「京都・北山丸太」 北山杉の里だより

京都北山丸太生産協同組合のスタッフブログです

北山杉の挿し穂(挿し木)

2013年05月14日 | 生産作業 工程

5月に入り、いつになく肌寒い日が続いたかと思えば今度は初夏の陽気となり、体を気候に合わせるのが大変です。

しばらくこのブログの投稿をお休みさせていただきましたが、今後また少しずつアップしていきたいと思いますので、たまに覗いていただけたらと思います。

さて、ちょうど今の時期、北山杉を育てる最初の作業、「挿し穂(挿し木)」の時期です。いや、ちょっと遅いでしょうか?最適期は5月初旬なんですが・・・
先週、北区中川の方が北山杉の挿し穂をされている様子を見せていただきました。

北山杉の苗作りはすべて挿し木で行います。これを「挿し穂」と言います。一般的には杉の苗は実を蒔いて作るのですが、何故北山杉は挿し木をするかというと、磨丸太に適した優良な品種の性質そのまま次世代に引き継ぐことができる手段が挿し木だからです。

北山杉は、磨丸太として柱や桁に使うため、より真っ直ぐで丸く、木肌表面が干割れしにくく枝打ち跡が成長とともにより早く目立たなくなるなど、部材として欠点が少ない品種を何百年もの間、山主が自分達で選んで育ててきました。そして良い品種が見つかると、その枝を採り挿し木をして、次世代に受け継いできたのです。

なので北山地域の林家さんは、各家自家製の、自信ある北山杉の優良品種を代々受け継いでもっています。まさにお米でいう「コシヒカリ」や「ササニシキ」といったところですね (^^)V

また挿し木をすると同一品種を多く作ることができて、植林する林分が同一品種で揃うので均一の太さや品質の材を収穫できる利点もあるのです。

さてこれが挿し穂の様子です。こうして苗床(なえどこ)に等間隔に穴をあけ、その穴に1本1本丁寧に植えていきます。

そして2年間、この苗床で育て2年後に発根の良い苗を山に植林するのです。

 

この山主さんが言いました。「北山杉を育てる作業のなかで一番大事な作業は苗選びなんや。この苗選びを間違うと、30年間どんなに一生懸命手入れしても良い北山丸太にはならないからなぁ・・」

挿し穂の作業は2~3日で終わりますが、北山杉を育てて良い北山丸太を作るために、長年、杉を見て品種を選んできた北山地域の長い歴史と林業家の努力があることを改めて知ることができました。
 

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