“モデル柔道家”ビロディド、涙の銅メダル 20歳世界女王がウクライナ女子初の快挙
東京五輪柔道女子48キロ級3位決定戦が24日、東京・日本武道館で行われ、2018、19年世界選手権女王のダリア・ビロディド(ウクライナ)が銅メダルに輝いた。同国の柔道女子では初のメダル獲得。海外ファッション誌に多数掲載される“モデル柔道家”が強さを見せつけた。
ビロディドは3回戦から登場すると、セルビア選手に技ありで優勢勝ち。準々決勝は延長1分28秒に崩上四方固で一本勝ちした。準決勝は日本の渡名喜風南と激突。4分で決着がつかず、延長3分に横四方固で一本負けした。シラ・リショニー(イスラエル)との3位決定戦は、崩袈裟固で一本勝ちを収めた。勝利を決めた直後から顔を歪め、涙を流した。
2000年10月10日生まれの20歳。元柔道選手の両親を持ち、6歳から柔道を始めた。父・ゲンナジーさんは男子73キロ級で08年北京五輪に3大会連続出場し、世界選手権でも3位になった実力者。48キロ級では珍しい172センチの長身で、長い手足を生かした内股や大内刈り、絞め技が武器だ。
同じ48キロ級の谷亮子(旧姓・田村)に憧れ、18年世界選手権では1993年大会を制した谷の18歳27日を更新する史上最年少17歳345日で初優勝し、2019年大会で連覇を達成した。モデル事務所から誘いを受けるなど、海外の有名ファッション誌に多数登場。私服姿などを公開したインスタグラムのフォロワーは34万人を超え、人気を集めている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8e3e25af2223a678e8404146d96cce135755a1db
「単なる銅メダルではない!」“史上初”の五輪メダルを獲ったビロディドに母国ウクライナは歓喜「最高の形だ」
思わず涙が溢れ出た。
東京オリンピック2日目となる7月24日に行なわれた女子柔道の48キロ級で、世界女王のダリア・ビロディドは、3位決定戦でシラ・リショニー(イスラエル)に勝利。ウクライナの女子柔道史上初となるメダルを獲得した。
世界ランキング1位として3回戦から登場したビロディドは、初戦のミリカ・ニコリッチ(セルビア)を技ありでの優勢勝ちを収めると、カタリナ・コスタ(ポルトガル)との準々決勝は延長1分28秒に崩上四方固で一本勝ち。迎えた準決勝では日本の渡名喜風南(パーク24)と激突するも、延長3分に横四方固で一本負けを喫した。
金メダル最右翼と言われていた彼女だけに、この時ばかりは茫然自失となるが、すぐに切り替えた。そしてリショニーとの3位決定戦では、見事な崩袈裟固で一本勝ち。ウクライナ柔道界に名を刻んだ試合後には、人目をはばからずに涙を流した。
男子73キロ級で3度の五輪出場を果たした父ゲンナジーさんの影響と、自身と同じ48キロ級の谷亮子(旧姓・田村)に憧れ、6歳から柔道に励んできたビロディド。弱冠20歳で立った初の夢舞台で、母国民に届けた希望は計り知れない。
無論、ウクライナ・メディアは歓喜に沸いている。地元紙『TCH』は、「これは単なる銅メダルではない。ウクライナの女子柔道界史上で、最初のオリンピックメダルだ」とビロディドの栄誉を称えた。
「ダリアは準決勝で惜しくも日本人のトナキに敗れたが、そこからしっかりと切り替えていた。3位決定戦では見事な一本勝ちを収め、自らの戦いを最高の形で飾った。ダリアを感情の嵐が襲ったのは想像に難くない。彼女は嬉しさのあまり涙を堪えることができなかった」
もちろん、ビロディドは世界ナンバーワンの実力者として金メダル獲得を望んでいただろう。しかし、すぐさま敗戦を受け入れ、堂々と3位決定戦に臨んだ姿に、“世界女王”たる所以が見えた。