2月11日（土）に「職場うつ対策セミナ－」を開催しました。当日は天気にも恵まれ、30人ほどの参加者にお越しいただきました。
今回は講師として京都第一法律事務所の大河原壽貴 弁護士をお招きしました。大河原先生はジヤトコ派遣切り裁判など、京都で多くの労働事件に精力的に取り組んでいる若手の弁護士です。当日の講演では、弁護士として実際に受けた豊富な裁判事例や実態についてお話しいただきました。
講演
講演の中で先生は職場のうつ病の発生原因として、上司からのハラスメント、責任過重、そして過剰なノルマが大きなものとしてあると強調されました。それに長時間労働が加わることで、更にうつ病を発症する可能性は高まるとのことです。
また先生の経験された裁判事例から職場のうつの実態をお話いただきました。そうした事例の一つに、公立学校教職員の長時間労働とうつの問題があります。公立学校の教職員で精神疾患による休職、退職がかなり増えてきているそうです。先生はこうした実態について「校内暴力やモンスターペアレントなども原因かもしれませんが、基本的には過密労働が原因であると考えています。公立学校の先生は「合法的」なサービス残業の温床です。どんなに夜で仕事をやったり、部活で遅くなったり、呼び出し等で遅くなっても時間外手当はつきません …裁判をした先生の中では短くても70時間多い人では110時間くらい月に時間外労働がありました。過労死ラインが80時間ですから、相当な状況であることがわかると思います」とコメントされていました。
公立学校教職員の精神疾患の蔓延は最近非常に深刻な問題となっています。教職員の精神疾患による休職者数は平成12年度には2262人なのに対して平成21年度には5458人にまで増加しているようです。大河原先生がコメントされたように、長時間労働との関連が強いと思われます。
最後に、先生は解決策として「決して泣き寝入りしない」ということをおっしゃっていました。「おかしいなと思ったら弁護士でも労働組合でもPOSSEのような相談機関でも良いので一度相談してみてほしい。声を上げることなしには何も変わらない」とのことです。また相談する際には、どのような形でも良いので被害や労働時間の記録をつけておき、証拠として使えるようにするといいそうです。自筆のメモやタイムカード、ICレコーダーなどを駆使し、いざという時に泣き寝入りしないようにできるだけ普段から証拠を残すことが重要だとおっしゃっていました。
ワークショップ
先生のご講演後は来場者とPOSSEのメンバーを3グループに分けて、ワークショップを行いました。でワークショップでは講演の中でわからなかったことや、職場の悩みなどについて話し合っていただき、先生にテーブルを回ってもらいながら解説やコメントをもらいました。ワークショップは非常に盛り上がり、参加者からは普段働いていて困っていることについての相談が多数寄せられました。その中には職場の違法やパワハラ・セクハラなどの深刻な相談も多くあり、先生も参加者の関心の高さに驚かれていました。
まとめ
セミナーの最後に大河原先生は「こうした状況をそのままにして何もしなければ最悪の場合、冗談ではなく死んでしまうかもしれません。ですから、不安が少しでもあれば僕らのような弁護士とかPOSSEみたいな相談機関に相談してみてください」ということを再度強調されていました。
私たちが相談を受けていても、最近特に職場でのうつ病の相談が数多く寄せられています。その中で目立つのが「自分も悪かったから」と自らを責めてしまっているという事例です。しかし職場でうつ病が発生する背景には、業務の過重性、少ない人員配置や配慮不足によるぎすぎすした人間関係、上司によるパワハラなどがあります。職場のうつ病を本人の責任に還元することはできません。先生のおっしゃるとおり、何もしなければ死んでしまうこともあります。自分の職場や家族・友人の働き方で何かお悩みのことがありましたら、大事になる前に、弁護士やＰＯＳＳＥなどの相談機関にぜひ一度ご連絡することをお勧めします。
なお、今回のセミナーではお越しいただいたお客様に、私たちが作った「『職場うつ』対策サポートハンドブック」を配らせていただきました。このハンドブックは職場におけるパワハラや長時間労働により、大切な人がうつ病になってしまう前に周囲の人ができる対策について紹介させていただいています。セミナー当日には参加者にもご好評いただきました。ハンドブックにつきましては下記URLよりダウンロードすることができます。
「『職場うつ』対策サポートハンドブック」
http://www.npoposse.jp/soudan/sapohan.html
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ＮＰＯ法人ＰＯＳＳＥ
■京都事務所：京都市下京区西木屋町通上ノ口上る梅湊町83-1
「ひと・まち交流館」２階京都市市民活動総合センター内NPO法人POSSE
TEL/ FAX：075-365-5101
E-mail：kyoto@npoposse.jp
ブログ：http://blog.goo.ne.jp/kyotoposse
■東京事務所：東京都世田谷区北沢4-17-15ローゼンハイム下北沢201号
