黒砂台鍼灸あん摩治療院

鍼灸院の日常日記

お灸のお話 少穴多壮と多穴少壮

2010-11-18 10:11:02 | 施術の説明 お灸
お灸の治療原則に「少穴多壮」「多穴少壮」というのが有ります。
「治療を行う経穴数が少ないときは施灸回数を多くし、経穴数を多く取るときは施灸の数を少なくせよ」
というような意味です。

「壮」という漢字、鍼灸の世界ではお灸の数の単位として用いられています。
「米粒大焼ききり5壮」というようにある場合は「米粒大にもぐさを捻ってツボに乗せてもぐさの勢いに任せて焼ききる。これを5回」というような感じです。
いつからこの壮という単位が用いられているのかは判らず。勉強不足です。
ただ、この「壮」という漢字には数に変えられるような意味合いは無いんですよね。治療院に常備してある新字源を見ても
①おおきい、大きい男②わかもの、としざかり、30前後の男③さかん、さかんである、さかんにする④つよい⑤いさましい⑥そこなう⑦陰暦8月の称
となっています。
まあこれらの中のどれかの意味合いを当てているのでしょうね。

自分がお灸で治療する際に目安にしているのは、局所の治療の場合は「少穴多壮」、全身症状や慢性疾患では「多穴少壮」を心がけるようにしています。
局所と行っても痛みや愁訴の箇所がはっきりしないような場合は「多穴少壮」に取るようにしています。
疾患によっては時期で「少穴多壮」と「多穴少壮」を切り替えるものも有ります。不妊治療などでは通常期は「多穴少壮」ですが排卵日以降は「少穴多壮」に切り替えるようにします。つまり基礎体温にリンクするように治療組み立てていくわけです。

本来、「少穴多壮」「多穴少壮」はもぐさを捻って行う、透熱灸や知熱灸で始まったものですが、台座灸や筒状灸でも同様に考えて使用します。「少穴多壮」には筒状灸、「多穴少壮」には台座灸なんて使い方も行います。






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