天候:
行程:前夜発日帰り
木曽駒高原スキー場跡7:25-入渓点7:44-登山道横断地点(最後の堰堤上)8:26-二俣9:40-奥の二俣10:36-終了点13:10-七合目避難小屋13:30-スキー場跡15:30
同行:タケちゃん、やますきーおさん
今回の計画は天気予報に翻弄され、直前まで二転三転。
当初の予定では越後の大ビラヤス沢だったが、一日前になって中央アルプスの中田切沢本谷へ変更。
で、当日になったらまたまた明日の雲行きが怪しくなって、急遽、日帰りの幸ノ川(こうのがわ)に転進。
気象衛星やらネットの発達のおかげで計画を臨機応変に変えられるのはありがたいことだが、今回のメンバーが栃木の最狂・・・いや最強コンビと共に中田切本谷と、それなりに気合と覚悟で臨んでいただけに少々拍子抜け。
タケちゃんとは昨年の南ア・大武川の一ノ沢以来で一年数ヶ月ぶり。
昨年は熊に襲われ、今シーズンは沢で滑落しアゴを骨折、前歯も3本折ったというから、さぞかし凄まじい姿では?と正直会うのがちょっと怖かったが、実際顔を合わせると以前と変わらず元気な男っぷりでホッ・・・。
やますきーお氏とは2008年の赤石沢以来。で、どこで日焼けしているんだか、相変わらず黒いっ!
挨拶もそこそこにとりあえずスタート地点の木曽駒高原スキー場(跡地)へ移動。廃屋となってしまったレストハウスがうら寂しい。
福島Bコースの起点ともなる登山口には既に6台ほど停まっていた。
我々も日帰りの沢仕様となって出発。
開けた高原状の場所から幸ノ川左岸の林道を進んで行く。
このまま林道を進んでいってしまうと幸ノ川の1/3ぐらい進んでしまいそうだったので、適当なところから林道をはずれ左手の沢へ入った。
だが、しばらくは堰堤続きで、これをいずれも右側から4つほど越えていくと登山道の横断点に突き当たり、ここからが実質上の遡行となる。
キノコに詳しいやますきーお氏はここで早くもサンゴハリタケ?とやらを見つけてGET。素人にはそんな不気味なオガ屑みたいなの食べられるんですかといった感じだが・・・。
出だしは7mほどの斜瀑で落口付近は大きなチョックストーンが覆い被さっているように見える。
で、昨シーズンから不運続きのタケちゃん、近頃はさすがに少し控えめかと思われたが、相変わらずアグレッシブに水流攻め。うーん、やっぱそう来ますか。
相変わらず強気のラインで攻めるタケちゃん
F2
さらに2~3、小滝を越えると次は7mほどのトイ状滝。
やますきーお氏を先頭に順次ツッパリで越えていく。見た目よりも簡単で、なかなか快適。
7mトイ状滝を登るやますきーお氏
その後、5~6mぐらいの段差が続く連瀑帯となる。
タケちゃんに倣ってなるべく瀑芯に沿って直登で行く。
ガバが乏しいカンテ状をだましだまし登り、その上のナメ滝ではけっこう細かいカチを拾っていったり、なかなか楽しめる。
もちろん、このメンバーでは基本的に自己責任。よほどの泣きが入らなければ、お助け紐など出てこない。
特別美しい沢ではないが、単調なゴーロや鬱陶しい倒木などが無く、小さな滝がポンポンと小気味良く続き、飽きさせない。
やがて顕著な二俣。
水量比はほぼ一対一。右俣の方がちょっと滝が険しいか。
南向きの沢なので陽射しは当たっているのだが、ここまでなるべく水線通しで来たため、けっこう身体が冷えてしまった。
陽射しで暖をとりながら、しばし右俣へ行くか左俣へ行くかで作戦会議。
急な転進のためトポなど一切無く、持っているのはタケちゃんのエアリアマップのみ。
で、少しは沢も開けて車を停めたスキー場も下に見えているので、やますきーお氏のドコモで沢の記録をネット検索しようと試みるが、さすがにそれは無理だった。
まぁ、何となく右でしょうということで進むが、後で確認するとやはり正解だったよう。
二俣から後半戦。
出だしの8m滝はちょっとキツそうに思えたが、近づくとそうでもなく、ここもシャワー突破。
続いて12m滝。水流左右どちらからでも可。
やがて、奥の二俣。
水量3:2で、多い方の左へ進む。
幅広7m滝。
何の変哲も無さそうな滝だが、右側から先に上がった、やますきーお氏がフイをつかれたように足を滑らせ、4~5mほど滑落。
うまい具合に満点着地を決めたが、途中で手を着いた拍子に指の付け根を傷めたよう。
まぁ大事に至らず、良かった。
タケちゃんと私は水流左から右へと細いバンドを斜めトラバース気味に突破を試みるが、水流の中の一歩が細かく、手の位置もバランスが悪くてフンギリがつかず、ここは諦めた。
幅広15m滝を越えると、そろそろ源頭部となり、水枯れとなる。
ここまでずっと水流沿いに来たため、濡れた身体がけっこう冷える。で、時間も十分にあるので焚火タイム。
上越辺りの沢だと、この時期まだそれほど寒さを感じないが、標高のせいかアルプスの沢はけっこう寒い。
残念ながら焚木が湿っているようで、ビッグ・ファイヤーとはならなかったが、まぁ少しは暖まって最後の詰めへ。
ガレたゴーロ滝を進み、ヤブこぎ無しで登山道が横切る終了点へ。
登山道を左へ進んでいくと、まもなく福島Bコースの七合目避難小屋に到着。
無人小屋のようだが、太陽光バッテリーなどが設置され、小屋の中もこざっぱりしていてなかなか快適そう。
木曽駒は1990年の冬以来登っていないが、その翌年に千畳敷カールで雪崩事故があってから伊那側は山岳監視員が常駐し、積雪期の単独はやりにくくなってしまった。
もし、この小屋が冬も使えるなら、また木曽駒に登りに来てもいいなと思う。
やけに大きなザックを背負った一般登山者の面々としばし談笑し、下山する。
沢が大した困難もなくあっという間に登り詰めてしまったわりには、下りの一般路は長く感じた。
熊の話やら健康診断で引っかかった話などいつもの四方山話をしながら、出発点のスキー場跡へまだ陽が高いうちに到着。
タケちゃんとはいつも残業もやむなしのハードな沢が多いので、たまにはこういうのもホッとする。
幸ノ川はコンパクトながら手頃な登れる滝が連続し、アプローチも楽なお手軽沢。
谷川がダメな時の子持山獅子岩みたいな感じで、急な転進にはなかなかイイと思う。
帰り道が違うお二人とは伊那IC近くで別れ、私は地元の「大芝の湯」で渋滞の時間調整。
営業時間内なら時間無制限で、大人料金500円。
露天はもちろんサウナ、ジェットバスも付いて、この料金はリーズナブル。
施設も新しくてキレイなので☆☆☆☆
帰りの中央高速で小淵沢や双葉PA辺りでけっこう強い雨。天気予報どおりで、日帰り転進は大正解だった。
【中央アルプス・幸ノ川】
今期は事故もあり、あまりご一緒できませんでしたが
来年また宜しくお願いします。
P.S:juqchoさん、超ニアミスだったって知ってました?
とりあえず元気そうで何よりでした。
朝日や会津、越後の沢などまだまだ気を惹かれるんで、またお願いします。
ニアミス・・・だったようですね。
沢の世界もいよいよ狭くなってきたようで。