「しょっぱいドライブ」 大道 珠貴 ☆☆☆
表題作は地方の海辺の町に住む微妙な年頃の女性がさえないおじさんとデートする日常の日々を綴った物語。
とにかく主人公の気持ちがコロコロ変わり、でもこういう女性は意外に多いのだろうなと妙に納得させられる。
いつもまとわりついてウザったいけど離れない親友の話もありがちで、まぁ面白かった。
芥川賞の選考基準がどういうものか知らないが、物語の大胆さ、発想の面白さよりも、むしろ何気ない風景や心理をいかに表現力豊かに描写するかというテクニックが重要なのだなと思う。
「ホームレス大学生」 田村 研一 ☆☆☆★
「ホームレス中学生」がベストセラーとなったお笑い芸人、麒麟・田村の実兄によるもう一つの物語。
弟と違って妹弟を抱えた長兄としての苦労が窺えて、自分はこちらの方が面白かった。
著者も元々お笑い芸人だったらしいが、もちろんあの獅子舞ネタのタムケンではない。
「一日(いちじつ)」 西村 賢太 ☆★
「苦役列車」で芥川賞を獲った作家のエッセイ集。
貧乏でエロ好きで退廃した生活ぶりだが、それでいて自分の心酔する作家には熱い義理を見せたりする。
今の時代には珍しい昭和の頃の無頼漢のような作家だが、好きな落語の影響なのか書きっぷりに独特のクセがあり、それにちょっとついていけなかった。
映画の「苦役列車」は面白そうだったので、そのうちレンタルで見てみたい。
貧乏でエロ好きで退廃した生活ぶりだが、それでいて自分の心酔する作家には熱い義理を見せたりする。
今の時代には珍しい昭和の頃の無頼漢のような作家だが、好きな落語の影響なのか書きっぷりに独特のクセがあり、それにちょっとついていけなかった。
映画の「苦役列車」は面白そうだったので、そのうちレンタルで見てみたい。