WiiのRPG大作と名高い『THE LAST STORY(ラストストーリー)』を発売日に購入したものの、ブログをさぼっていた為にレビューが今になってしまいました。見せてもらおうか!坂口博信渾身の作品とやらを!
このゲームをプレイするにあたり、確実に押さえておきたい点と言えば、やはり『ファイナルファンタジー』の生みの親である坂口博信氏による引退覚悟の大作RPGというふれこみがあったという事です。ファミコン時代、低迷していた『スクウェア』を救う最後の作品として名付けられた『ファイナルファンタジー』が大ヒット。それに願掛けをしている事もあるのか、タイトルが『ラストストーリー』となっているのは有名な話です。
しかし、悲しいかな本作品は大ヒットとはいかず、近頃の坂口さんのツイッターのつぶやきの少なさなどを見ても、なかなか悲しい現実が突きつけられてしまった・・・というのは拭えないように感じます。いや、でも個人的には、この作品がラストじゃなくていいと思う。と、つぶやいてみる。
このゲームはRPGとして冠しているので、やはりゲーム性については『ストーリー』や『戦闘システム』にしぼった方が話は進めやすいですね。
という訳で、ストーリーです。
実際にプレイしてみると悪くないんです。悪くはない。
しかし、『ファイナルファンタジー』をやっているとニヤリとしてしまう展開が目白押しな感じがしました。そう、似てるんです。坂口さんの作った『ファイナルファンタジー』と『ラストストーリー』は似ている。主人公の軟弱な部分と硬派な部分、そして悩み、それでも戦う!というあの雰囲気はまさにスーパーファミコン時代の『ファイナルファンタジー』の主人公さながらでした。
あまり『ファイナルファンタジー』とかぶせてしまうのは悲しいので、もっと言い換えて言えば、「どこかでみたことのある主人公」となってしまいます。坂口さんの人間性の出ている良いキャラクターではあると思うのですが、主人公にするにはどこか頼りなげで、キャラ立ちが弱く感じられました。それゆえ生身の人間的な要素が感じられるのではありますが。
しかし、ストーリーを優先している本作においては主人公の魅力はかけがえのない要素。という事もあってか、主人公のキャラ立ちについての補完的な要素として、ヒロインの『カナン』が登場します。『アシタカ』と『サン』ではないですが、この2人一組で、ようやく物語を動かす大きな主人公に化けるのですが・・・個人的にはやはり主人公『エルザ』単体で、物語序盤からもっと立って欲しかった。
大戦のさなかにありつつも繊細な恋愛模様あり。
思い出してみると、一つ一つのシーンがドラマチックに進んでいたように感じます。なんというか『ローマの休日』の様な雰囲気に。大作RPGをこういう方法で形にしたか~!と、今になってみれば感じ取る事が出来ます。
このゲームは、ストーリーに引っ張られながら進むという雰囲気がすごく強いです。プレイヤーがやや置いてきぼりにされる傾向があったように感じました。そしてストーリーも先ほど『ローマの休日』に例えましたが、やや古き良き、という感じを受けてしまいました。
当初のWebサイトなどから出ている情報が、もっと自由度の高い雰囲気を感じさせてくれていたので・・・それだけに肩すかし感はありました。
続けて、ゲーム性や戦闘システムについて。
このゲームの戦闘システムは、非常に興味深いものでした。というか一言でいえば戦闘システムはとても楽しいものでした。移動中は仲間がべらべらとしゃべっているけども、『ゼノブレイド』よりもしっかり会話しているし、本当にそこに仲間が居る様な雰囲気を作る事が出来ています。
また、多数対多数という戦闘システムを『ラストレムナント』とはまた違った切り口で構築する事が出来ています。敵の注意を引きつける『ギャザリング』というシステムはストーリー上、主人公の『エルザ』しか使う事が出来ないのですが、このシステムは今後の個人でプレイするリアルタイムバトルに新しい風を吹き込んだのではないでしょうか。
また、仲間も、それぞれにきちんと役割もって戦いを進めてくれるので、チームで戦っている。という印象を受ける事が出来ます。『FF12』の『ガンビット』で動いた仲間よりも頼もしく感じました。この戦闘システムでもっと自由度の高いクエスト受領系のオンラインゲームを作れば・・・イイ線行けそうな気がするんですが・・・。
それから、システムで有名どころといえば、このゲーム。一つの街ですべてが完結します。というと語弊がありますが、街が一つしかありません。それだけに街がやたら広く、マップを覚えるのがコレがまた大変だったりするぐらいに気合いの入った作りなのですが、その割に生活感がちょっと足りない様な気がしました。
具体的に何故か?という所に言葉が見つからないのですが、なんと言うんでしょう、思っていた以上に無機質な感じを受けたのです。生活感というところでは『ゼノブレイド』の方が、まだ感じる事が出来たと思います。どうも街の人々に関わるクエストが少なすぎた。という所でしょうか・・・。そこは惜しいところです。
一つの街で完結するのはある意味良いアイデア(昔管理人も一つの街でRPGツクールを作ろうとしていた)だと思います。あ、『ウィザードリィ』なども一つの街ですしね!
