KU Outdoor Life

アウトドアおやじの日常冒険生活

秋の戸隠・P1尾根

2016年11月05日 | バリエーション・ルート

日程:2016年11月5日(土)日帰り
天候:
行程:横浜4:30-鏡池(登山口)9:00-(取付ミスにより40分ロス)-出発10:00-熊の遊場12:00-P1(弁慶岳)13:00~20-本院岳14:20-八方睨16:13~30-鏡池19:00
同行:M田師匠

 
 今日は師匠のリクエストで冬の偵察も兼ね、戸隠へ。
 まさかあの本院岳ダイレクト?と思ったら、少し易しめのP1尾根と聞いてホッとする。(^^;)
 一応こちらも登山地図では点線で示される難ルートで、長野県の指標では西穂-奥穂と同レベルとか。

 紅葉シーズンのせいか往きの関越が多少混んでいたが、上信越道を経由して割とスムーズに登山口の鏡池に到着。
 初冬のキリリと締まった青空と紅葉のコントラストが鮮やかだ。
 ささっと用意を済ませて歩き始める。


 ところが最初からいきなり凡ミス。ゲートを跨ぎ、少し行った所でそのまま林道を突っ切り谷へ向かって下って行く所を、右手の林道へ進んでしまう。
 そのまま林道を20~30分ほど進んだところで道は忽然と消え、間違いだったことに気付く。(赤テープもあったのに・・・。)

 急いで引き返し正規ルートに戻るが、この時点で早くも午前10時。本日のコースが約8時間と想定しているので、この後、時間に追われる形でペースをやや上げることになった。
 
 気を取り直して谷に向かってぐんぐん下る。
 いかにも熊が出てきそうな気配。時折ホイッスルを鳴らして牽制する。

 谷に降り、水量の少ない流れを飛び石伝いに三回ほど渡渉し、対岸のP1尾根に取り付く。
 急登をジクザグに進んでいくとやがて前方が開け、目指すP1を始め戸隠西部の山々が望める。
 ギザキザとした岩の稜線だが、ここから見る限り先々週の妙義に較べるとまだおとなしい印象だ。

 しばらく広い道を行くと、その先はタラタラとした緩い落葉の道が続く。
 朝方は空気もヒンヤリしていたが、ここまで来ると陽射しが暖かく、二人とも大汗をかく。師匠はハンカチで頬かむりをして何とも怪しい恰好。
 黙々と歩くしかない我慢の時間帯だが、回りの紅葉が心を癒してくれる。

 

 やがて傾斜が急になり始めた辺りで先行の単独行者をロックオン。
 聞くと我々と同じく日帰りでP1尾根と言う。
 我々はその先、本院岳経由で縦走するので少々時間をアセっているが、P1まで行くにしてもこの人、このスピードで大丈夫かなと余計な心配をしてしまう。

 登り始めて二時間、「熊の遊場」下で最初の休憩を取る。
 右手には本院岳ダイレクトが複雑な形で延びている。
 今は緑に覆われ、それほど迫力はないが、積雪期は一体どんな威容を見せるのか。



 鎖場を登って「熊の踊り場」。そこからは左へトラバースするように斜上し、またまた長いルンゼの鎖場。
 冬はここは完全な雪壁となって核心となるだろう。
 その先「無念の峰」からの10mほどの下りや途中の細いリッジも今は鎖や梯子が使えるが、冬はエグいポイントとなりそうだ。

 


 最後にちょっとした岩場を登って、ジャスト3時間でP1に到着。
 P1は元々「弁慶岳」という名前があるようで、字が霞んだ古い標識が残っていた。

 

 よく澄んだ秋空の下、展望を楽しんだ後、戸隠本峰への縦走路へ。
 まずは本院岳。すぐ近くに見えるが、下りの日陰部分にかかると雪が普通に残っている。
 軽アイゼンを出すほどではないが、両サイドが切れ落ちた細い道なので慎重に足を進める。
 本院岳は灌木に覆われているが、それでも高妻山は良く見える。



 
 
 その先、キレットへの下りがこの縦走路の核心か。
 確かに悪い。冬など完全にアルパインの世界になるだろう。

 

 
 次第に夕暮れが迫る中、キレットの底から登り返して八方睨のピークへ。
 最初知らずにここを戸隠本峰かと思ってしまった。360度の展望、頂上は大きな岩が鎮座しており、いかにもフィナーレといった感じのピークだが、実際の戸隠本峰はさらに30分ほど先にある。
 できればそこまで踏んでおきたかったが、朝一番のタイムロスにより、ここはきっぱり諦める。


 
 
 八方睨からの下りはまたなかなかのインパクト。
 鎖はあるが、細い岩のナイフリッジがあり、疲れた足でも最後まで気が抜けない。
 時間としてはギリギリで、これ以上暗くなったら初見でここをヘッデン下降するのはシビアだったろう。

 

 
 ようやく安全圏内に入ってホッと一息。
 後はただ足を前に出して進むだけだが、それでも暗くてよくわからず、最後に正規の道をまたまた通り過ぎたりオマケもついて、鏡池のパーキングに19時着。
 
 脇の草むらには狸の目があちこちで光り、その他に狐やイタチも目撃した。
 関東の山だとほとんど鹿か猪しか見る機会がないので、これはなかなか新鮮だった。

 
 せっかくなので翌日は百名山でもある高妻山へ登る予定だったが、天気はあいにくの予報。
 しかたなく有笠のクライミングへ急遽転進とし、そのまま戸隠を後にした。


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