鐵屋+Cafe ~島々ノ文化ノ風ガフク~ 現代アート 鉄彫刻家

鉄彫刻家の創作な日々と鐵屋+Cafeの島風な日々。『紅い鉄』『土へ還る鉄』を暮らしへと♪島文化薫るカフェとアートな鉄。

然り気無く活ける花に

2017年08月13日 09時42分06秒 | 日記


雨の日には、
花を買います。
部屋を明るくしてくれるから。

近所の一番近いお店で、
花を買います。
歩いて行って、
歩いて帰ってこられる距離なら、
思いたった時に買えるから。

女性の方が、
花に親しんでいるかもしれません。

僕は男だけど、
花屋に行って「そのとき」の
きれいな花を選ぶということは、
自分の美意識を刺激される行為だと
実感します。

パーティーのためでも、
誰かへのプレゼントでもない。
週に二回くらいの頻度で
花屋に行く暮らしは、
たいそう贅沢。

「部屋の空気を変えたい、
雰囲気の良い部屋にしたい」
と願うなら、
家具を変えるより、
ポスターを貼るより、
何か小物をあしらうより、
花を飾る方が、
よほど効き目があるのです。

花は大好きですが、
僕は特別な花瓶を持ってません。
大、中、小と、
せいぜい三つ。
五00円玉ひとつで
買える程度の花を、
ごく普通に活けます。

日常的に花を買うやり方は、
台湾のお茶の先生に
教わりました。

先生は、
たった一本の百合の花を
近くで買い、
包みもしないで、
すうっと持ち、
そのまま歩いて帰ってくるのです。

その百合が、
もって帰る道すがら、
先生をなごませてくれるのでしょう。

その一本が、
さっと活けたとたんに、
部屋を彩ってくれるのでしょう。

雨の日に暗くなるのは、
部屋の中だけではありません。
僕たちの心の中も、
ちょっぴり薄暗くなっているものです。

そんなときは、
昼間から電気をつける前に、
外に出ましょう。
傘をさして、
花を買いに行きましょう。
部屋だけでなく、
気持ちまでが華やぎます。

短い間でも生きている花。
花瓶の水を替えることも、
花を飾る喜びのうちです。

松浦弥太郎 著
「今日もていねいに」より

花憐の中野さんが
梅雨入り頃、
送ってくれた手紙に
書かれていた松浦弥太郎著の
「今日もていねいに」より
抜粋された物語。

僕も毎日、
お客様の座られるテーブルに
花を活けています。
小さな小さな一輪挿しの
鉄花器なので、
気負いすることなく、
気楽なものです。
花屋へ出向くことは
ほとんどありませんが、
お店の周りに咲いている
花や野草を活けています。
カフェで使う
ハーブと一緒に摘み取っています。
何気な習慣ではあったけど、
この物語を読んで、
実は、自然の「生きる」と
対話できる時間を
作っていたんだと、
改めて、感じました。
然り気無く、一輪の花を
今日も誂える。

人間は、自分が生きてるということを
自然からの「生きる」を感じることで、
自分の命の鼓動を感じているんだろう。
海や山へ出向くのも
自然界に生きることを
感じたいからなんだろう。
動物園や植物園があることも、
そう考えると?
とても不思議なことって感じる。
なら、映画館や美術館、劇場はどうなんだろう?
生き様を感じるってことなんだろうか?
作品から「生きる」を感じる為なんだろうか?

「生きる」を感じる
作品を創り続けていきたいものだ。