ソツのない良いゲーム。と思います。及第点は越えているように思います。しかし、街を一つにしてしまった事による事で、ミニマムに広いというシーンを狙ったため、壮大さを感じる事が出来なく、やはり一つの街で物事を動かすなら天空の城ぐらいに大きくしてもらった方が壮大さを感じる事が出来たのではないでしょうか。(近いものはあったのかもしれませんが・・・)
本当に及第点を越えた感じのゲームでしたし、新しいシステムに果敢にチャレンジしている、ある意味尖った良い作品であったように思います。しかし、坂口博信の最後の作品・・・にしてしまうにはまだまだ伸びしろが感じられる作品でした。コレを機にもう少し壮大な雰囲気やゲームシステムを継承して、『ラストストーリー2』をリリースしてくれれば・・・もっと評価が変わってくる作品のように感じます。
次回作に期待したい良い作品だったように思います。
今日はこの辺で。
P.S.
『ASHアルカイックシールドヒート』に比べれば遥かに面白いゲームでした。
* Wiiで発売された坂口博信による大作RPG
このゲームをプレイするにあたり、確実に押さえておきたい点と言えば、やはり『ファイナルファンタジー』の生みの親である坂口博信氏による引退覚悟の大作RPGというふれこみがあったという事です。ファミコン時代、低迷していた『スクウェア』を救う最後の作品として名付けられた『ファイナルファンタジー』が大ヒット。それに願掛けをしている事もあるのか、タイトルが『ラストストーリー』となっているのは有名な話です。
しかし、悲しいかな本作品は大ヒットとはいかず、近頃の坂口さんのツイッターのつぶやきの少なさなどを見ても、なかなか悲しい現実が突きつけられてしまった・・・というのは拭えないように感じます。いや、でも個人的には、この作品がラストじゃなくていいと思う。と、つぶやいてみる。
* ラストストーリーという物語について
このゲームはRPGとして冠しているので、やはりゲーム性については『ストーリー』や『戦闘システム』にしぼった方が話は進めやすいですね。
という訳で、ストーリーです。
実際にプレイしてみると悪くないんです。悪くはない。
しかし、『ファイナルファンタジー』をやっているとニヤリとしてしまう展開が目白押しな感じがしました。そう、似てるんです。坂口さんの作った『ファイナルファンタジー』と『ラストストーリー』は似ている。主人公の軟弱な部分と硬派な部分、そして悩み、それでも戦う!というあの雰囲気はまさにスーパーファミコン時代の『ファイナルファンタジー』の主人公さながらでした。
あまり『ファイナルファンタジー』とかぶせてしまうのは悲しいので、もっと言い換えて言えば、「どこかでみたことのある主人公」となってしまいます。坂口さんの人間性の出ている良いキャラクターではあると思うのですが、主人公にするにはどこか頼りなげで、キャラ立ちが弱く感じられました。それゆえ生身の人間的な要素が感じられるのではありますが。
しかし、ストーリーを優先している本作においては主人公の魅力はかけがえのない要素。という事もあってか、主人公のキャラ立ちについての補完的な要素として、ヒロインの『カナン』が登場します。『アシタカ』と『サン』ではないですが、この2人一組で、ようやく物語を動かす大きな主人公に化けるのですが・・・個人的にはやはり主人公『エルザ』単体で、物語序盤からもっと立って欲しかった。
大戦のさなかにありつつも繊細な恋愛模様あり。
思い出してみると、一つ一つのシーンがドラマチックに進んでいたように感じます。なんというか『ローマの休日』の様な雰囲気に。大作RPGをこういう方法で形にしたか~!と、今になってみれば感じ取る事が出来ます。
このゲームは、ストーリーに引っ張られながら進むという雰囲気がすごく強いです。プレイヤーがやや置いてきぼりにされる傾向があったように感じました。そしてストーリーも先ほど『ローマの休日』に例えましたが、やや古き良き、という感じを受けてしまいました。
