1月7日(金) NHK「おはよう日本」で京都POSSEの活動が全国放映されました!

2011-01-07 10:35:51 | 京都POSSEの活動報告です!

NHK「おはよう日本」で試用期間切りの問題が取り上げられました。
京都POSSE代表の坂倉昇平も登場しています。
番組からもわかるように、正社員で採用されたのに、半年でクビになった、という若者が後を絶ちません。
試用期間切りとは何でしょうか? どうすればキャリアを守れるのでしょうか?


■「試用期間切り」とは何か

みなさんは「試用期間切り」という言葉を聞いたことがありますか?

正社員として会社に入る場合、たいていの企業では「試用期間」が3~6ヶ月設けられています。

入社前の面接だけではわからないような事実や、著しく能力が低いことが勤務を始めてから判明した場合に備えてのことです。

試用期間が終わるまでに特に問題が無ければ、「本採用」となり、通常の雇用契約に移行するのです。

ところが、この試用期間が満了するときに、「あなたは本採用にはなりませんでした」と言われて解雇になってしまう人もいます。これが、「試用期間切り」です。


■「試用期間切り」は合法なの?

これだけ当たり前に設けられている「試用期間」ですが、実は法律上の規定は全くありません。

ですので、試用期間が設けられていたとしても、正社員として契約書を交わしていれば、法律上は本採用になる前から正社員なのです。

同じように、「試用期間切り」は、法律上は「解雇」ということになります。

きちんとした理由が無いと解雇できないことは知っている人も多いと思います。「試用期間切り」も、当然、きちんとした理由が無ければ解雇はできません。

具体的には、

・面接の際に虚偽の情報を伝えたことが勤務後に判明した場合
・就職時に有すると期待されていた能力が著しく低いことが勤務後に判明し、研修や訓練を行っても改善が見られない場合
・勤務態度が著しく悪い場合

などです。

理由も無く「本採用ではありません」とだけ告げられたり、「うちの社風に合わない」、「思ったよりも能力が低い」という程度の理由では、合法な「試用期間切り」にはならないのです。

POSSEに来る相談は、ほとんどが解雇の理由として適切とは思えない違法なものです。

就職難の時代に、気軽に雇って「試用期間が終わったから」というだけの理由で若者のキャリアを奪う会社があまりに多いというのが相談を受けていて感じる印象です。


■試用期間切り以外にも、試用期間に関するトラブルが!

試用期間「切り」以外にも、試用期間に関する相談が寄せられています。

(1)試用期間がいつまでかわからない
(2)試用期間を一方的に延長された
(3)試用期間の間だけ待遇が低い

などです。具体的に、これらのトラブルに遭ったときは、どのように考えたらよいのでしょうか?

(1)試用期間は労働者との合意によって定めるものですから、当然その「期間」についても事前の合意が無ければいけません。試用期間がいつまでなのか労働者にわからない場合は、そもそも合意が成立しているとは言えない状況と判断できます。

(2)試用期間はあくまで「入社前の面接だけではわからないような事実や、著しく能力が低いことが勤務を始めてから判明した場合に備えて」設定されているものですから、延長するには試用期間の間だけでは判断しきれないだけの特別な事情が無ければいけません。更に、延長する場合には労働者の合意が必要ですし、延長の期間を元々設定されていた使用期間よりも長く設定してはいけません。

(3)試用期間のときの待遇に差別を設けることについては、特別な合意を労働者と結んでいない限りは違法です。また、試用期間中も通常の労働者と同じように法律で保護されているので、試用期間中は無給であるとか、社会保険に加入させないとか、そういった取り扱いは労働者の合意があっても違法ということになります。


■若者のキャリアを奪う「試用期間切り」に備えて

では、これから入る会社で試用期間切りに遭わないために・遭ったときに備えて、何ができるのでしょうか?

まず、今からできる簡単な、しかし大切なことは、記録をつけることです。試用期間の期間や待遇については、書面を交わさず、口頭で説明するだけの会社もあります。こうした場合は、手帳にメモをとるなどして、記録を残しておきましょう。

次に、試用期間切りに遭った場合には、まずPOSSEに相談してください。不当な試用期間切りであっても、会社に行かずにいると、納得したことになってしまうからです。また、理由を確認して、記録をつけておくことも必要です。会社がどのような理由で解雇にしたのかが、試用期間切りの合法性を検討する際に重要なポイントとなるからです。

最後に、中期的な話として、試用期間に関するガイドラインを定める必要があります。期間の上限や待遇差別の範囲、更に試用期間の取り決めの仕方など、法整備が追いついておらず、基準が全く無いのが現状です。この点は、政策提言としてPOSSEからも試用期間切りの実態と課題を発信していきたいと考えています。


◇「若者のキャリアを守ろうキャンペーン」実施中!
 私たちNPO法人POSSEは現在、若者のキャリア支援に取り組んでいます。会社の違法行為や劣悪な労働条件によって多くの若者が退職やメンタルヘルスの不調に追い込まれている現状に対して問題提起していきます。本セミナーのほかに、就職の際に必要となる法律に関する知識を網羅したHP「就職・就活に関する法律ガイド」の創設、若者の置かれている労働実態を明らかにするための調査活動などを行っています。
※詳細はこちら→http://www.npoposse.jp/soudancenter/mamoro-kyannpe-nn.html


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☆京都 POSSEでは労働相談を受け付けています!

京都POSSEは労働相談、政策研究・提言、調査活動、労働法教育事業、労働法セミナーなどのイベント運営等を若者自身の手で行うNPO法人で、2009年12月に設立されました。
労働相談の件数は全国から年間300件を超えています。
現在、京都大学、同志社大学、立命館大学、龍谷大学など京都の大学や、大阪大学、大阪市立大学など大阪の大学の学生も参加し、社会人も合わせて約30名のメンバーで運営しています。
「ひとまち交流館京都」市民活動総合センター(河原町五条下る東側)内に事務所を構え、活動しています。

働きていて何かおかしいと思ったときはお気軽に連絡ください。


TEL:075-365-5101
E-mail:kyoto@npoposse.jp


☆京都POSSEではボランティアを募集しています
労働や貧困の現場を知りたい、勉強したい、自分の力を社会のために発揮したいといった方は、是非一度見学にいらしてください。
最近ではボランティア説明会やイベント、メディア記事を見てなどから、新しくボランティアに参加してくれている人が増えています。
時期や学年、学部等問いません。
連絡は京都POSSE事務所の方に電話又はメールを頂けたらと思います。

お気軽にご連絡下さい。連絡お待ちしております!



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■京都事務所:京都市下京区西木屋町通上ノ口上る梅湊町83-1
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TEL/ FAX:075-365-5101
E-mail:kyoto@npoposse.jp
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