米軍の大規模な撤退を控えめな大戦略への転換を図れ
バリー・R・ポーゼン マサチューセッツ工科大学教授
米財政の健全さを取り戻すために、社会保障支出の大幅な削減を検討せざるを得ない状況にあるというのに、ワシントンは依然としてドイツや日本の安全保障に事実上の補助金を出している。これでは富裕層(国)に社会保障給付を提供しているようなものだ。アメリカが覇権的で拡大的な大戦略を維持してきたために、同盟国の安全保障をアメリカが肩代わりする事態が続き、同盟国は応分の負担をするのさえ嫌がるようになった。それだけではない。敵を倒すたびに新しい敵が作り出され、中ロなどの他の大国は連帯してアメリカの路線に反対するソフトバランシング路線をとるようになった。状況を正し、現実的な安全保障戦略へと立ち返るには、現在の大戦略をより抑制的な戦略へと見直し、アメリカは前方展開基地から部隊の多くを撤退させ、同盟国が自国の安全保障にもっと責任をもつようにする必要がある
引用元 フォーリン・アフェアーズ リポートhttp://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/201302/Posen.htm#