいアテにならないと思っているアタシ)

そしてそれを払ったのはオティリア。(なんか弱みでも握られているのっ!?)


共産主義の社会制度に抗う事をやめどっぷりと浸かってしまったら、人間ってこんなにも自分本位になってしまうものなのか?

そしてこの主人公のオティリアだが、チャウシェスク政権に反発しルームメイトを必死に守るジャンヌダルクのように描かれているけれど

全くもって共感出来きず。(アタシ間違ってる?)

そんなもんみんなテメェでやれ! と言ってしまう個人プレー&ロジックに生きるアタシは 

自由な社会の中で何かを失ってしまっているんだろうか? (むむむ…)


それにしても本当にスッキリしない映画でした。

しかし、画面に滲み出る閉塞感といい、ドキュメンタリータッチのカメラワーク

そして俳優達の演技はとても素晴らしかった。

ここまでネタバレさせておいてなんだけど、

興味のある方は どぞ。(笑)


つーか、この映画は予備知識を持って臨んだ方が多少なりとも苛立ちが少なくてすむカモ…ね。








アマデウス ディレクターズ・カット版 を観た。

2013-03-26 00:18:07 | 映画

この間から Falco の “Rock Me Amadeus” が脳内エンドレス

気分はすっかりナウでアーバンな80年代、きゅうです ども。


そんなところに偶然か神の思し召しなのか、シネマチャンネルで


『アマデウス ディレクターズ・カット版』


が放送されていた。

当時、どうもこのコスプレがかったクルクルヘアーがツボでさ、

作品の世界観をアタシの笑いで台無しにしそうだったので

今まで観ずにいた作品だったんだ。




が、箸が転がった程度じゃ笑わなくなった今、

“モーツァルトの死をめぐる絢爛豪華な舞台劇を、見事にフィルムに転化したアカデミー8部門受賞の傑作”

という素晴らしい作品を、観ない理由は何もない。

ってな訳で観てみたら…


素晴らしいの一言に尽きました。


歴史に残る名作だと思う。

で、いつもサラリとネタバレさせる このブログ。(笑)



大衆からは受け入れられていたものの、貴族達からは斬新すぎたのか全く理解されなかったモーツァルトの音楽。

そんな貴族達の中でただ一人、モーツァルトの才能を見抜いたエリート作曲家 アントニオ・サリエリ。

彼は、天賦の才能の持ち主であるモーツァルトを最も理解してしまったがゆえに、

羨望と嫉妬の入り混じる感情に自身が打ちのめされてしまう。

モーツァルトの作り出す音楽に対する憧れ、才能に対する尊敬は、

やがて憎悪へと変わり、その狂おしいまでの才能を抹殺するべく

モーツァルトを破滅の道へと導いていく。

作曲の天才と、才能を見出す天才は、あの名曲 『レクイエム』 をこの世に誕生させた。

この鬼気迫る二人の作曲シーンは鳥肌が立つ程に見事だった。


ワリと史実に基づいたシーンがちょこちょこ出てきたのも面白かったし、

偉大な作曲家の埋葬があんなに惨めで侘しいものだったとは、この映画を観て初めて知った。

とは言ってもそこはエンターテイメント級に尾ヒレもつけて、スケール大きく話を作ってるところが大部分。(じゃないかな?)


とにかく、観る価値あり! の作品だったのであーる。