当初のWebサイトなどから出ている情報が、もっと自由度の高い雰囲気を感じさせてくれていたので・・・それだけに肩すかし感はありました。
* ラストストーリーのゲーム性について
続けて、ゲーム性や戦闘システムについて。
このゲームの戦闘システムは、非常に興味深いものでした。というか一言でいえば戦闘システムはとても楽しいものでした。移動中は仲間がべらべらとしゃべっているけども、『ゼノブレイド』よりもしっかり会話しているし、本当にそこに仲間が居る様な雰囲気を作る事が出来ています。
また、多数対多数という戦闘システムを『ラストレムナント』とはまた違った切り口で構築する事が出来ています。敵の注意を引きつける『ギャザリング』というシステムはストーリー上、主人公の『エルザ』しか使う事が出来ないのですが、このシステムは今後の個人でプレイするリアルタイムバトルに新しい風を吹き込んだのではないでしょうか。
また、仲間も、それぞれにきちんと役割もって戦いを進めてくれるので、チームで戦っている。という印象を受ける事が出来ます。『FF12』の『ガンビット』で動いた仲間よりも頼もしく感じました。この戦闘システムでもっと自由度の高いクエスト受領系のオンラインゲームを作れば・・・イイ線行けそうな気がするんですが・・・。
それから、システムで有名どころといえば、このゲーム。一つの街ですべてが完結します。というと語弊がありますが、街が一つしかありません。それだけに街がやたら広く、マップを覚えるのがコレがまた大変だったりするぐらいに気合いの入った作りなのですが、その割に生活感がちょっと足りない様な気がしました。
具体的に何故か?という所に言葉が見つからないのですが、なんと言うんでしょう、思っていた以上に無機質な感じを受けたのです。生活感というところでは『ゼノブレイド』の方が、まだ感じる事が出来たと思います。どうも街の人々に関わるクエストが少なすぎた。という所でしょうか・・・。そこは惜しいところです。
一つの街で完結するのはある意味良いアイデア(昔管理人も一つの街でRPGツクールを作ろうとしていた)だと思います。あ、『ウィザードリィ』なども一つの街ですしね!
* ラストストーリーの総評
ソツのない良いゲーム。と思います。及第点は越えているように思います。しかし、街を一つにしてしまった事による事で、ミニマムに広いというシーンを狙ったため、壮大さを感じる事が出来なく、やはり一つの街で物事を動かすなら天空の城ぐらいに大きくしてもらった方が壮大さを感じる事が出来たのではないでしょうか。(近いものはあったのかもしれませんが・・・)
本当に及第点を越えた感じのゲームでしたし、新しいシステムに果敢にチャレンジしている、ある意味尖った良い作品であったように思います。しかし、坂口博信の最後の作品・・・にしてしまうにはまだまだ伸びしろが感じられる作品でした。コレを機にもう少し壮大な雰囲気やゲームシステムを継承して、『ラストストーリー2』をリリースしてくれれば・・・もっと評価が変わってくる作品のように感じます。
次回作に期待したい良い作品だったように思います。
今日はこの辺で。
P.S.
『ASHアルカイックシールドヒート』に比べれば遥かに面白いゲームでした。
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SQを傾かせたのもFF(映画)ですからねぇ
それにあやかっても・・・
最近やっているのはPSPのFF4 Complete Collectionです
やっぱこの頃のRPGが一番よかったなぁ・・・
とオッサンは懐古しています
エンカウントの高さにはうんざりですが・・・
そのFF4さえも追加ダンジョンで止まったまま放置中
FF4続編はいつになったら始められることやら・・・
自分もFF4の後編をWiiウェアで買いましたがどうにも続きませんでした。もちろん雰囲気は大好きなのですが。やっぱりエンカウント高いですよねアレ。
今はやはり気分はドラクエに持ってかれています(笑)