黒砂台鍼灸あん摩治療院

鍼灸院の日常日記

お灸と火傷(やけど) どう予防するのか?

2010-11-16 09:42:51 | 施術の説明 お灸
お灸の施術で患者さんがいちばん心配するのは火傷(やけど)の問題です。焼切りの直接灸はもちろん棒灸や台座灸、筒状灸や灸頭鍼でも場合によって発生することが有ります。
もちろんケースは少ないですが疾患等によっては計算ずくで火傷を起こす場合も有ります。イボやホクロや魚の目に対する焦灼灸などが代表例です。

施術をする上で問題になるのが予期しなかった火傷。これを如何に予防するかが非常に大事です。
では、どうするのか?結論から言うと徹底的に自分の身体に施灸しまくってどうしたら火傷するのかを試すことです。
通常では行わない施術でも自分の身体で試すわけです。その上でどのような状況で予期しない火傷が起きるのかを文字通り身体に刻みこんでいくしか方法は無いと考えています。
どうすれば火傷するのかを突き詰めれば火傷をしない施灸につながっていくと考えています。

これは鍼でも同じです。鍼での問題は内出血です。これも徹底的に内出血を起こすべく自分に鍼して身体に刻みこんでいくしか有りません。
自分の静脈に直接刺鍼をして静脈弁近辺でどの部位が内出血しやすいのか徹底的にやってたり、鍼の抜き刺しで手技を荒くしたり。わざと内出血を起こしてみることで内出血をしない鍼につなげていくしかないと思っています。
なにより
「患者さんに行う施術以上に突っ込んだ施術を自分に対して行っていない治療家は信用できない」
ということです。

先日注文した新しい台座灸と筒状灸、到着以来ヒマを見ては自分の身体のあちこちに施灸して試しまくっています。
施灸部位、施灸方法、施灸回数、わざと失敗するような施灸も行って来ました。無理やり火傷をするような施灸を行ったら案の定火傷になりました。

せっかくなので写真を上げておきます。


これは火傷した写真。施術後はあまり変化は無かったのですが、施術2日目の入浴で身体を洗ったら皮膚が破れてしまいました。
これは筒状灸(強)を施術した痕ですがわざと火傷が起きやすいように行ったものです。



これは同じ筒状灸(強)を反対の腕の同じ部位に行った物。こっちは通常の施灸方法で行っていますが問題は出ていません。想定したどおりの施灸の反応が出ています。

これら2つの施灸の方法の違いは本当に僅かなものです。患者さんにしか施灸しない人にはわからない違いでしょう。でも、これだけの差が出てくるわけです。自分で火傷して初めてわかる違いです。

治療効果と火傷の危険は隣合わせに有るようなものです。危険を恐れてあまりに刺激量が少なくなれば治療効果は望めません。一歩踏み込む勇気を持つためにも毎日自分に施灸し、刺鍼し続けるしか無いと思っています。











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