黒砂台鍼灸あん摩治療院

鍼灸院の日常日記

あん摩の道具

2010-07-24 13:04:23 | 施術の説明 あん摩・マッサージ
あん摩は手で行う施術ですが大事な道具があります
それは手ぬぐい
薄い布一枚ですがこれが有るのと無いのとでは大きく違います
この手ぬぐい一枚が施術部のスレを防ぐ役割を果たしているわけです

「イマドキ手ぬぐいかよ」
   
と思うやも知れませんがなかなか他のものでは代用が効きません
     
「でも自分が受けたところではタオルだったよ」

とおっしゃる方もいるかも知れませんね
まあそれはですね、イロイロ・・・
ともかく、いわゆるあん摩の揉み(揉捏=ジュウネツと言います)は難しいです
患部に圧をかけながら動かすわけですから、タオルの場合パイルが有る分ずれやすく揉んだ部分がスレて赤くなったりしやすいです
もっと大事なのはタオルを使っていると解んないんです
触っているところの緊張具合やなんかの肝心な情報が

というわけで手ぬぐいは結構大事です



これは夏っぽい一枚
お気に入りですがもうそろそろ “お役ごめん” のころあいですかね
続きで手ぬぐいのコダワリポイントやらなにやら
    

同じ手ぬぐいとは言っても向き不向きがあったりします
初めてのころに買ったものはダメでしたね
安さにつられて買ったものは目が粗く指に引っかかる感じで
で、調べてみたら手ぬぐいの生地にもイロイロあることがわかりました
大体4種類に分けられるようで順に
  
  総理(そうり、別名で文:ぶん)
  上文(じょうぶん)
  岡(おか)
  特岡(とくおか)

と有るようです
下に行くにつれ織糸が細くなり織りも細かくなります
      
総理はもっとも糸が太く硬めでざっくりした肌触りです 
上文は織りは総理と変わらない気がしますが糸の差なのか柔らかめ
岡になると目も細かく肌触りも良いですね
特岡はすべるような感触でなんともいえない感じです
まあ持っている手ぬぐいすべてで生地の特定ができていないので
あくまでザットした感想です
特に上文と判明しているのは持っていないので、たぶんこれは上文の
手ぬぐいだろうと判断したものの感想ですが・・・
あん摩に使うことで考えると
総理はちょっと不向きです、自分は頭に巻いちゃってます
上文は使い込むとまあ何とかいけるのですがちょっと腰が足りない気が
岡はあん摩に向いてます
特岡もあん摩に向いています
お気に入りの手ぬぐいはほとんど岡か特岡のものとなっていますね

もちろんあくまであん摩に使うならという前提です
            
ちなみに以下はお気に入りの手ぬぐいたちです

   


左から歌舞伎手ぬぐい、朝顔、波千鳥
歌舞伎の手ぬぐいはもう生地のコシが無くなって引退なんですが
なんとなくお気に入りで使っています

  


左のは祖父の形見から見つけたもの 昭和62年の文字が見えます
真ん中は以前にあん摩の大先輩からいただいたもの
右は学校の実技用、さすがに使いやすく恥ずかしながら今も現役      
こんな感じで手ぬぐいもイロイロ結構大事な相棒です



自分は手ぬぐいでこそと思っているのですが・・・
昨今はタオルで行っているところも多くなっているようです
タオルの上からでも可能なゴッドハンドが増えたのか? 
それとも患部からの情報を少しでも多く得ようとしない無頓着な施術が増えたのか?
やれやれという感じです

ちなみに指圧でも手ぬぐいを使用します
その道のベテランさんに聞いたら理由は一緒
「タオル越しより解りやすいでしょ」
とおっしゃってました

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