TEL：03-6699-9359
FAX：03-6699-9374
E-mail：info@npoposse.jp
ＨＰ:http://www.npoposse.jp/
ブログ：http://blog.goo.ne.jp/posse_blog
■仙台事務所：仙台市青葉区一番町4-1-3 仙台市市民活動サポートセンター
TEL：080-3243-7051
mail：sendai@npoposse.jp
ブログ：http://blog.goo.ne.jp/sendai-posse
今回は講師として京都第一法律事務所の大河原壽貴 弁護士をお招きしました。大河原先生はジヤトコ派遣切り裁判など、京都で多くの労働事件に精力的に取り組んでいる若手の弁護士です。当日の講演では、弁護士として実際に受けた豊富な裁判事例や実態についてお話しいただきました。
講演
講演の中で先生は職場のうつ病の発生原因として、上司からのハラスメント、責任過重、そして過剰なノルマが大きなものとしてあると強調されました。それに長時間労働が加わることで、更にうつ病を発症する可能性は高まるとのことです。
また先生の経験された裁判事例から職場のうつの実態をお話いただきました。そうした事例の一つに、公立学校教職員の長時間労働とうつの問題があります。公立学校の教職員で精神疾患による休職、退職がかなり増えてきているそうです。先生はこうした実態について「校内暴力やモンスターペアレントなども原因かもしれませんが、基本的には過密労働が原因であると考えています。公立学校の先生は「合法的」なサービス残業の温床です。どんなに夜で仕事をやったり、部活で遅くなったり、呼び出し等で遅くなっても時間外手当はつきません …裁判をした先生の中では短くても70時間多い人では110時間くらい月に時間外労働がありました。過労死ラインが80時間ですから、相当な状況であることがわかると思います」とコメントされていました。
公立学校教職員の精神疾患の蔓延は最近非常に深刻な問題となっています。教職員の精神疾患による休職者数は平成12年度には2262人なのに対して平成21年度には5458人にまで増加しているようです。大河原先生がコメントされたように、長時間労働との関連が強いと思われます。
最後に、先生は解決策として「決して泣き寝入りしない」ということをおっしゃっていました。「おかしいなと思ったら弁護士でも労働組合でもPOSSEのような相談機関でも良いので一度相談してみてほしい。声を上げることなしには何も変わらない」とのことです。また相談する際には、どのような形でも良いので被害や労働時間の記録をつけておき、証拠として使えるようにするといいそうです。自筆のメモやタイムカード、ICレコーダーなどを駆使し、いざという時に泣き寝入りしないようにできるだけ普段から証拠を残すことが重要だとおっしゃっていました。
ワークショップ
先生のご講演後は来場者とPOSSEのメンバーを3グループに分けて、ワークショップを行いました。でワークショップでは講演の中でわからなかったことや、職場の悩みなどについて話し合っていただき、先生にテーブルを回ってもらいながら解説やコメントをもらいました。ワークショップは非常に盛り上がり、参加者からは普段働いていて困っていることについての相談が多数寄せられました。その中には職場の違法やパワハラ・セクハラなどの深刻な相談も多くあり、先生も参加者の関心の高さに驚かれていました。
まとめ
セミナーの最後に大河原先生は「こうした状況をそのままにして何もしなければ最悪の場合、冗談ではなく死んでしまうかもしれません。ですから、不安が少しでもあれば僕らのような弁護士とかPOSSEみたいな相談機関に相談してみてください」ということを再度強調されていました。
私たちが相談を受けていても、最近特に職場でのうつ病の相談が数多く寄せられています。その中で目立つのが「自分も悪かったから」と自らを責めてしまっているという事例です。しかし職場でうつ病が発生する背景には、業務の過重性、少ない人員配置や配慮不足によるぎすぎすした人間関係、上司によるパワハラなどがあります。職場のうつ病を本人の責任に還元することはできません。先生のおっしゃるとおり、何もしなければ死んでしまうこともあります。自分の職場や家族・友人の働き方で何かお悩みのことがありましたら、大事になる前に、弁護士やＰＯＳＳＥなどの相談機関にぜひ一度ご連絡することをお勧めします。
なお、今回のセミナーではお越しいただいたお客様に、私たちが作った「『職場うつ』対策サポートハンドブック」を配らせていただきました。このハンドブックは職場におけるパワハラや長時間労働により、大切な人がうつ病になってしまう前に周囲の人ができる対策について紹介させていただいています。セミナー当日には参加者にもご好評いただきました。ハンドブックにつきましては下記URLよりダウンロードすることができます。
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http://www.npoposse.jp/soudan/sapohan.html
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