第2回・グローバル吟詠コンクール（九州・山口地区予選）

数日前までの豪雨が信じられないような青々とした夏空に、車を走らせ会場に到着すると
マイクロバスなどで遠方から参加した方々で既に駐車場は賑わっていました。

本大会は、伝統文化である吟詠の普及発展と、将来の吟詠会を担う優秀な人材の発展・育成を
目的に、昨年より新設された吟詠コンクールですが、今回第２回目を迎える事になりました。
【グローバル】と言う素敵なネーミングの通り、伝統文化の継承を経て、ゆくゆくは国際レベルでの
素晴らしい大会になる事を祈念したいものです。

私も今回、初エントリーのこの大会に課題吟から選んだのは、これまた初トライの
【張　継（ちょうけい）作・楓橋夜泊（ふうきょうやはく）】です。
大会続きに練習の時間がままならず、ただ、ひたすら師匠に吹き込んで頂いたМＤを
聞く毎日でしたが運悪く２週間前の大会後、夏風邪を引いて数年ぶりに発熱して
しまいました。

落着いたと思った頃に今度は声帯に支障をきたし声はガラガラ・・・聴覚まで変になり耳鼻科通いが続きました。
初エントリーのこの大会も残念ながら棄権？が危ぶまれる中、師匠のアドバイスで急遽、音程を下げて
チャレンジしてみる事になりました。
普段は詩吟音階【７本】での吟詠ですが、こんなアクシデントでもない限りおよそ試してみる事さえなかったであろう【５本】の音程は、師匠曰く『７本には聞かれない味があって、低音の響きも良いから、このまま風邪治らないが良いカモ？』と、ウィット混じりの嬉しいアドバイスに気を良くして、思い切ってのチャレンジでした。

日頃、詠い慣れない音程に、これ又、聞き慣れない尺八の伴奏だけが頼りで前奏の導入に耳を澄ませて、
音を探りながら恐る恐るのスタートでしたが、いつしか尺八の伴奏も遠ざかり・・・気が付けば絶句・誤読もなく
無事に詠い終える事が出来ました。
前の出番の方が、【６本】と音程が近かった事も救いでしたが、改めて己の不確かな音感と自信の無さが露呈した
貴重な体験でした～・・・

残る１００人ほどのエントリー者も次々と日頃の成果を発表して吟詠・和歌の全競吟が終了する頃は既に時計の針も６時半を廻っていました。
講評・審査結果などの発表が終了すると、予期せぬ入賞に驚きながらも来る８／２９（日）大阪決戦大会の出場申込みを
済ませて足早に帰路に着きました。

日中を涼しいホールで過ごし快適だったが、戸外にはまだ記録的な真夏日を思わせる熱風が時折、残ってました。
遠く山口方面からの参加者など、・・・一日中、缶詰め？状態の大会後、更に遠路に付かれる姿には改めてパワー頂きました。
この日の為にと日々、精進なさってた方々の中には、今回の豪雨の被害などで急遽、欠吟された方もいらっしゃると
伺って心から御見舞い申し上げたいと思います。

私ごとながら今回のアクシデントも・・・ケガの功名ならぬ、風邪の功名？での思いがけない体験に様々な
勉強をさせて頂きました。
何事も諦めないで今、置かれてる状況でのトライは、時として良い結果に繋がる事もあり得ると言う貴重な
体験にも遭遇する事が出来ました。
心地良い緊張感にドキドキ・ワクワクを楽しみながらエントリーを重ねる詩吟人生？・・・何事も『どうせやるなら～
楽しみながら～♪』と元来の楽天気質で、この先ドップリとハマってしまいそうな気がします～♪

　　　　<<続く・・・＞＞